Dr.Oini3、4の発信所

趣味や健康法などについて世間様に発信する場をひとつ持ちたいと思い始めました。

キラー・ストレスについて

2017年12月08日 | 寄稿文集
キラー・ストレスについて
表題についてのNHKスペシャルに、若干の感想などを加えて述べたいと思います。
人類は狩猟で食べてた時代が長く、猛獣との闘いに血圧を上げ、血を固まりやすくするストレスホルモンが必要でした。
文明社会人にはさほど必要はなくなったものの、ストレスが解消される前に次のストレスが漫然と続いて、一定レベルを越えると生命を脅かすようになります=キラー・ストレス。
無害な細菌が血管内皮で繁殖し、脳血管障害や心筋梗塞を起こし、悪性腫瘍をやっつけてくれていた免疫にオフのスイッチを入れて、発癌する、などです。
死には至らなくてもなくても、ストレスによる病気は枚挙に暇がなく、タバコや酒も増えたり、家庭や職場の人間関係に悪影響を及ぼしたり、精神に変調を来し仕事ができなくなったりもします。
ストレスは数字にも絵にもならないので人間ドックでもわかりにくく、おそらく脳ドックでもわからないでしょう。本人ですら、「好きなストレス」や「ストレスに対する弱さを認めたくない」ために見逃されがちです。
世間や社会の偏見も根強く、世間体や会社での評価を気にしてがまんしたり、そもそもストレス対策などする余裕がないこともあるかもしれません。
我々も血圧や血糖やコレステロールで動脈硬化の予防や癌の早期発展にはあたりますが、ストレス対策が無いと片手落ちかもしれません。
検診で異常なく、健康そうで、元気に働いていた方が、(むしろ、ストレスなどものともしないように働きすぎる方が、)なんでこんなに早逝なのだろうと考える事があります。
対策として、番組では、運動や、「マインド・フルネス」という、新・冥想法が紹介されました。
言うまでもなく、ストレスは万病の元ですが、一方、ストレスが無さ過ぎると認知症になりやすく、一定以上の対人ストレスは必要だと言われます。
検査でも、本人もわかりにくいストレス。周りでお互いに見守ってあげたいものです。

(2016年10月市報 一口健康講座 ロングバージョン)


最新の画像もっと見る