11月18日(日) 「鉄塔家族」(佐伯一麦著)
東北のある地方都市で暮らす小説家・斎木、草木染作家・奈穂と、街のシンボル「鉄塔」の麓で暮らす人たちの平穏な日常には過去の暗い影がつきまとう。しかし、自然に抱かれた生活に見出すささやかな歓びと、お互い引かれ合う人たちが、彼らの疵を癒し、新たな家族をつくる。細密な描写で人間の勁さに迫る待望の長編小説。
11月21日(水) 「やめるときも、すこやかなるときも」(窪 美澄著)
大切な人の死を忘れられない男と、恋の仕方を知らない女。
欠けた心を抱えたふたりが出会い、お互いを知らないまま、少しずつ歩み寄っていく道のり。変化し続ける人生のなかで、他者と共に生きることの温かみに触れる長編小説。
11月25日(日) 「さよならニルヴァーナ」(窪 美澄著)
少年犯罪の加害者、被害者遺族、加害者を崇拝した少女、その運命の環の外にたつ女性作家……それぞれの人生が交錯したとき、彼らは何を思い、何を見つけるのか。著者渾身の長編小説!
12月4日(火) 「夏色白花」(須賀しのぶ著)
朝日新聞 7/28 「困難な時代高校野球は輝く」「戦後の混乱からの復活劇 原点」とあった
1945年夏、敗戦翌日。誰もが呆然とする中、朝日新聞社に乗り込んできた男がいた。全てが無くなった今こそ、未来を担う若者の心のために、戦争で失われていた「高校野球大会」を復活させなければいけない、と言う。ボールもない、球場もない。それでも、もう一度甲子園で野球がしたい。己のために、戦争で亡くなった仲間のために、これからの日本に希望を見せるために。「会社と自分の生き残りのため」という不純な動機で動いていた記者の神住は、人々の想いと祈りに触れ、全国を奔走するが、そこに立ちふさがったのは、「高校野球」に理解を示さぬGHQの強固な拒絶だった…。
12月11日(火) 「国宝」(上・下)(吉田 修一著)
朝日新聞 10/27 「道を極める女形二人 絢爛の軌跡」とあった
1964年元旦、長崎は老舗料亭「花丸」――侠客たちの怒号と悲鳴が飛び交うなかで、この国の宝となる役者は生まれた。男の名は、立花喜久雄。任侠の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌は人々を巻き込み、喜久雄の人生を思わぬ域にまで連れ出していく。舞台は長崎から大阪、そしてオリンピック後の東京へ。日本の成長と歩を合わせるように、技をみがき、道を究めようともがく男たち。血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。舞台、映画、テレビと芸能界の転換期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながら、その頂点に登りつめた先に、何が見えるのか? 朝日新聞連載時から大きな反響を呼んだ、著者渾身の大作。
12月13日(木) 「じっと手を見る」(窪 美澄著)
朝日新聞 10/6 「人生のあらゆる時間が凝縮」とあった
大切な人を、帰るべき場所を、私たちはいつも見失う――。読むほどに打ちのめされる! 忘れられない恋愛小説
富士山を望む町で介護士として働く日奈と海斗。老人の世話をし、ショッピングモールだけが息抜きの日奈の生活に、ある時、東京に住む宮澤が庭の草を刈りに、通ってくるようになる。生まれ育った町以外に思いを馳せるようになる日奈。一方、海斗は、日奈への思いを断ち切れぬまま、同僚と関係を深め、家族を支えるためにこの町に縛りつけられるが……。
12月20日(木) 「地蔵千年、花百年」(柴田 翔著)
約30年ぶりの新作長編小説。国内外を舞台に一人の男の数奇な運命、激動の人生を描く渾身の570枚。
どんな人生であれ、生きていれば、いつか折り合える−。大学紛争、大阪万博。数年の異国暮らしから不本意に帰ってきた直行は、日々変転する世の姿を漠然と眺め、時々の成り行きに任せて生きていたが…。半世紀の時空を描く。
12月23日(木) 「永遠を旅する者 ロストオデッセイ 千年の夢」(重松 清著)
『ファイナルファンタジー』坂口博信 『バガボンド』井上雄彦 との絆から生まれた壮大なる命の賛歌
カイム。永遠の生を生きる男――すなわち、死ねない男。数えきれないほどのひとの誕生と死を見つめながら一千年の旅をしてきたカイムがかつて訪れた町、出会った人々。あまりにも短くはかない、だからこそまばゆい、人間の命の輝きがそこにある。ゲームとのコラボレーションから生まれた一期一会の奇跡の物語。
12月28日(金) 「神に守られた島」(中脇 初枝著)
朝日新聞 9/8 「特攻隊・空襲+砂糖炊きの日常」とあった
沖永良部島―沖縄のすぐそばにある小さな島は、大戦末期、米軍機による激しい攻撃を受けた。戦況が厳しくなっていくなか、島のこどもたちは戦争を肌で感じつつも、いきいきと過ごしていた。そんなある日、島に特攻機が不時着するという事件が起きる。
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