この作家に興味を持ったのが、朝日新聞(3/24)の書評でした。「小説なんて所詮作り話の他人事(ひとごと)である。なのにそれが、漠然と誰もが感じている時代の空気を、どんな言葉よりリアルに感じさせる。だからいま我々は『冬の旅』を読まなければならない。ページから目が離せないのは、物語がめちゃくちゃ面白いからなのか、それともそこに我々の<いま>に滲む漠たる不安や恐れが読めるからなのか。」 「奔放な想像力は厳密で批評的な観察力に支えられている。『冬の旅』は単なる小説ではない。あらゆる小説がそうであるように、我々の<現実>に対する真摯な問いかけの書でもあるのだ。」(最初と最後を紹介しました)
5月29日(水) 「冬の旅」 (集英社)
妻の失踪を皮切りに、緒方隆雄の人生は悪いほうへ悪いほうへと雪崩れる。失職、病、路上生活、強盗致死…。二〇〇八年六月八日午前九時。五年の刑期を終えて、緒方は滋賀刑務所を出所する。愛も希望も潰えた。残されたのは、凡てからの自由。たった一人、この世の果てへと歩き出す。衝撃のラストが待ち受ける―。魂を震わす、慟哭の物語。
近年にない傑作を読んだ喜びとともに、その虚無の暗さに、身を震わせた(桐野夏生)
衝撃のラストは理解ができません! あまりにも多くのことを短期間に経験する人生と人の結びつきに驚くばかりでした。
6月2日(日) 「闇の奥」 (文藝春秋)
太平洋戦争末期、北ボルネオで気鋭の民族学者・三上隆が忽然と姿を消した。彼はジャングルの奥地に隠れ住む矮人族(ネグリト)を追っていたという。三上の生存を信じる捜索隊は、彼の足跡を辿るうち、ジャングルの奥地で妖しい世界に迷い込む──。ジョセフ・コンラッド『闇の奥』に着想を得、その思想を更に発展させた意欲的な一大冒険ロマン。2011年、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
中々面白い設定です。「地獄の黙示録」などを連想されます。結構、興味深く読むことができました。
6月10日(月) 「韃靼の馬」 (日本経済新聞 出版社)
対朝鮮貿易を取りしきる対馬藩危機存亡の時、窮余の一策が幻の汗血馬の馬将軍吉宗への献上。その使命を帯びたのは......かつて朝鮮通信使警固を務め、藩と幕府を救った藩士がいた。文武に秀で、消えゆく神代文字が読める若者がいた――。壮大なスケールで贈る一大冒険ロマン!
やっと読み終えようとしてます。第二部が更に面白く読み進みました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます