SSF 光夫天 ~ 詩と朗読と音楽と ~ 

◆ 言葉と音楽の『優しさ』の 散歩スケッチ ◆

スズメの子

2020-05-20 21:22:48 | 『コロナ:考』新しい試みです(2020年4月より)

<雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る> 小林一茶

新聞のコラムを見て、確かに「スズメの子」を見たことがあっただろうかと。おもしろいコラムだったので、動画を作成し、話者も小さな女の子で、初めて作ってみました。イラストをたくさん使わせていただきました。ありがとうございました。(提供:みさきのイラスト素材さん)

 

(本文)

◆スズメは年中そこらにいるため季語のくくりはない。ただ「スズメの子」となると、春に分類されている。

◆何年か前、この著名な一茶の句を眺めていてふと思った。そういえば、スズメの子を見たことがあっただろうかと。明治に活躍した俳人、藤井紫影にも散歩道で会ったらしいスズメの子の句がある。

<子雀の一尺飛んで親を見る>

◆綿毛のとれたばかりの羽で巣から降り、ちょこちょこと不安げに飛ぶ練習をする姿だろう。ものの本によれば、親と一緒にいるのは10日ほどらしく、どうやら今年も見る機会を逸しそうである。

◆しかし代わりにというと変だけれど、このごろ散歩道で多く見かけるのは人間の子供たちである。ある男子のグループが同じ広場に集まってくる。午前中はゴムボールで野球、午後はサッカーと思ったら、翌日は午前にサッカー、午後に野球をしていた。

◆勉強はいつしているのだろう? 心配になるものの、笑みがこぼれて楽しそうである。学校の休みが続く異常な春のもと、元気に外に出て、子供たちなりに飛ぶ練習をしているのかもしれない。

【読売新聞 編集手帳 2020年(令和2年)5月20日より】

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