英語が出来るわけではないのにどうして行きたいかなぁ~。
アフターランチが魅力でもなかったし、その後の数人の仲間でのティーが
楽しみであるわけでもなかったが、どちらも楽しんでしまった。
先週の木曜日、シスターの従兄弟という67歳の神父さんが授業をしてくれた。
それが楽しかったのでそれをシスターに伝えたかった。
日本にいながら、外国語で一つの授業を受けている気分なのだ。
内容が全てわかるわけではないが、面白い。
これが、長年通いつめた図々しさかなとふと思う。
何でも男子生徒ばかりの学校で彼は16歳の男子担当。
彼の生徒は70名ぐらいであり、スピーチ科目の先生をしているらしい。
スピーチ科というのも面白い。それは卒業後に大変に役立つと・・。
クラスではフランス語と英語が話されていてしかも言語を統一するわけでも
なく、二つの言語を使いながら授業を進めているという。
彼の話から、先進的な教育を施し、個を大切にした創造的な授業が推し量られた。

中でも、先週の話の面白かったのはiPadを使った中学生の試験についてである。
シスターもそのことを従兄弟から私たちに伝えたそうで彼に促していた。
カバンからiPadを取り出し、examination のしくみについて話をした。
この内容は聞き取りの自信がないので控えるが、カンニングができない
仕組みになっていて質問項目がそれぞれに順不同で作られていると
捉えたが定かではない。
生まれ故郷の広大な原野が広がるモントリオールの風景とキャンピングカーの
ようなものを使って移動を含めた生活についての話も面白かった。
それとクラス仲間が質問したことだが「あなたはいつから将来を決めましたか」の
質問の答えだ。
クラス仲間の質問の答えは大学を卒業するときに、「自分は何ができるだろう」
人間らしく生きるための価値に重きをおいて判断したという内容だった。
いい質問だが内容が大きすぎると話終わって恐縮していた。
神父になると決め、同じ教区にとどまらない、できるだけ貧しい国に行く仕事を
選んだという内容のことを話したように感じた。(笑)

彼は67歳にしてすでに杖を使っていた。
風貌は、サンタクロース、それも相当太り気味のである。
飛行機の中はさぞ窮屈であったろうと授業中に考えてしまった。
優しい目と白いヒゲ、丸いお腹は、子供が見たらサンタクロースをイメージする。
彼のスタイルについてのエピソードも話してくれた。
モントリオールでのことである。
デパートで母親に連れられた小さい子供がじっと不思議そうにかれを見ていたという。
母親が我が子の失礼に困惑しながらいる中、彼はその子に
「ぼくは今、休暇中なの」と言ったという。
するとその子も母親もにっこり笑って納得したという。
かれの人格を象徴するようなお話に、なんとも言えない豊かさを感じた。

1週間が過ぎた昨日、教室を整えていたシスターに出会った。
まだ教室には誰も来ていない。
駐車場で会ったAさんと共にシスターに先週の授業の感想を言った。
すると、シスターは、先週みたいな授業を今日も、希望するかと聞いてきた。
クラスの意見をまとめてください、彼はまだいます・・・と。
それでAさんとまとめた結果、先週通りにお願いすることにした。
昨日の授業も大変魅力的であった。
グリーン・ムーブメントについて、特に学校建築についての話だった。
Wさんの質問にあった、教育現場におけるいじめについての対策を
どうしているかという話も聞いた。
教育関係については日本語だと余計に話は弾んだろうが自分勝手なイメージで
内容を理解しては楽しんだ。
モントリオールの今は、一年で一番いい気温であり、30度という。
ちょうど福島の昨日の気温がうれしそうだった。
ただし、湿度のない爽やかな30度ということだが・・・。
ほとんど、一年中が冬だと語る自国の気候を笑いながら最高30度、最低気温が
マイナス30度という。
いつもより冷えたクラスで私たちが寒いというと、「寒い?私はコンフォタブル」
と言って笑う。
0度で春が来た~と言って外で車を洗うというお国の話には驚きだが新鮮だった。
住む場所が異なると全く価値観が違ってしまう。
9月に訪ねたことがあるという仲間の一人が、寒すぎてダウンを着ていたという
から更にうなずける。
そういう国なので、ちょっとお天気がいいとベランダ生活が始まるという。
たいてい寒い冬だとすれば太陽は貴重である。
最も面白かったのは、黒板に書くスペルに間違いが多く、真面目なシスターが
いちいち従兄弟のスペルチェックをしてたしなめていたことだ。
一向に気にせず、修正される黒板を見て、ニコリと笑ってシスターを見る彼の目が
まさにサンタクロース並みである。