おじさんの恋

アラフォー独身女性との恋に落ちたおじさんの独り言

それから・・

2020-04-06 23:10:26 | Weblog
引っ越し荷物を搬出した後のがらんとした部屋で、その当時、まだまだ若い独身女性と、40代のおじさんが、缶コーヒーを飲みながら、ぽつぽつと他愛のないことを話し始めた。生い立ちについての差し障りがない程度の紹介、日常の事、何が楽しくて何がつまらない、何に腹を立てて、何に共感できるとか・・それが、年齢は15も離れているのに、価値観に共通部分が実に多かった。

私が会社でそれなりの立場にあったという事もあり、いわゆる有名大学の出身であったという事もあったかもしれないが、共通性が多い年上のオジサンである私に、彼女は興味を抱いたようであった。私は私で、話が合う若い女性という事で、物珍しさもあって好意を抱いた。彼女の真摯な仕事ぶりに感激したという事も重要な伏線ではあった。

お互いに、好意のようなものを感じあったところで、彼女は「仕事を離れてメール差し上げてもいいですか?」と聞いてきた、「いいよ。もちろん喜んで。」という私の返事に、彼女は自分の携帯電話番号も伝えてきた。たぶん、その時の二人の感情は好意以上のものではなく、彼女としても、すぐに自分の住む街からいなくなる「安全なオジサン」と私を見ながらも、ちょっと興味を持ったというところではなかったかと思う。

私は、ほどなくして家に帰り、彼女は日常に戻った。送った引っ越し荷物が届いて、彼女のところにも顧客への搬送完了情報が入ったのであろう、早速メールが届いた、そのメールは彼女のプライベートアドレスからではあったが、内容は、引っ越し荷物が破損なく無事に届いたかという問いかけと、私が置いて行った不用品のほとんどを彼女が受け継いだという知らせだった。沢山いい物を頂いたので、残りの分の処理費用はサービスしておきますと添えてあった。サービスと言っても、バイトの裁量でそんなことができるはずはないと思った私は、どうせ会社への引っ越し代請求に含めるので、しっかり請求してくれと返しながら、彼女の仕事ぶりへの感謝、荷物がすべて無事に届いたことももちろん伝えた。後日、業者から届いた請求書には、処分費用は含まれず、引っ越し代のみ・・これも聞きただしてはいないが、彼女が自腹を切ったに違いないと私は確信していた。

そんなことからメールのやり取りが始まり、何日かおきに、様々なことに関してのメールという道具を使った会話が彼女との間で繰り返され、気が付いてみれば10年以上も経過していた。彼女の愚痴の吐け口になっていたような気もするが、メールの中では彼氏とのもめごとの話とか、痴漢に遭遇した時の話とか、実に私的な事項にも触れており、妙に信頼されている感を持った私は、やや面映ゆいような気持ちを持つこともあった。そんなやり取りを繰り返し、年齢の離れたメル友であったわけだけど、ある日、彼女から、「そちらの方に友人がいて、その人を訪ねることになったので、空いた時間があったら会えませんか?」とのメールが来た。出会ってから10年ほども経過した時である。その時すでに彼女は30も後半でまだ独身、私は50代。彼女の途の時間調整で見つけた時間は平日ではあったが、私は、会社を抜け出して、近所の喫茶店で会うことにした。その時も、メールの延長のような他愛のない話、彼女の愚痴とか悩みなど・・小一時間も話して、そのまま分かれたという、とりたててなにも盛り上がりのない時間。

さてと、今日はこんなところで‥続きはまた・・


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