《テイクアウトして(中略)蓋を開いたらゴキブリの赤ちゃんが出てきました。》 インターネット上の地図サービス「グーグルマップ」の口コミに虚偽内容が投稿され、地域に愛される大阪府枚方市の弁当店が臨時休業に追い込まれた。あくまで真摯(しんし)に対応しようとした店側に投稿者が〝観念〟し、削除されたが、運営会社の社長は「書かれた方はたまったものではない。二度としないで」と切に訴える。 店によると、当該投稿がされたのは8月30日午後7時ごろ。男性社長は、購入日時など詳細を把握すべく、謝罪と返金、お見舞金の申し出も添えて口コミの返信機能でコンタクトを試みた。 返信こそなかったが、しばらくして投稿に文面が追加。 《追記わざわざ返信いただい中恐縮ですが、(中略)返金は求めていないので結構です。》(原文ママ) 「信用の根幹にかかわる重大事」と、翌31日は土曜日だったが、社長は市保健所にも報告した。 通常、保健所が営業停止などを判断する場合、店だけでなく、苦情の申し出側からも話を聞く。今回はネット上の匿名の口コミで写真もなく、聞き取った限り、衛生管理にも問題が認められなかった。少なくとも「営業停止を求める話ではない」と、保健所は社長に伝えた。 この段階で投稿の真偽は定かではない。もっとも、「まず店を閉めれば同種事案は防げる」と考えた社長は臨時休業を決定。約80ある取引先などへの連絡や書面送付にあたった。退職した元従業員にも連絡を取り、報告漏れがなかったかの確認を徹底した。 社長が投稿者とのコンタクトを試みる中で伝えていたアドレスに9月1日、「本人です」と投稿者からメールが入った。 社長はメールで改めて詳細を尋ねたが、「食べようとした場所のテーブル上に(ゴキブリが)いた」など核心部分を変遷させたほか、来店日時は「6〜7月」とあいまいにし、来店手段もはぐらかすなどしたという。 「こちらは生きるか死ぬかの瀬戸際なのに!」。社長はそうぶちまけたい衝動に駆られつつ、20回にも及ぶ細かなやり取りを経て、投稿者が弁当からゴキブリが現れた瞬間を見ていないとの言質を取った。投稿が事実に基づかない可能性がある、との謝罪も受けた。 「うちが提供した弁当から異物が出た可能性が限りなくゼロになり、とにかくホッとした」。社長は取材に心境をこう振り返った。 投稿の削除と身分証の提示、今後一切店にかかわらないようにという求めはいずれも応じられた。投稿者からの法的措置を取らない、個人情報を外部に出さないという申し入れも受け入れ、投稿は削除されたという。 取材には、投稿者が「都内在住の女性」とだけ明かした。関係者がこの女性による別の店の口コミをさかのぼったところ、今回と似たような投稿ばかりだったという。 テークアウト専門の店は令和3年オープン。従業員は社長を含めて4人で、弁当は一日に120個が提供上限だという。 「匿名の口コミで今回の対応(臨時休業)はやりすぎと思われるかもしれないが、信用が第一なので」と社長。 小さな店に大混乱をきたした虚偽投稿については、「書き込む方は軽い気持ちでも、当事者として巻き込まれるとめちゃくちゃ大変。二度としないでほしい」とお願いするかのように話した。 事案は一応の終結を見たが、取引先などへの報告やこれを機に衛生管理を改めて見直すなどし、営業再開は9月13日という。(産経新聞) |
この社長凄いですね。
しかしこの犯人はタチが悪いですね。
金銭目的で無い、ある意味愉快犯的なんですね。
社長も威力業務妨害で被害届出して、損害賠償してもらえば良いのに。