いろいろなトラブルがあったが、やはり行って良かったと思っている。釣りそのものの楽しさもまた、格別であったが、バハマという国を知るという意味でもフロリダのキーズではなく、バハマを選んでよかった。面白かったこと、まじめに考えたことを最後に記載したい。
まず、エルーセラ島ではラジオが一つしか入らない(たまにノイズ交じりで別のチャンネルが入るときもあったが)。当然国営だと思うが、これが面白い。何せ、かなりの番組に大臣が登場する。それでもって、いくつか肩書きを兼任したりしていて、大丈夫かと思う。さらに、大臣がかなりフランクな語り口調。私が聞いた審議会かなにかの委員長との口論だとオフィスの公開の問題で「いや、それは小さな島の政治方法だ。バハマ全土ではそうはいかない(参考:バハマ全体の人口は5万人くらいのはずです)」と議論していたり、あるいは「昨日までニュージーランドにいたけど、いい国だった。あれこそ島国の理想の行政だ」とか何故か視察旅行の感想を述べていらっしゃったりする。
さらに政府関係と並んで多いのが、キリスト教のお教え。聖書から牧師さんの相談コーナーまで。牧師さんの相談コーナーは必聴です。牧師さんノリノリ。声もちょっとハスキーボイスだがテンポが絶妙。老人から子供まで、「お名前は」「○○」「あら、いい名前だねー、で、どうしたの?」「ちょっと隣の人が」「Uh, Ha?」「病気なので祈ってください」「Woooooow、皆さん、聞きましたか?隣人のために祈る、奇特な人ですねー。そんじゃあ、祈っちゃいましょう。」って絶妙な、日本で言えば、みのもんたのようなノリで悩みを聞いて祈っていく。ラテンの牧師はすごいと思った一瞬。
さて、面白かった話はこれくらいにして、まじめに考えたことも書きます。
まず、この小さな島国は、産業も特になく、観光収入に頼っている。国土を考えれば日本だって歴史如何によってはこうなったのかもしれない。何が違ったのか、その結果、何が今違っているのか、そして、どちらが幸せだったか、ということを考えさせられた。
国をあげての観光者に対する親切な対応(役所の対応からその辺の人まで)、そして、細かいことは気にしないのんびりとしたバハミアンの気質、いろいろ学ぶところがあったと思う。
ゴミについてもビーチにはゴミ一つ見当たらない。捨てる人がいないのだ、落ちた木等もビーチ傍の住民達が掃除をしていたりして、浜を大事にしているようだった。ただし、たまに道端や未舗装道路奥に不法投棄があったのが残念だったが。陸地も大事にしてくれれば、もっといい国になると思う。
ここにいると何が文明で、何が幸せなんだろうかということを考えさせられもした。ちっぽけなことはどうでも良く思えてくるのが、国立公園の訪問時とよく似ている。
ボーンフィッシュの管理も徹底しており、フックはバーブレス、釣ったら弱らないよう水にあげる前にもリリースといったこの魚を大事にしていることも感心した点である。このWebを読んだ方にも即リリースはお願いしたいと思っている。
このような国・景色を守って行きたいと思う。そんな国であったし、訪れた方にもそう感じていただければ幸いである。