小野純子 ♪ 山の音楽室より


大津市比叡平の小さな音楽の部屋は
音たちが集まる不思議な部屋です。
音楽室の様子をお知らせします。

「美」

2011-05-19 22:44:18 | 日記
「美」という詩を書きました。

太古の昔から、音、響きはとても大きな役割を果たしてきたと思います。
音、響きはとても不思議です。
気体でもなく、もちろん液体でもなく、原子や分子の構造も持たない。
波長というものなのですね。
音は、目に見えないけれども耳に聞こえる波。
光は、耳には聞こえないけれど、目に見える波。

音の波はどこで発生するのでしょう?
音を出すエネルギーはどこから来るのでしょう?

音や響きには不思議な力があります。
ことばでは説明しがたい、大きな力があります。

ほんとうに音を大切に、響きを大切に、
身も心も整えて
真摯に音のために働きたい、働かなければならないと思うのです。





宇宙の力がわたしに届き
わたしのなかのコードを伝って
電気のように
わたしの中心の薔薇の奥に届き
全身に行き渡り
また薔薇に集まり
噴水のように両手に流れ
指先の一点から
歴史の中で生まれた楽器の中に
おごそかに、しかし勢いをもって浸透し
入念に手入れされ整えられた機構をとおり
宇宙の法則にしたがってそれぞれの割合で緊張を加えられ
竪琴のように並んだ弦たちを
ハンマーが打つ

振動の喜びに弦は全身全霊で震え
小さな魚にしか感じることのできないほんの小さな波や
大きな魚を乗せて大陸の間をうねり移動する波を受けて
響板は深い神秘をたたえた大海原のようにうねり始め
そのようにして
宇宙の力が響きとなって空間に現れる。

響きとは何だろうか?

この美に身をあずけてくれる者を
宇宙は待っている。
 
 
 
 


        2011/05/14、2011/05/16改訂
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

響き合うとき - 音たちの旅 -

2011-05-03 21:47:45 | 日記
音たちが旅をしました。

東京、銀座煉瓦画廊というところで開かれた展覧会
『中川貴文 -Dear World-』に飾られた絵たちとお友だちになれて、
音たちはうれしそう、しあわせそうでした。

神さまはどういうときに、光を添えてくださるのでしょう?
光が降りてきて、
音が生まれ、響きが広がり、
絵と響き合い、
聴いてくださる方と響き合い、
みんながしあわせを感じたひとときだったと
そう思えるひとときでした。

プログラムは

  星の呼び声
  土のうた - 春 -
  五月の光が心を照らし(T.モーリー)
  プレリュード (J.S.バッハ)
  サラバンド (〃)
  萌芽
  梢のまわりをたわむれる風

貴文くんと、彼の作品のあたたかさ、すばらしさに浸り、
音たちはとても大切な体験をしました。

そして次の日、最終日も、
音たちはあらたな光に満たされて
特別の時間を過ごしました。
美しいひとときでした。

音たちは
ああ、よかった…としみじみ、しあわせのなか、
山の音楽室に戻りました。

次はどんなところで交わり合えるかなあ、響き合えるかなあ。
そして作品たちは、次はどんな顔を見せてくれるかなあ…、
とても楽しみです!










コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする