窓ガラス磨く朝に雨音は滅びのように親しく響む
歌集五冊積み上げて読む雪の日にほたりほとりと家鳴りはして
コンタクトレンズを外す白色のひかりに世界のほどけ際あり
しんしんと手のひら重ね眠る夜の世界すべてに初雪が降る
まひるまも薄闇の日は篝火に古い手紙をくべに行こうか
いくつもの星を吊るすよ雨ののち樹氷となれば黙りこむ木々
いのちから遠ざかりたい 冷たさは月光、本の扉を開き
もう春は来ない気がする水際の舟の骨格渇ききってて
みずうみの氷の下に眠る魚、その夢のこと、光源のこと
オレンジを蜂蜜で煮る夕刻よ遠い灯のような三月
11月号アンソロジーに
夏の雷ふいにはじまり真っ白な水の柱に閉ざされるよう
を引いていただきました。飯沼鮎子さん、ありがとうございました。
歌集五冊積み上げて読む雪の日にほたりほとりと家鳴りはして
コンタクトレンズを外す白色のひかりに世界のほどけ際あり
しんしんと手のひら重ね眠る夜の世界すべてに初雪が降る
まひるまも薄闇の日は篝火に古い手紙をくべに行こうか
いくつもの星を吊るすよ雨ののち樹氷となれば黙りこむ木々
いのちから遠ざかりたい 冷たさは月光、本の扉を開き
もう春は来ない気がする水際の舟の骨格渇ききってて
みずうみの氷の下に眠る魚、その夢のこと、光源のこと
オレンジを蜂蜜で煮る夕刻よ遠い灯のような三月
11月号アンソロジーに
夏の雷ふいにはじまり真っ白な水の柱に閉ざされるよう
を引いていただきました。飯沼鮎子さん、ありがとうございました。