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司法書士が書くペット信託ブログ

自筆証書遺言の注意点

こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。

自分が亡くなったあとに残されるペットのことを心配して、例えば、ペットの世話をしてくれる動物愛護団体に遺産を遺贈(贈与)する内容の遺言を書くことを考えている飼主もおられると思います。

遺言の方法は、大きくは自筆証書遺言と公正証書遺言がありますが、自筆証書遺言で遺言を残す場合の注意点を記しておきます。

自筆証書遺言は、自宅の仏壇やタンス・金庫などで保管されることが多く、紛失したり、遺言書を見つけた相続人によって破棄・隠匿等が行われたりすることがあります。ですので、信頼できる相続人等に遺言書の保管場所を伝えておくことをお勧めします。

さらに、自筆証書遺言の場合は、遺言者死亡後に、家庭裁判所による「検認」という煩雑な手続が必要となります。

以上のような問題点に対応するために令和2年から新しく始まった制度が、法務局での「遺言書保管制度」です。自筆証書遺言に係る遺言書を、法務局で保管してもらうことができるようになりました。

遺言書保管制度は、遺言書の保管期間の長短に関係なく、遺言書1通につき3,900円という低廉な費用を納付すれば利用できます。家庭裁判所による「検認」手続きも不要になります。

遺言の効力を巡っての争いでは、「遺言書が作成された時点で遺言者には判断能力(遺言能力)があったのか」という点が焦点になることがあります。

特に自筆証書遺言の場合、すでに遺言能力を失っている遺言者に対し、相続人の一人が自身に有利な内容の遺言書を書かせたり、遺言書に虚偽の作成日付を記載させたりするケースがあります。

遺言書保管制度を利用した場合は、法務局が、遺言書を保管した年月日を証明してくれます。ですので、遺言書保管時点で遺言者に遺言能力があったことの証拠があれば、遺言者の遺言能力を証明できることになります。

相続人間での争いが予想されるケースでは、自筆証書遺言による場合は、遺言能力の有無を巡って争いが生じないよう、遺言書を作成した際に、専門医による認知能力検査を受けておき、遺言能力に問題がなかったことの証拠を残しておくことをお勧めします。

さらに自筆証書遺言の場合は、遺言の内容に基づいて遺言者の銀行預金を解約しようとしても、解約のための「相続手続依頼書」等に相続人全員の実印と印鑑証明書を求められることが多々あります。

自筆証書遺言の信頼性が原因ですが、銀行としては相続争いに巻き込まれることをなるべく避けようとするためです。一方、公正証書遺言の場合は、遺言により銀行預金を相続した相続人単独で預金を解約することができます。

以上のような遺言能力を巡っての争いが生じることを避けるために、公正証書で遺言を残しておくという方法があります。公正証書遺言の場合、公証人が遺言者本人と面会し、遺言能力があるかどうかを判断しますので、公正証書遺言の効力を否定することは非常に難しくなります。また、家庭裁判所による「検認」手続きも不要です。

 

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※ペット信託相談所

※日本ペットトラスト協会《ペット相続士/会員番号1A-00143・関西・金城慶成》

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