平成24年5月23日に大阪市中央区内で、第6回研究会を行いました。
以下は、その研究会で報告された内容です。
Ⅰ 事例について
【事例 1】
甲より、甲と乙の二人で100万円ずつ出資して株式会社を設立したいとの相談を受ける。
問題点 株主総会で何も決められない。
【事例 2】
香港にある〇〇有限公司の代表者Xより、100%子会社を設立したいとの相談を受ける。
問題点 発起人は発起人の口座に出資金を振り込まなければならないのに、法人格のない海外法人は銀行口座を開設できるのか。
【事例 3】
発起人のうちの一人が、公証人による定款認証後出資金を振り込まない
問題点 認証済みの原始定款は無効となり、再度定款認証を要するのか
【事例 4】
株式会社設立後すぐに支店を設置予定
問題点 本店と同一管轄でない登記所の管轄内に支店を設置すると登録免許税が
69,000円も余計にかかる。
Ⅱ 上記の事例に対する対処方法について
【事例 1】
1. 出資比率を2:1にする。(株主総会特別決議が可能)
2. 株主総会における議決権を甲は有り、乙は無い等の旨を定款で定める。(§109-II)
3. 議決権制限種類株式を発行する旨を定款で定める。(§108-I-3)合わせて会社法第322条第2項の定めを定款で定める。
発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容
A種類株式 100株
B種類株式 100株
B種類株式を有する株主は、株主総会において議決権を有しない。
会社法第322条第1項各号の行為をする場合において、B種類株式の株主に損害を及ぼすおそれがあるときであっても、法令に別段の定めがあるときを除き、B種類株式の株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない。
上記は登記事項である。(§911-III-7)
たとえ会社法§108- I-3により、ある種類株主の株主総会での議決権を制限したとしても§322-IIの定款の定めがなければ種類株主総会での議決権を制限できない。
§322-IIの定款の定めがあっても。
§322-I-1
イ 株式の種類の追加
ロ 株式の内容の変更(単元株式数を除く)
ハ 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加
§111-I
取得条項付種類株式の設定 当該種類株主全員の同意
§111-II
譲渡制限株式の設定 当該種類株主総会(特殊決議)
全部取得条項付種類株式の設定 当該種類株主総会(特別決議)
排除できない
【事例 2】
1. 日本在住の1人(日本人に限らない)を発起人として1株を引き受けてもらい、その発起人の口座に出資金を振り込む。会社の成立後その1株を買取り100%子会社とする。
2. 発起人が設立時代表取締役の口座に振り込む旨を設立時表取締役に委任し、設立時代表取締役の口座に出資金を振り込む。この委任状は設立登記の添付書面となる。
【事例 3】
再度定款認証を要する。(別紙 日本公証人連合会のホームページより抜粋を参照)
【事例 4】
会社設立と同時に支店を設置すれば、他管轄の場合登録免許税が69,000円も安くなることを説明する。
以前は本店での登記完了後2週間以内に、登記事項証明書を添えて支店設置の登記を申請していたが、現在は本店設立と同時に本店を経由して、支店設置登記ができるようになった。
登記事項証明書は要らなくなったが、手数料として300円必要。
執筆:神藤 正一
以下は、その研究会で報告された内容です。
Ⅰ 事例について
【事例 1】
甲より、甲と乙の二人で100万円ずつ出資して株式会社を設立したいとの相談を受ける。
問題点 株主総会で何も決められない。
【事例 2】
香港にある〇〇有限公司の代表者Xより、100%子会社を設立したいとの相談を受ける。
問題点 発起人は発起人の口座に出資金を振り込まなければならないのに、法人格のない海外法人は銀行口座を開設できるのか。
【事例 3】
発起人のうちの一人が、公証人による定款認証後出資金を振り込まない
問題点 認証済みの原始定款は無効となり、再度定款認証を要するのか
【事例 4】
株式会社設立後すぐに支店を設置予定
問題点 本店と同一管轄でない登記所の管轄内に支店を設置すると登録免許税が
69,000円も余計にかかる。
Ⅱ 上記の事例に対する対処方法について
【事例 1】
1. 出資比率を2:1にする。(株主総会特別決議が可能)
2. 株主総会における議決権を甲は有り、乙は無い等の旨を定款で定める。(§109-II)
3. 議決権制限種類株式を発行する旨を定款で定める。(§108-I-3)合わせて会社法第322条第2項の定めを定款で定める。
発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容
A種類株式 100株
B種類株式 100株
B種類株式を有する株主は、株主総会において議決権を有しない。
会社法第322条第1項各号の行為をする場合において、B種類株式の株主に損害を及ぼすおそれがあるときであっても、法令に別段の定めがあるときを除き、B種類株式の株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない。
上記は登記事項である。(§911-III-7)
たとえ会社法§108- I-3により、ある種類株主の株主総会での議決権を制限したとしても§322-IIの定款の定めがなければ種類株主総会での議決権を制限できない。
§322-IIの定款の定めがあっても。
§322-I-1
イ 株式の種類の追加
ロ 株式の内容の変更(単元株式数を除く)
ハ 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加
§111-I
取得条項付種類株式の設定 当該種類株主全員の同意
§111-II
譲渡制限株式の設定 当該種類株主総会(特殊決議)
全部取得条項付種類株式の設定 当該種類株主総会(特別決議)
排除できない
【事例 2】
1. 日本在住の1人(日本人に限らない)を発起人として1株を引き受けてもらい、その発起人の口座に出資金を振り込む。会社の成立後その1株を買取り100%子会社とする。
2. 発起人が設立時代表取締役の口座に振り込む旨を設立時表取締役に委任し、設立時代表取締役の口座に出資金を振り込む。この委任状は設立登記の添付書面となる。
【事例 3】
再度定款認証を要する。(別紙 日本公証人連合会のホームページより抜粋を参照)
【事例 4】
会社設立と同時に支店を設置すれば、他管轄の場合登録免許税が69,000円も安くなることを説明する。
以前は本店での登記完了後2週間以内に、登記事項証明書を添えて支店設置の登記を申請していたが、現在は本店設立と同時に本店を経由して、支店設置登記ができるようになった。
登記事項証明書は要らなくなったが、手数料として300円必要。
執筆:神藤 正一