話は脱線するが,そもそも自宅で孤独死していたとしても,わからない。
発覚に至る経緯はどうなるだろうか。
まず,近所の人が不審に思う。
しかし,近所の人は勝手に中には入れない。住居侵入になるおそれがある。正当な理由があると認められる可能性がなくもないが,リスクは高い。
親族でも勝手には入れない。親族が合鍵などを預かっていれば別だが。
警察に通報するのが普通だろう。
では,警察なら勝手に入れるか。
法律がある。
警察官職執行法では以下のように規定している。
「第四条 警察官は、人の生命若しくは身体に危険を及ぼし、又は財産に重大な損害を及ぼす虞のある天災、事変、工作物の損壊、交通事故、危険物の爆発、狂犬、奔馬の類等の出現、極端な雑踏等危険な事態がある場合においては、その場に居合わせた者、その事物の管理者その他関係者に必要な警告を発し、及び特に急を要する場合においては、危害を受ける虞のある者に対し、その場の危害を避けしめるために必要な限度でこれを引き留め、若しくは避難させ、又はその場に居合わせた者、その事物の管理者その他関係者に対し、危害防止のため通常必要と認められる措置をとることを命じ、又は自らその措置をとることができる。
・・・
第六条 警察官は、前二条に規定する危険な事態が発生し、人の生命、身体又は財産に対し危害が切迫した場合において、その危害を予防し、損害の拡大を防ぎ、又は被害者を救助するため、已むを得ないと認めるときは、合理的に必要と判断される限度において他人の土地、建物又は船車の中に立ち入ることができる。」
第四条にいう,危険な事態がある場合には,第六条に基づき,建物に立ち入ることができる。
しかし,病気や衰弱により孤独死した疑いが強い場合には,「天変,事変,交通事故」などと列挙されたものとは性質が異なり,「危険な事態」には当たらないと読むのが自然である。
また,住居侵入の例外と思われ,個人の権利を制約する規定だから,なるべく制限的に解釈されるのが原則と思われる。
したがって,この規定により立ち入るというのは困難と思われる。
とはいえ,人命優先だろうし,他に根拠規定がなければ,これに当たるんだということで,立ち入るしかないのだろうか。
そういうわけにもいかないだろう。
結局は,具体的な事案における,住居侵入罪の「正当な理由」の解釈次第と思われる。
そうすると,できる限り,慎重に立ち入りを行う必要がある。大声で呼びかける,本人への連絡を試みる,警察や第三者の立ち会いを求める。老人であれば緊急を要すると思われるが,最低限これくらいはやっておく必要があると思う。
予め親族に合鍵を預けて置くという対応が考えられるが,孤独な人にはそれもできない。
法改正が必要と思われる。
発覚に至る経緯はどうなるだろうか。
まず,近所の人が不審に思う。
しかし,近所の人は勝手に中には入れない。住居侵入になるおそれがある。正当な理由があると認められる可能性がなくもないが,リスクは高い。
親族でも勝手には入れない。親族が合鍵などを預かっていれば別だが。
警察に通報するのが普通だろう。
では,警察なら勝手に入れるか。
法律がある。
警察官職執行法では以下のように規定している。
「第四条 警察官は、人の生命若しくは身体に危険を及ぼし、又は財産に重大な損害を及ぼす虞のある天災、事変、工作物の損壊、交通事故、危険物の爆発、狂犬、奔馬の類等の出現、極端な雑踏等危険な事態がある場合においては、その場に居合わせた者、その事物の管理者その他関係者に必要な警告を発し、及び特に急を要する場合においては、危害を受ける虞のある者に対し、その場の危害を避けしめるために必要な限度でこれを引き留め、若しくは避難させ、又はその場に居合わせた者、その事物の管理者その他関係者に対し、危害防止のため通常必要と認められる措置をとることを命じ、又は自らその措置をとることができる。
・・・
第六条 警察官は、前二条に規定する危険な事態が発生し、人の生命、身体又は財産に対し危害が切迫した場合において、その危害を予防し、損害の拡大を防ぎ、又は被害者を救助するため、已むを得ないと認めるときは、合理的に必要と判断される限度において他人の土地、建物又は船車の中に立ち入ることができる。」
第四条にいう,危険な事態がある場合には,第六条に基づき,建物に立ち入ることができる。
しかし,病気や衰弱により孤独死した疑いが強い場合には,「天変,事変,交通事故」などと列挙されたものとは性質が異なり,「危険な事態」には当たらないと読むのが自然である。
また,住居侵入の例外と思われ,個人の権利を制約する規定だから,なるべく制限的に解釈されるのが原則と思われる。
したがって,この規定により立ち入るというのは困難と思われる。
とはいえ,人命優先だろうし,他に根拠規定がなければ,これに当たるんだということで,立ち入るしかないのだろうか。
そういうわけにもいかないだろう。
結局は,具体的な事案における,住居侵入罪の「正当な理由」の解釈次第と思われる。
そうすると,できる限り,慎重に立ち入りを行う必要がある。大声で呼びかける,本人への連絡を試みる,警察や第三者の立ち会いを求める。老人であれば緊急を要すると思われるが,最低限これくらいはやっておく必要があると思う。
予め親族に合鍵を預けて置くという対応が考えられるが,孤独な人にはそれもできない。
法改正が必要と思われる。