お気楽ナチュラリスト

都内に住んでも心はナチュラリスト。
週末は山と川で遊びたい。

硫黄岳(後編)

2010年10月04日 | 登山
10月3日(日)。

こんこんと眠り続けた息子が、朝5時半にムクッと起き出した。
昼寝も含めて都合15時間寝たことになる。
顔つきもスッキリしている。
どうやら大丈夫そうだ。

天気も奇跡的に好天を維持している。
今日こそ、硫黄岳のピークを目指せそうだ。


小屋の朝食は、6時15分から。

ご飯とおみそ汁を受け取り、席に着く。
おかずはサンマの開き半分と温泉卵、海苔、生野菜、漬け物、グレープフルーツなど。

とにかく白米とみそ汁が絶品。おかわりしてしまった。


6時50分。
お腹もいっぱいになったところで、硫黄岳を目指して出発!

子どもの荷物は小屋にデポし、空身で歩かせる。

大同心沢、ジョーゴ沢を越えると、急登が始まる。

昨日とは、打ってかわって快調なペースで高度を稼ぐ。


秋の登山は、レイヤードが肝心。
樹林帯の登りは暑いので、娘は一枚脱いで体温調節をする。
子どもは自分で温度調節を管理することが難しいので、大人が声をかけてやる必要があるのだ。

ちなみに子ども達の服装は、ウィックロンの長袖Tシャツ、フリース、ライトシェルジャケットの3枚。
これを脱いだり着たりを面倒がらずに行う。



服装といえば、近頃の若い女性登山客らは、みんなオシャレだ。
「山ガール」というのが流行だとか。

スカートにロングスパッツなんて、10年前は考えられなかったスタイルだ。
うちの娘も「山ガール」になるのだろうか???


展望の無い単調な樹林帯を登ること1時間30分。
ようやく赤岩の頭に到着。
森林限界を突破し、アルペンムードが高まる。



ここまで来ればピークまでは20分程だ。



寒くはないが、風が通り抜ける。
ガスが流れては、間近の横岳、赤岳、阿弥陀岳を隠したり、現したり。


子ども達もテンションが上がり、早くピークへ行こうと急かしてくる。
それじゃあ、行ってみようか!


すれ違う登山者に励まされ、ぐいぐい高度を上げていく。
あっという間に、頂上直下の岩場に出た。

右に回り込んでから、10mほど岩場を登る。


ぽっと抜け出たところが硫黄岳の頂上だ。

8時50分、硫黄岳(2760m)の頂上。がんばりました!
がっちり握手を交わす。
子ども達は、昨年の西穂高岳独標以来の最高高度の更新となる。


硫黄岳のピークはとても広く、キャッチボールくらいは余裕でできる。(やらないけど…)
その分、風当たりも強く隠れるところがない。
ガスがひっきりなしに流れていく。
娘が思わず、「あー、雲がちぎれてるー!」


八ヶ岳は、その昔火山であった。
その名残を色濃く残しているのが、硫黄岳である。
山頂から見る爆裂火口はいつ見ても迫力満点だ。



お腹が空いたので、頂上の雨量計小屋で風の陰に入り、クリームパンをかじる。

雨量計小屋といっても、今は何も使っていない。
犬小屋をちょっと大きくしたくらいのもので、大人は這って入るのがやっと。
中では立ち上がることはできず、ぎりぎり座れる程度の高さだ。

この雨量計小屋は、自分にとっては懐かしい場所である。
10年くらい前の冬。猛吹雪で視界ゼロになったとき、師匠とともに小1時間ほど中に身を隠していたことがあるのだ。
あのときは厳しかった…。


なんて思い出にふけっていると、子ども達が「もう下りよう」だって。
山頂滞在時間10分で下山開始。(笑)



足下に気をつけながら、どんどん下っていく。


10時10分、赤岳鉱泉に戻ってきた。
デポしてあった荷物を受け取りに行くと、スタッフのおねえさんに「今日は登れたんですね。よかったですねえ~。」と笑顔でよろこんでくれた。

お菓子を食べて、ほっと一息。

食べた分軽くなったザックを背負って快調に下山していく。

背後にある横岳西壁を何度も振り返りながら下っていった。


無事に下山できたことを、山の神にご報告する。

「ありがとうございました。ムニャムニャ…」


12時。
車を停めてある美濃戸に到着。二日間の登山が終了した。

天気や息子の体調など不安要素がたくさんあったが、結果的には目的はすべて達成。
よい山登りができた。



最後に忘れてはならないのが、これ。

硫黄岳の山バッジ。
今回は特別大サービス、ソフトクリームのおまけ付きだ。



papachan:「今回は何が良かった?」

子ども達:「山小屋のご飯!」

papachan:「山小屋は今回だけ。次回からはテントだからね。」

子ども達:「えー、やだー!」



ちょっと贅沢をさせすぎたかもしれない。反省…
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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
soraさん (papachan)
2010-10-09 09:14:30
おはようございます!
写真、きれいでしょう?
行きたくなってきません?(笑)

子ども達って元気そうでいて、実は大人のように調子が安定していないので、コース選定には悩みますね。
どこに行く悩むのも楽しみの一つではありますが。
無事に下山できるとほっとします。

我が家の押し入れは荷物満載なので、中に入るのが新鮮だったようです。
次回、小屋に泊まるときは大部屋にします。(笑)
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まさひさん (papachan)
2010-10-09 09:07:11
おはようございます!
空気が綺麗だと、へたっぴな私でもいい写真が撮れます(笑)。

硫黄岳は、南八ツの中では登りやすい山です。
中学校の林間学校などでも登っていると聞きます。
これから3000mにチャレンジしたいな~と考えている人にとっては、ちょうどよい山ですね。

「いぐさ」に行かれたんですね。
私もまた行きたくなってきました。
返信する
Unknown (sora)
2010-10-08 10:07:55
おはようございます。
写真でこれだけ綺麗なんですから実際は…
行かないとわかりませんね(笑)

papaさんのたくましさを感じますね。
お子さんたちも、いろいろな思いをしていますが、
papaさんがしっかりまとめて楽しく過ごせてますね。

押入れって子供の場所なんでしょうね、
大人は入らないですもんね。
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Unknown (まさひ)
2010-10-07 19:37:04
こんばんは

森林限界を超えた山ってこんな綺麗なんですね
一枚目の空の写真も綺麗です

小学生でも登れる山なんですか??
日の出山で練習して来年チャレンジしようかな
山の綺麗な写真見てると行きたくなります
実際行くと途中でばてちゃいそうですが(笑)

「いぐさ」行ってきました
蕎麦とカツどん美味しかったです
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あなさん (papachan)
2010-10-06 01:10:01
こんばんは!
今回は無理かなと半分諦めていたのですが、おかげさまで何とか目的達成しました。

森林限界を越えた稜線漫歩は、山登りの醍醐味です。
キャピキャピ隊の合宿は山でいかが?
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jbopperさん (papachan)
2010-10-06 01:06:19
こんばんは!
体調の悪いときに無理をさせると山がキライになったりするので、後ろ髪をひかれつつ山小屋に逃げ込みましたが、結果オーライでした。

沢の画像に反応していただける方が必ずいらっしゃると思っていましが、jbopperさんが第1号でしたね。(笑)
でも、あの沢の水は鉄分が多すぎて、魚は棲めない沢です。
渓相は本当に素晴らしいんですけどね~、残念!

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Unknown (あな)
2010-10-06 00:21:57
こんばんは!
いや~息子さん、元気になって良かったですね。
ホッとしました^^
山頂も行けて、バッジも…(アイスも?)

わたし、開けた稜線って行った事無いんです。
が!いつもpapaさんの記事で登った気になってます(笑)
いつかホントに行ってみたいと思います^^
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Unknown (jbopper)
2010-10-05 19:49:02
お疲れ様でした。
いつもながら、冷静な判断でお子さんたちをリードする山男パパには脱帽です。
今回は息子さん、しっかり休ませて、復活してよかった!
それにしても、渓流が見えるとどうしても反応してしまいます…(笑
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RLさん (papachan)
2010-10-05 18:31:50
こんばんは!
今年の紅葉は遅めですね。
あと1週間後くらいが最盛期でしょう。
そのあとはあっという間に冬が到来します。
高山の秋は一瞬ですね。

RLさんのところもやっぱり「押し入れ派」ですか。
これは日本の子ども達に共通する文化かもしれませんね(笑)

座談会、ぼちぼち企画・告知しますので、ぜひ来てくださいね~。
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kawaさん (papachan)
2010-10-05 18:27:30
こんばんは!
なんとか目的達成できてよかったです。
山小屋に一泊するだけも話のネタにはなりますが、せっかくお金をかけたので、やはり登らないと…。

山ガールは増殖していますよ、確実に。
八ヶ岳は出没率が高いかもしれません。
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こんばんは! (RL)
2010-10-05 01:04:47
綺麗な空ですね~
そして もう紅葉も始まっているんですね

ウチのガキンチョも夏に泊まりで出かけたとき やはり押入れで寝たがりました(笑)
知らない場所だと 本能的に身を隠したくなるのでしょうか

釣りが終わってしまうと 魂が半分抜けて
腰は重くなってしまうんですが
寒さが本格的になる前にどこか行きたくなりました
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Unknown (kawa)
2010-10-05 00:20:42
よかったですねー。2人とも満足だったでしょう。またバッジ見せてもらわないと。

山ガールってほんとにいるんですね。わたしの知り合いで山に行く方は、そんなの見たことない!と言ってましたが。
やはり人気スポットがあるんでしょうか?
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