海外ではすでに展開されており、日本でも近日展開予定のクラウドサービス「PlayStation Now」。
当選者のみ、2015年8月20日~ 9月8日までPS4での”ベータ版”が利用できました。
実は、私も当選していたのですが、他にも色々とやっていたら忘れてしまっていまして…。
ベータ版の最終日である先日に思い出して、急きょお試しプレイしてみました(苦笑)
なお、お試しプレイしたのは『パペッティア』を約30分。『The Last Guy』を約15分です。
どちらもPS3でプレイしたことがあり、比較できると思ったので、このタイトルを選択しました。
◆== プレイ開始までの流れ ==◆
ベータ版を選択すると「PlayStation Store」が起動し、「PlayStation Now ベータ版」でプレイできるタイトルの一覧が表示。
そのなかからプレイしたタイトルを選択して、一度「購入する」必要があります。テストですから、もちろん無料ですよ(苦笑)
初めて購入しようとすると「接続テスト」が発生。私は問題ないと判断されましたが、ここでもし回線速度がノルマを超えていないと、購入できないものと思われます。
購入手続きが完了したら、そのまますぐにゲーム開始できます。
以後、購入したタイトルは他のタイトル同じようにPS4のメニュー画面に並びます。
「PlayStation Now」のタイトルは、タイトルロゴの右下に青い三角のアイコンが付いています。これが「PlayStation Now」のメインロゴなんでしょうね。
◆== プレイに関するお話 ==◆
タイトルを選択してから起動完了するまで、約30秒ほどかかるようです。
インターネット接続にくわえて、どうやら起動のたびに接続テストをしているので、結果的にこれくらいかかってしまうようです。
操作は基本、PS3の時と同じ。ただし、STARTボタンとSELECTボタンはありません。
なので代用として、STARTボタンは「タッチパッド右側を押す」。SELECTボタンは「タッチパッド左側を押す」になります。OPTIONボタンは使用しません。
SHAREボタンは機能しましたが、ベータ版ということもあってか、スクリーンショットの撮影や録画はできませんでした。
誰もが一番気になっている「ラグ(インターネット回線の影響による操作と反応のズレ)」についてですが…『パペッティア』の時はあまりよく分かりませんでしたが、『THE Last Guy』をプレイした時は、ちょっと遅く反応しているかも?と感じました。
といっても、0.2~0.3秒くらいかな?計りようがないレベルなので分かりませんが、とりあえずこの両タイトルは、そこまでシビアな操作を求められないので、気になりませんでした。対戦格闘ゲームとかだと、気になるかもしれませんね。
また、私はベータテストの最終日にプレイしました。おそらく、プレイしている人はあまりいないでしょう。ベータテストの初期はもっと多くの人が同時に利用していた可能性があるため、そのほうが、よりラグを及ぼす結果になるかもしれません。ただ、実験していないので、断言はできませんが…。
なお、「PlayStation Now」の注意事項を1つ。
サーバー確保の兼ね合いにより、長時間なにも操作がなかった場合は、強制終了するようになっているようです。時間は計っていませんが、起動したままスタンバイ状態にして、後でそのまま再開する…ということは、不可能だと思ってください。
プレイしている最中に”寝落ち”しちゃったら、危険ですね(笑)
◆== メニュー画面について ==◆
どうやら、「PS Now」のPS3タイトルを起動すると、PS3で使用されていたメニュー画面「XMBメニュー」も一緒に起動するみたいです。「サインインしました」と出ますし、その後に「メールが届きました」とか出ましたし(苦笑)
※PlayStation Network上でやり取りされるメールは、ゲーム機が変わっても関係ありません。PS4に届いたメールはPS3にも届きます。そのため、こういう現象が発生します。
PSボタンを押すと、ゲームの終了やPS4メニュー画面への移動のほか、「XMBメニュー」を見ることもできます。
ただし、利用できる機能は、セーブデータの管理・トロフィーの閲覧・フレンドの管理のみのようです。
●= partygameの感想 =●
私はこれまで、クラウドサービスというと、スクウェア・エニックスがスマートフォンで実施していた「DIVE IN」を試しにプレイしてみた程度です。
で、今回「PlayStation Now」を試ししてみて思ったのは…その時と、さほど印象が変わらないってことですね。
ラグは、全く発生しないようにするのはどうしても難しいところ。
で、それがプレイに影響するかどうかは作品ごとに判断するしかないので、正式サービスの際には、「DIVN IN」のように少しだけ無料で体験できる時間が欲しいと思いました。
ただし、それをやっちゃうと、たいていの人はラグが気になるなどの理由で購入まで行ってくれないかもしれませんが…。
あと、一番気になったのは、起動の時間がかかること。
起動のたびに約30秒でしょ?これなら「ゲームアーカイブス」のように買い切りで購入して、ダウンロードされるまで少し辛抱するほうが良いと思ってしまいます。
ましてや、接続テストに同じ時間がかかるのでしょうから、PS3のタイトルを起動した時も、PS1のタイトルを起動した時も、同じくらいの起動時間がかかると予想されます。そして、「PlayStation Plus」の会員であれば、アップデートがあったとしても自動で実施してくれるので、ほとんどストレスがありません。それらを考慮すると、ますますもってクラウドサービスの価値観に疑問を感じます。
ベータ版なので、まだまだ磨きがかかるのかもしれませんが…現時点では、本当にただただ「販売側の都合に合わせただけのシロモノ」という印象が強かったです。
テレビ業界の都合で、地上デジタルテレビ放送に完全移行した時と、同じですね。生活に溶け込んでいるテレビならまだしも、ゲームでそんな都合がユーザーに納得してもらえるでしょうか?それこそ、過去のゲーム機のサービスが優秀ってことになってしまうと、PS4にとっては本末転倒ですからね。
そうならないためには、クラウドサービスの利点を最大限に活かしたプレイスタイルを提供することだと思うのですが…まあ、簡単なことではありませんね。
例えば、クラウドサービスだと、アップデートによるストレスは一切なくなります。それなら、今でいうWii Uの『スプラトゥーン』みたいに頻繁なアップデートを繰り返すようなタイトルとかは、相性が良いのかもしれません。
あるいは、オンライン専用ゲームもそうです。オンラインゲームもアップデートってけっこう頻繁に発生して、そのたびにデータをダウンロードしないといけませんからね。そのストレスから解放された時、オンラインゲームの新しい提供方法とかが生まれたりするのかもしれません。例えば、日が変わるたびに世界が大きく変化するRPGとかね。
そういうアピールが難しいのなら、最悪でも、何かしら「PlayStation Now」でしか遊べないタイトルを提供することですね。
ゲームアーカイブスの延長線上ってだけだと、本当にゲームアーカイブスでいいじゃん、ってなってしまいますからね。
正式サービスがいつになるかは分かりませんし、結局はタイトル次第ってところもあるかもしれませんが…クラウドサービスとして見れば、結局のところデメリットが解決できないままでいるように感じました。
スクウェア・エニックスの「DIVE IN」は、1年経たずしてサービス終了。はたして「PlayStation Now」はどうなるのでしょうか?期待と、それ以上の不安をもって、サービス開始の日を待つことにしましょう。
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