鞄を持って何やら準備をしているコッシー
「うーん、どもおもちゃ持って行こうかなぁ…」
「ねえコッシー!後でスイと公園行かない?」
「えっ?後で?」
「うん!砂遊びして遊ぼうよぉ♪」
「砂遊びかぁ…」
「シーソーでも良いよ♪」
「いや、あの、そうじゃなくて…遊びたいんだけど…」
「なら良いよね?スイもコッシーと遊びたいもん」
「あ、えっと…そうだよねぇ、うーん…」
「じゃあ…うん!」
「オッケー!じゃあスイ出かけてくるから、後でねー!」
「どうしよう…」
「ん?『どうしよう』って、ちょっとコッシー、一体どうしたんだ?」
「今日コバアちゃんのところに泊まりに行くのにスイちゃんとも遊ぶ約束をしちゃった…」
「コッシー、ダメじゃないかそれは。ええ?」
「スイちゃんが僕と遊びたいって言ってくれたから嬉しかったんだもん…」
「じゃあコバアちゃんの方を断るのか?」
「ううん、前から約束してたから行くっす!」
「じゃあスイちゃんの方に『今日は無理だよ』ってちゃんと断らないと!」
「そうなんすけど言えなくて…」
「『言えなくて』って、どうすんのさ一体」
「うーん…しょぼーん…」
おててえほん
「断ることなら、ワタクシにおまかせ。『お断り道場』師範の…“おこと わり”よ。“おことちゃん”って呼んでね」
「おこととととととととと…」
「今日は、上手なお断りの仕方を教えてあげちゃうわ」
「わぁ!調度困ってたんだ!教えてー!」
「ダメなら『ダメ』って言えるようになるからね」
「良かったー」
「では、断り方その1。『はっきりと断る』。今からおことちゃんを『公園に行って遊ぼう』って誘ってごらんあそばせ」
「分かった!ねえ、おことちゃん。公園に行って僕と遊ぼう?」
「嫌!お断り!無理よ!」
「そんなぁ!?ガーン!」
「どう?断られた気分は?」
「遊べないのはよく分かったけど悲しかったっす…」
「そうよね。はっきりと断るのは良いこと。だけど、何かが足りないの。分かる?」
「何が足りないんだろう?」
「じゃあ、もう一度おことちゃんを誘ってみて」
「ねえ、公園で僕と遊ぼう?」
「うーん、ごめんね。無理なの。私、今日これから歯医者さんなの」
「そうなんだ…」
「ああー!!」
「ねっ?分かったでしょ?」
「『歯医者さんに行くから』って断る理由を教えてくれたから悲しくなかった!」
「そう、断り方その2。『理由を言えばとっても上手なお断り』になるの」
「最初に『ごめんね』も言ってくれたし!」
「そう!『ごめんね』もとーっても大事よー!おこととととととととと…」
「あっ、あともう一つあるから、もう一度だけおことちゃんを誘ってみて」
「ねえねえ、公園で僕と遊ぼう?」
「ああ…ごめんね、無理なの。私今日これから歯医者さんなの」
「だけど、明日だったら遊べるんだけど、どう?」
「明日!良いよー!明日…」
「ああーっ!!」
「断るだけじゃなくて、こっちから誘っちゃうの!」
「お断りされても全然嫌じゃなかったっすー!」
「でしょ?断る時は、相手の気持ちをよーく考えること。そして、ちゃんと心を込めて相手に伝えることよ」
「おことちゃん、教えてくれてありがとう!」
「いいえ、とっても良い生徒だったわ。だからおことちゃんの弟子にしてあげる」
「ごめんね、弟子になりたいけど無理っす。だって僕はスイちゃん、サボさんといっぱい遊ばなきゃいけないんだもん」
「でも大人になったらいつか弟子にして?」
「まあ!上手に断れたわねぇ」
「うん!おことちゃんのお陰っす!」
「もう教えることは何もないわ!おこととととととととととと…」
琴を弾き荒ぶるおことちゃん
おっす!イスのおうえんだん
いすのまちのコッシー
「スイちゃんごめんね、今日はコバアちゃんのところへ行くから公園行けないんだ。明日なら遊べるんだけど…」
「なーんだ!じゃあ、明日公園で遊ぼう!」
「ホント!?」
「うん!最初からそう言ってくれれば良かったのにー!」
「そうだよね、ごめんね。でもちゃんと伝えられて良かった!」
「じゃあいってきまーす!」
「いってらっしゃーい!」
「じゃあ今日はどうしようかなぁー…」
「おお、スイちゃん。サボさんだったら空いてるぞぉ?」
「公園やめて、一人で遊ぼっかなぁー」
「サボさんだったら空いてるから、公園でもどこでも行けるぞぉ?」
「どうしよっかなぁ?一人で本読もっかなぁ?」
「あの…スイちゃん、もしかして見えてないのかな…?」
エンディング「エビバデオフロスキー」






















おててえほん








































琴を弾き荒ぶるおことちゃん
おっす!イスのおうえんだん
いすのまちのコッシー













エンディング「エビバデオフロスキー」