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監督の独り言(サッカーからの喜楽悔挑)・・・

埼玉県内で活動している、ジュニアユース年代サッカークラブ監督の独り言です。

サッカーからの喜楽悔挑・・・vol.69

2008年09月24日 | サッカー
 クラブHPでも紹介されているとおり、9月21日に「審判の楽しさとサッカーの面白さ」というテーマで、“現日本サッカー協会審判アセッサー兼関東サッカー協会審判インストラクター・布施直次先生”による講演会を、開催させて頂き、私も選手達と一緒に聴講させて頂きました
 
 布施先生は、日本協会の審判の要職を担いながら、埼玉県内の公立高校で教鞭を執られている“体育教師”でもあり、高校サッカー部の監督さんでもある方です。今回は日々多忙なスケジュールを調整して頂き、我が町にお越し頂きました

 布施先生とは、以前私が高体連に所属し各種大会に参加している時からのお付き合いで、当時は練習試合をお願いしたり、大会審判でご一緒させて頂いたりしました。大会審判でご指導頂いた時は、布施先生がJリーグの現役主審であったこともあり、「TVで見る審判の方」と一緒に審判が出来ることを心から光栄に思いました。

 当日は、町内・町外からサッカー関係者と父兄、パルセイロ選手が出席し布施先生のお話を伺いました。当日、講演会に出席されなかった方々の為にも、簡単に布施先生のキャリアと講話の内容についてご紹介します。
 布施先生は、小学生の頃からサッカーを始め、埼玉県内の高校卒業後は、日本大学文理学部体育学科に進学され、大学でも優秀な選手として活躍されました。大学卒業後は、埼玉県内の公立高校の体育教師として教鞭を執りながら、現在の「埼玉SC」の前身である「埼玉教員チーム」でプレーヤーとして活躍。プレーヤーとしても国体出場など輝かしい実績を持つプレーヤーです。
 選手としての現役を引退した後、審判活動に専念され、1991年に1級審判員に合格。1993年のJリーグ開幕戦(現東京ベルディvs現横浜Mマリノス)では副審を務められました。1994年には、各国から選ばれたレフェリーだけにしか任命されない“国際審判・主審(2008年度現在の国内国際審判数 主審7名・副審10名)”に任命され、2001年FIFA規定による“定年”により、国際主審としての任務を満了されました。
 その後も、Jリーグ審判員として活躍され2004年までにJ1・J2合わせて約130試合あまりの主審を務められ、国内のJリーグ以外の主審としては、天皇杯決勝・全国高校サッカー選手権大会決勝・全日本大学サッカー選手権決勝・全日本ユース選手権決勝・キリンカップ、アジア大会(広島)など、国内で行われる主要大会の主審を歴任され、海外においても、アトランタオリンピック予選、シドニーオリンピック予選、フランスワールドカップ予選・日韓共催ワールドカップ予選、アジアカップ、アジアクラブ選手権など、国内・海外で合計約50試合の“国際試合”で主審を務められました。
 今でこそ、”レフェリーのプロ化”が定着していますが、先生がご活躍されている当時はレフェリーに対する風当たりも強く、本業(体育教師)との兼務には苦労が多かったそうです。
 時には、愛娘を車に乗せている時に、ラジオから聞こえる”布施先生バシング”にも見舞われるような辛い経験をされたそうです。そのような苦い経験を活かし、「もっと上手くなりたい」・「誰もが納得するゲームコントロールの達成」の為に、トレーニングや研修・勉強を重ねられたそうです。
 
 現在は、日本サッカー協会における「審判育成」の大切な担い手として、後進の指導(アセッサー・インストラクター)にお忙しい毎日を送られており、なおかつ高校年代の指導者としても活躍されています。今回は、布施先生ご自身がプレーヤー・指導者・審判という立場を通じて経験・体感した事を中心に貴重なお話しを伺うことが出来ました。
 その中で印象深かった内容は、高校サッカーの指導者として「中高生期で大切なことは何か」と「フェアプレーとは何か」というお話しでした。
 「中高生期で大切なことは何か」というお話しでは、「必要なのは勉強・役割分担・責任である」と語られていました。この事は、学校生活、家庭生活を含む生活面全般に言えることであって、「どんな競技であっても、将来プロ選手になる、ならないに関係なく“人間として”必要な事である」と言うのです。サッカーに携わる選手においても「サッカーを勉強する・サッカーにおける役割分担を理解する・自分の役割に責任を持つことが、非常に大切。中高生期にこの事柄をしっかりと、スポーツや日々の生活から学ぶことが出来るかが、その後の人生において重要な意味を持つのではないか。」とのお話しでした。
 Jリーグの主審として、国際審判員として様々な「プロサッカー選手」を間近で観ている布施先生の経験談は、非常に学ぶべきものが多かったです。
 
 次に「フェアプレーとは何か」というお話しでは、“フェアプレー=グッドマナー”である。
 グッドマナーとは、正々堂々と戦い、相手を敬い、相手を尊敬し、相手を思いやる心の事。選手達が実践できるようにさせるためには、我々指導者(大人)が率先して手本を示すべきではなかろうか・・。そのような環境が“サッカーは子供を大人にし、大人を紳士にさせる”のである。そのような手本を大人が示す事で、是非選手(子供)達には、サッカーが出来る環境(両親・親類・相手チーム・レフェリー・主催者・役員)を理解させる必要もあるだろう。その環境・存在を意識させることができれば、自発的に「感謝する心を育む」ことができるはず。

 “フェアプレー=ルールを守る”ではなく、“ルールを守れる・相手を敬う人間性(グッドマナー)が必要”だと言うことでしょう。とかく現代の中高生期のサッカーは「何が何でも勝てばいいんだ」とか、「勝利のためには多少のファールは仕方ない」など、間違った考え方を選手(子供)達に強要している光景を私は目にします。そのたびに何とも言えない心の痛みを覚えます。正々堂々と戦う為には、ファールをしなくても相手からボールを奪う技術が必要なのです。その技術の習得よりも先に「勝つためなら多少の・・」と指導者が安易な事を選択してしまうのは、絶対にあってはならないと私は思うのです
 
 先日の県クラブ選手権のゲーム終了後、審判の方が別の審判の方に対して「あんな程度のファールをその都度取っていては、ゲームが切れ切れになって、つまらなくなってしまうので考えた方が良いですよとアドバイスしていました。その様子を見ていて、私は「」となりました。「ダメなことはダメ」と判定したレフェリングに対しての駄目出しってどうなのかなと・・・。
 中高生期のサッカーはプロサッカーではなく、「子供を大人にする為」の大切なアイテム(経験・体験)なのではないかと・・。
 そんな環境の中で「しっかりとした判断」が身につくのかな・・・とね。
 そりゃ勝負事には、多少のズルさも必要かもしれない・・。でも、ズルばっかりしていると“本当の善悪への判断”が出来なくなりそうで、私は恐くなります。
 
 今回の布施先生の講話を通じて、我々も様々なことを再認識することが出来ましたし、良い勉強になりました。
 我々は今後も、選手や父兄、地域の皆様にこのような機会を提供できるよう、準備を進めて行きたいと思います

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