57人が死亡し、いまも6人が行方不明となっている戦後最悪の火山災害、御嶽山(おんたけさん)(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火から、27日で1カ月を迎える。犠牲になった登山者の家族らのもとに、火山灰にまみれた遺品が残された。リュック、登山靴、カメラなどの品々の中から、家族らは山に奪われた大切な人の面影を探し続けている。【大野友嘉子】
【写真】カメラに残っていた最後の2ショット
つぶれて真ん中からぐにゃりとゆがみ、火山灰にまみれたコンパクトデジタルカメラ。恋人同士がにこやかに納まったものなど48枚の写真が残されていた。死亡した愛知県一宮市の会社員、所祐樹さん(26)の遺品だ。一緒に写っているのは、結婚を約束した同市の丹羽由紀さん(24)。2人の遺体は今月1日、山頂付近で寄り添うように倒れている状態で見つかった。
祐樹さんの父清和さん(53)は、遺体がそれぞれの自宅に戻った2日未明、遺品整理中にカメラのメモリーカード挿入部の蓋(ふた)が開いていることに気付いた。小石や灰を針金などでかき出し、そっと取り出したカードのデータをパソコンで開いた。「夜が明けてからカメラ屋で取り出してもらうべきかと迷ったけど、早く足跡を知りたかった」と話す。
夫婦は2人の最期を知りたいと、新聞やテレビ局の取材を受ける中で、目撃情報や写真の提供を呼びかけた。すると今月9日、山頂から下りる2人の写真がメールで届いた。黄色のジャンパー姿の祐樹さんの後ろを、青いジャンパーを着た由紀さんが歩いている。同県大府市の男性が偶然、撮影したものだ。自身を撮るため由紀さんにシャッターを押してもらったことから、2人のことを覚えていた。
由紀さんの母にこの写真を見せると、「ちゃんと祐樹くんは前におるね」とつぶやいた。由紀さんは「危ない場所は祐樹くんが先導してくれる」と話していたのだという。
さらに、8合目付近であいさつを交わしたという島根県の男性(58)が、「しんどそうにしている彼女を、祐樹さんが支えながら登っていた」と、噴火前の2人の様子を連絡してくれた。2人が見ただろう山上の景色の写真を届けてくれた人も。「涙が出た。人の真心、優しさを知った」。清和さんは声を詰まらせた。届いた写真は額に入れられている。
【写真】カメラに残っていた最後の2ショット
つぶれて真ん中からぐにゃりとゆがみ、火山灰にまみれたコンパクトデジタルカメラ。恋人同士がにこやかに納まったものなど48枚の写真が残されていた。死亡した愛知県一宮市の会社員、所祐樹さん(26)の遺品だ。一緒に写っているのは、結婚を約束した同市の丹羽由紀さん(24)。2人の遺体は今月1日、山頂付近で寄り添うように倒れている状態で見つかった。
祐樹さんの父清和さん(53)は、遺体がそれぞれの自宅に戻った2日未明、遺品整理中にカメラのメモリーカード挿入部の蓋(ふた)が開いていることに気付いた。小石や灰を針金などでかき出し、そっと取り出したカードのデータをパソコンで開いた。「夜が明けてからカメラ屋で取り出してもらうべきかと迷ったけど、早く足跡を知りたかった」と話す。
夫婦は2人の最期を知りたいと、新聞やテレビ局の取材を受ける中で、目撃情報や写真の提供を呼びかけた。すると今月9日、山頂から下りる2人の写真がメールで届いた。黄色のジャンパー姿の祐樹さんの後ろを、青いジャンパーを着た由紀さんが歩いている。同県大府市の男性が偶然、撮影したものだ。自身を撮るため由紀さんにシャッターを押してもらったことから、2人のことを覚えていた。
由紀さんの母にこの写真を見せると、「ちゃんと祐樹くんは前におるね」とつぶやいた。由紀さんは「危ない場所は祐樹くんが先導してくれる」と話していたのだという。
さらに、8合目付近であいさつを交わしたという島根県の男性(58)が、「しんどそうにしている彼女を、祐樹さんが支えながら登っていた」と、噴火前の2人の様子を連絡してくれた。2人が見ただろう山上の景色の写真を届けてくれた人も。「涙が出た。人の真心、優しさを知った」。清和さんは声を詰まらせた。届いた写真は額に入れられている。
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