パララン山脈の向こう

思い出せないくらい昔 私はパララン山脈の向こうに生えていた草だったんだ

第四幕 3. 足ガ池の三男

2017-06-20 16:02:29 | パラ山
今の時間にすると三百年ほど三兄弟は遊び惚けた。さすがに疲れたとみえて 今度は百年眠りこける。長男は目を覚ますと同時に声をあげた。右の足が石だ。その声で次男が目を覚ます。そして声をあげる。左の足が木だ。その声で三男は目を覚ました。兄達が口を揃えて、おまえの足は⁈

えっ 俺の足がどうかしたのか兄さん達。俺の足は俺の足のままだけど。

兄達は口を揃えて それはおかしい おまえの足も何かに変わっていないとおかしい。

そう言われても困るよ兄さん達。俺はどうしたらいいの兄さん達。

簡単な話だ おまえの足を何かにかえろ。

なんでもいいのかい兄さん達。

ああ 好きな物にすればいい。

わかった 俺の足は池がいい。片足なんて言わない両足とも池だ。

池⁈ 俺達には 足が池の弟がいることになってしまうぞ

それから 三兄弟は五百年ほど 足が池について想いを馳せたという事です。