貝がらの小舟

短歌のことや日々のことなどを徒然と。

うたう☆クラブ 1月号提出歌

2013-12-21 20:28:58 | 題詠blog2012
Vieux Quebec

ボンジュールの調べはやさし 花売りの少女と朝の笑みを交わせり

生と死の話をきみとわらいつつ似顔絵描きの並ぶ煉瓦路

教会の尖塔からの風を受け旧市街地の地図をのぞきこむ

三人の天使の像に守られてキリスト像は海を臨みぬ

きみの肩に髪が触れれば(海の風)ふたり壁画の一部になりて


今年の夏、モントリオール・ケベックに旅行したときの五首です。

大人短歌計画

2013-12-18 20:32:50 | 題詠blog2012
濡れてゆく舌


くちづけに解かれる夢 体温の重なる場所から海が始まる

蜂蜜のあまさだろうか やわらかくわたしの胸へ滴る指は

星月夜 重みをひとにゆだねれば凪いだ湖へと浸りゆくよう

何度でも名前を呼んでわが内の澄んだ水へとあなたは届く

瞬間の吐息を深く閉じ込めてまぶたの裏に花火は咲けり

絡め合う聲のほとりに羽で数えられる生にもわれは近づく

白蓮の角度で撓う背の熱を記憶するほど濡れてゆく舌



ツイッターでいないずみ。さんが企画なされた大人短歌計画に参加させていただきました。