今年の東京の桜は異常に早く咲き、そして散りました。
休日には雨が降り、強風が吹き荒れ、スギ花粉が舞い、そして寒い日々。
うららかな日差しの中で満開の桜を楽しむなどという小さな幸せさえも奪われた春でした。
しかたねぇ、こうなりゃ2回目の春を奈良で満喫してやろうじゃあねえか。
と、大きな期待を抱いて遠路はるばる奈良まで足を延ばした次第でございます。
そんな訳で4月5日の朝、近鉄大阪線の室生口大野駅に着きました。
まあ、ずいぶんと山奥まで来てしまいました。
駅を出てスロープを下りるとレトロな駐在所がありました。
この駐在所から左手にやや狭い道が延びています。
しかしなんとまあ今日はいい天気に恵まれたことか。
空は抜けるように青く、風はいい具合に冷たく、今年初めての爽やかなお日和です。
のどかな田舎道を歩くこと数分、いきなり前方が賑やかになってきました。
おじさんが1人交通整理をやっています。
右手を見ると華やかな桜に囲まれたお寺が見えてきました。
入り口の前にやってきたとき、塀の向こうに見事なまでに花を膨らませた枝垂れ桜が見えました。
「何これ!?」珍100景ではありませんが、あまりの見事さに度肝を抜かれました。
慌てて階段を上がり、入り口で400円を支払い、境内に入りました。
境内には小糸枝垂桜と云うのでしょうか、割と大きな桜の木が3本ありました。
どの木も満開の桜の花を大きく膨らませています。
先ほど通ってきた道は、このお寺の横を通って室生寺のほうに延びていますが、
この道の向こう側は渓谷になっており、その先の山肌には有名な磨崖仏があります。
まさにこの境内の塀の向こう側に磨崖仏の姿を拝むことができるのです。
日本はなんと素晴らしいのでしょう。日本人でよかった。と心から思うのであります。
この素晴らしい景色を惜しみながら別れを告げ、もう一か所の目的地明日香村に向かいます。
橿原神宮の駅前からタクシーに乗り、石舞台古墳に着きました。
入り口で250円を支払い中に入るとここも桜の園でした。
桜に囲まれた土俵のお化けのような古墳の中央に、ドでかい石造物がまるで異次元から突然現れたようにそこにいます。
架け橋のような階段を歩いて古墳に入り、石舞台を中心に一周歩いて見ました。
少し強くなってきた風に吹かれて時折桜の花びらが舞ってきます。
明日はあまり天気がよくないようなので早めに宿に向かうことにしました。
帰りに菜の花畑からもう一度石舞台を眺めました。
おわり
ちなみに翌日は関西地方に爆弾低気圧が襲来し、大荒れの天気でした。とほほ・・・。