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海日記

 

「あなたは私の肉体を通り過ぎただけ」

2006-02-10 07:17:50 | Weblog
①女のみずうみ

②樹氷のよろめき



1)吉田喜重監督…ふっるーい日本映画なのにかっこよい。
ちょうど吉田喜重監督と岡田茉莉子さんが舞台挨拶にきていてこれまたびっくり。いやーあのじいさんすげえや。


・ココが面白かった→主役の岡田茉莉子さんだけ「表情がない」「服装がやたらモダンできれい」なところ。対比として、不倫相手の恋人役は「表情が豊か(笑ったり、新婚さんいちゃいちゃという感じ)」「かわいいらしい格好」だった。女の人の体の線を非常に大事にしている映画だなと思った。

「男性からみる女性」としてしか当時は女性が描かれていないことに喜重監督は憤りを覚えていたそうだが

この映画は非常に「女性映画」なようで、男から見れば突っ込みどころがいろいろあったりする。えっなんでそっちの男に行くんだよ!みたいな。
しかし、「療養所での不倫」「ストーカー」という題材を採用しているのに「陳腐」という言葉がまったく当てはまらない2時間ドラマと似たような題材だが、秀逸。

*見どころ
・岡田茉莉子さんの体の線
・黒い服を来た岡田さの表情のなさと金持ちの奥さんという立場の台詞回し
・いろんな登場人物と岡田さんが会話するシーン→「奥さん…」など
・モダンな白い服と白い靴を着た岡田さん、汚いのに砂丘に平気で座る。
・砂丘のシーン→急な斜度の丘になっているのが距離感が面白い。


2)吉田じいさんシリーズ第二弾。個人的にはこっちの方がすき。
題材は「性機能不全」と「想像妊娠」。おじさんすげーよ。

この映画について「なにか」を言うとその「なにか」はの言葉の意図するものは、映画を捉えることができないような気がする。
吉田監督の作品は作品の先をおいかけるのではなく個人的に作品の行き先を消えるまで見据えていたほうが楽しめるような気がします。


でっかい建物を写すシーンがかっこよかった。画面下は3分の2が白い地面で、
上3分の1が建物。

真っ白な雪山で死体を運んだり、おっかけるシーン。
これも斜度はあるんだけれど、それが2次元に切り取られていて
距離感が面白かった。

「ニセコホテル」での岡田さんの部屋で結局は両方の男と絡んでいる点が
面白かった。


挿入歌がいままで見た吉田監督の映画では一番木琴鉄琴をたくさん使っていて

チャララ ラン、ラン、ラン、ラン、ラーラララ、ラララララ~~ン♪

これが何回も繰り返される。

音楽と登場人物の敬語と「昔気質(いろんな意味で。)の男性」と
「お金持ちの奥さん」のやりとりがこういうのは見たことがないので
目新しかった。(服装も、昔の上野駅も。)

いや正確にはテレビのドラマなどで見ているはずなのだけれども
なにか夢みたいな、写っている(というか撮っている)ものは
違うものに見えた。

この後、ものすごい疲労感と睡眠に襲われ、ベッドで一瞬で
眠った。けれど2時間で目が覚めてしまった。

いやー長い夢を見せてもらった。