治らないうつ病には、小さい時にいじめられたとか根の深い問題がある、と。
そう思えば、思い当たる。
私はずっと立場の弱い人間だった。
小学校の頃、登下校中に上級生から背中を蹴られたり、足払いをかけられたりした。理由は分からない。スポーツが苦手だったから仲間にも入れてもらえなかった。
中学校に入っても、泣き虫だった私は厄介者扱いされ、担任の先生も友達がいないのではないかと心配した位だった。
高校生活は２つの部活を掛け持ちして忙しかったが、文化祭の時、部活のパンフレットを一人で無計画に原稿を作成したため、容量オーバーでホチキスどめが出来なくなった。何とか大型ホチキスで作成したが不格好になった。思い立ったら独断専行という性格、協調性の無さがなせる技である。
一浪して大学に入ったが、昼はバイト、たまに授業。サークルやゼミ活動もしていて忙しかったが、各所に首を突っ込むだけなので、友達はできなかった。
就職して営業職についたが、何もわからず、新規開拓をさせられ、朝礼で毎日怒られた。ちなみに先輩達は、顧客のあるルーチン営業である。やがてルーチン営業はできる様になったが、成績は振るわず、会社のお荷物呼ばわりされた。
５年程して、ある朝から突然体が動けなくなった。何とか出勤はするが、取引先へ行くのが辛く、仕事をすっぽかす様になった。何故か夕方からは正常になっている。
遅れを取り戻したくても、どうしても足が向かない状態が続き、そのうち営業店に苦情が殺到。私の知らないところで、当時の上席は私を本部の閑職へ移動させようと考え、人事部へ打診する。
人事部はやる気のない奴は辞めてもらって構わないとの回答。慌てた上席陣は早急に苦情を解消させるとの返事をしたらしい。
そこで私は直属の上司と同行。謝罪行脚をすることになる。
直属の上司は温厚な人で私をいつもかばってくれた。自分の息子のようだと言ってくれてもいた。残念ながら数年前に心臓の病気で突然死した。68歳だった。
しかしそれでも私の体調は治らない。医者からは異常はないと言われる。
上席が数年ごしで掛け合ったのか、発症から2年程が過ぎた頃、内勤として他の営業店に転勤となった。転勤した途端、症状は嘘の様に消えていた。今思えばうつ病だったのかも知れない。
内勤になって仕事を一から覚えた私は、直属の上司からも重宝され私への評価は180度変わった。私は何も変わっていない。会社を信用出来なくなった。それでも休日出勤もいとわず仕事に没頭した。
数年後課長に昇進する。田舎の小さい営業店だ。上司は気分屋で対応に苦労した。部下同士の軋轢で退職者も毎年出た。
その上今度は営業課長を命じられる。
営業で病気になったのに、また営業である。上席はやる気のない人だったので、私一人が本部から毎日怒られた。当然業績は上がらず、半年で営業課長をクビになった。
そして次長に昇進、都市部の営業店に転勤した。次長なので上司は一人になったが、とんでもないパワハラ上司で業績がいかないと周りに当たり散らした上、机を蹴っとばす人である。おまけに気分屋で朝令暮改は日常茶飯事である。私が指示したことを取り消される事は当たり前で、仕方なく黙っていると、お前は何もしないと言ってきた。
半年ほどして上司は転勤したが、前の様に体が動かなくなってきた。今度は苦情を出すわけにはいかない。体に異常はないため、メンタルヘルスの専門相談窓口へ出向き、臨床心理士に相談した。心身症かノイローゼか何かだろうと思ったからである。
臨床心理士から、それはうつ病です。すぐ医者へ行ってください、と言われ精神科を受診した。
半年程休職して復職後、出張所勤務になる。定時退社が可能で、仕事は忙しくなかったので体調は回復した。
しかし10ヵ月後、次長兼課長として別の営業店へ転勤した。
兼務職なので忙しくなり、朝一番で出社、一人で残業して最後退社する日々が続いた。1年を過ぎたあたりから具合が悪くなり、会社を休みがちになる。
転勤から２年、営業本部へスタッフとして配属される。ここでは今までの経験はいきない。周りは役員部長クラスばかりである。毎日が分からない事だらけの上、そうそう教えて貰える時間は少ない。即戦力で動かねばならない。
体調は悪化し、２ヵ月後には出社出来なくなっていた。上司と人事部から休職を促され今に至っている。
昨日も午前中動けず、昼から動き出す。そしてまた眠れず、こうしてブログを書いている。今日はこんな事を思い出したから余計眠れない。
また明日（もう今日か）、寝てしまうのだろう。でも書き出した事で気持ちの整理がついてきた。ブログを始めた良かったかな。
