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“ 嵐が吹き消した 恵みのろうそくを 再び取り上げ、それに新しい明かりを灯さなければならぬ。” 教皇ヨハネ二十三世

file.no-43 『代官の日常生活』

2005-09-29 00:57:19 | 書籍
現代の日本人にとって、いちばん親しい過去といえば、おそらくは『江戸時代』ではないでしょうか。
テレビで製作・放映される時代劇も、その殆どが江戸時代を舞台としたものだし、現代の我々の風俗の多くは、江戸時代に原型が出来たものが多いからです。
今回は、そんな江戸時代の『代官』たちについて書かれた本を扱います。

西沢淳男:著 『代官の日常生活について 江戸の中間管理職 』
   講談社 選書メチエ  2004年

題名が振るっています。サブタイトルの『中間管理職』、そのものズバリです。
代官といえば、よく賄賂を強要したり、町人の娘を権力によってかどわかそうとしたり・・・そんな事をする輩達だというイメージが一般的ではないでしょうか。
私自身、幼少の頃に観たテレビの時代劇によって、そんなイメージを持っていた時期がありました。
しかし、実際の代官たちというのは、まさしく中間管理職。わずか数十石の家禄しかない者たちが代官と為り、日々の業務に追われ、社会的体裁を繕うため借金を重ね・・・その実態は、本当に涙を誘うほど。

本の帯の煽り文句は、代官はツライよ。・・・まさしく、それそもの。
全国四百万石といわれた徳川幕府の領国。そこで実際に経営に当たった代官たち。
彼らの生活ぶりと、政への行動を、この本は明らかにしてくれています。
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