かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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税務署の売掛金差押

2009-08-04 | 事例
売掛金。
何が怖いと云ったって、売掛金の差押ほど怖いものは有りません。
自宅や会社の不動産の差押より嫌です。一旦差押えられると事業は、
中止せざるを得なくなります。

しかし、銀行が売掛金を差押える事は殆ど有りません。
100件中1軒の比率以下と思います。ところが、税務署となると違います。
倒産するかしないうちに、直ちに売掛金は狙われます。

「何、倒産もして居ないのに税務署から売掛金を差押えられた。」
相手は自分の云っている事すら解から無いくらいに頭の中が、
白くなって居ります。差押をされた得意先から電話があったと云うのです。
慌てて大手2-3軒電話をすると何処も同じで、どうしてよいか解からないと
云う電話です。

3年くらい前から滞納が始まり、そろそろ国税に回される頃になって居ります。 
先付け小切手を払っては居ますが、落とせず、最近は3回くらい切り直して
居ります。最初は、几帳面に必ず出かけお願いもしましたが、最近は
慣れっこになって電話で済ませることが多くなって居ました。

舐めた態度と見られてか、つい4日ほど前にも、調査が入りました。
しかし、収穫はなく帰署したのです。

「直ちに税務署に行って取下げをお願いしよう。駄目と言っても、
 せめて従業員の給料と機械のリース代だけはお願いしよう。
 潰す積りが、なければ聞いてくれるだろう。」
しかし、結果はどうお願いしてもNOです。
「倒産もして居ない会社を何で差押えたのか、理由を聞いてください。」

「調査に来た時に社長の私と話しました。
 その時に私は「この会社も売上が激減して、もう破綻も同然です。
 長い事は無いでしょう。」と口実に、こう答えたと云われました。
 私にも覚えがあります。経営者が倒産すると云った会社だ。
 残った資産が他の債権者に回らない内に、優先順位1位の税務署が
 頂くのは当然の話ではないでしょうか。と云われてどんなに頼んでも
 云うことを聞いてくれません。」

第三債務者の得意先にも、税務署に払わないで此方に払ってくれと
依頼しましたが何処にも体裁よく断わられました。
「そんなことして、税務署相手に。
 ばれれば怖いことは出来ません。」
社長のさりげない一言が会社を潰しました。

税務署の売掛金差押は良く経験します。
素早いです。
手形1回不渡りを出せば、税務署はもう行動に走っているみたいです。

詰り、売掛金の差押は、銀行は先ずやりませんが、
税務署はおかしくなると、有れば直ぐにやります。
この件については税務署は全く悪者呼ばりをされて居ます。

良く考えると此れは当たり前の事です。
売掛金は比較的誰にでも自由になる破綻者の資産です。
ですから殆ど倒産と同時に処分が決まってしまいます。
此れを狙う時は其の処分が決定する前に差押えないと
無意味な差押になります。詰り倒産前に仮差をするか、
倒産して誰も処分を決めないうちに直ちに差押え無いと
効果は有りません。

一方差押える方は、倒産前の仮差は道義上出来るものでは有りません。
誰が差押えるにも、破綻前後の極短時間しか差押が出来ません。
その時の機動力は銀行は税務署にはとても勝てないと思います。

世間体を考え、何でも本部にお伺いして決断する銀行に比して、
税務署は何処に幾ら売掛金があるかそれすら掴んでおります。
そして担当者が差押令状さえ切れば簡単に出来ます。

ましてや担保も無い税務署はこの回収が全てですから必死でしょう。

最近特に公租公課全般に回収がきつくなったような気がします。
「倒産した時は優先権の一番の公租公課が真っ先に頂こう。」
気の所為かこんな様にも思われます。
其れが「債権者は銀行と仕入先だけ」と考えて居る破綻者を直撃します。

そして、シナリオ外の不幸が訪れるのです。

多くは言いませんが税金だって誠意を持って払えない事を
ナットクさせるべきです。しかしながら、売掛金の殆どは
元来が仕入れ代金に回るべきものです。
「せめて売掛金の70%は差押禁止債権にならないかしら」
何時もこんな夢みたいなことを考えています。





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