OBSニュース

小樽商科大学ビジネススクール(専門職大学院)に関する情報を定期的にお知らせいたします。

オープンクラスと入試説明会のご報告

2009-12-29 09:00:00 | 入試関連
2010年度後期入試に先立ち、12月5日(土)に小樽商科大学札幌サテライトにおいて「ケーススタディI」のオープンクラスと入試説明会が行われました。その概要をご報告します。


オープンクラス当日、ケーススタディIのテーマはTSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の分析でした。
授業の狙いは、企業のケース(事例)を財務、マーケティング、組織、そして戦略の視点から多角的・総合的に分析し、ビジネスの意思決定局面で不可欠なスキルである問題発見・解決能力を養うことです。OBSのケーススタディの特徴は、その問題発見と問題解決にクロスファンクショナル(科目横断的)なアプローチを取ることにあります。現実の経営問題は1つのファンクション(経営機能)だけから最適解が見つかるはずはなく、複眼的・クロスファンクショナルな視点から捉えなければならないからです。
10:30開講の授業は同社の財務分析から始まり、組織分析、マーケティング分析と、学生はグループに分かれてディスカッションを行い、分析結果を発表しました。16:00からのオープンクラスでは、その分析を踏まえて複合的な問題点を同時に解決する戦略を提示する発表と質疑応答、全体ディスカッションをご覧いただきました。

続いて18:30からの入試説明会では、ビジネススクール概要説明などのほか、ケースメソッドによる模擬授業が行われました。扱うテーマこそ異なり短時間ではありましたが、先に参観したOBSの授業スタイルを体感していただけたようです。


説明会後半では「修了生からのメッセージ」と題して、平成20年度修了の4期生、川崎桃子氏(株式会社HBA 経営管理本部人事部能力開発課課長)に2年間のOBS生活について、志望動機から受験・学生生活のアドバイスまでをプレゼンテーションしていただきました。社内で経営企画や新規事業計画・立案に携わっていた頃、経営について実践的な内容を総合的に勉強したいと考えてOBSに入学したこと、様々なバックグラウンドをもつ同期生とのグループディスカッションや作業を通じて多様な考え方に接し、ロジカルかつ効果的に持論を展開する力をつけたこと、視野が広がり多面的な分析ができるようになったことなどが紹介されました。さらに学業と仕事・プライベートを両立する工夫、入学にあたっての事前準備など、自身の体験を踏まえた丁寧かつ適確なアドバイスの数々もありました。



別室では修了生8名が待機し、説明会後に受験相談会が行われました。「民間企業」「官公庁関係」「IT関連」「コンサルタント」「起業家」という5コーナーが設けられ、相談者個々のバックグラウンドに応じたアドバイスがなされました。

後期入試の出願期間は、2010年1月4日(月)~1月14日(木)となります。ご興味を持たれた方には是非、OBSを受験していただきたいと思います。

石屋製菓再生の軌跡とコンプライアンス経営

2009-12-22 09:00:00 | イベント
12月4日(金)、札幌アスティ45において開かれた第4回OBSフォーラムは、多くの方にご参加いただき、盛況のうちに終えることができました。コーディネーターを務めたOBSの籏本智之教授に、フォーラムの概要を報告していただきます。

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12月4日に行われた第4回OBSフォーラムの内容をレポートしよう。
北海道を代表する菓子「白い恋人」を製造販売する石屋製菓の社長である島田俊平氏に、「石屋製菓再生の軌跡とコンプライアンス経営」と題した講演をしていただいた。2007年8月の不祥事以来、社長として様々な改革を行ってきた島田氏。この2年の間に、実行してきたことは次の5つであったという。

1. JAS法違反への対応
2. HACCPに準じた設備投資
3. コンプライアンス経営を実践するための組織改革
4. 社員食堂の復活
5. 給与規定の整備

第1の点は、改善の実施と北海道および札幌市に報告をすることであり、そのため、コンプライアンス確立外部委員会を設け、改善箇所を明らかにしていったという。その改善箇所は、衛生管理に関係する場合、HACCP認定の取得という形につながった。賞味期限の設定根拠から洗い直し、計時・印字システムの導入まで相当な投資を必要としたという。

さらに第3の点について、興味深い話をしていただいた。衛生管理マニュアルと製造管理マニュアルを整備する中で、コンプライアンス経営を定着させるための仕組み作りから始めた。すなわち、外部の専門家を招聘し相当な回数の研修会を行ってきたが、10人程度のグループディスカッションを始めたら、発言者が増えて、リーダー的存在が生まれ始めた。リーダーが中心となり、報告書の作成が進み、マニュアルが作成されていったという。従業員間に改善を巡る会話が発生してきたのである。こうした組織風土が生まれつつある中で、経営管理部、内部監査室、品質管理部、お客様サービス室、製造部、コンプライアンス委員会の組織化が行われていった。

社員食堂が衛生管理の点で食品製造企業に重要であるという話は素人には思いもつかないことであった。衛生管理をシステムとして採用しなければ意味がないということがよくわかった。最後の給与規定の整備は、企業の急成長の中でおざなりになっていた点であったそうである。企業のステークホルダーとして重要な従業員であるだけに、彼らに十分に報いることは、企業経営において、再生時のみならず常に忘れてはいけない。



コンプライアンス経営というと、規律が強く窮屈な職場や受け身的な行動を誘発しそうなイメージを抱くかもしれない。しかし、島田氏の講演からはそうした消極的なイメージではなく、風通しのよい経営を目指すべきだというメッセージを感じたのは筆者一人ではないであろう。

講演の後、質疑応答があり、島田氏には多数の質問に丁寧にお答えいただいた。その中で、内部通報制度に関して、SOSは社内に流れていたが、無視されてきた。社内の問題を指摘してくれる人は善意の人だと述べられたのが印象的であった。

第6回 戦略MG研究会が終わりました

2009-12-08 09:00:00 | イベント
11月21日、小樽商科大学札幌サテライトにおいて、本年度6回目の戦略MG研究会が開催されました。戦略MG(マネジメントゲーム)とは、材料の購入、製品の製造と販売を繰り返して株主資本の多寡を競う経営シミュレーションゲームです。

今回のインストラクターは滴草さん(4期)で、プレーヤーの総数は10名でした。インストラクター歴の長い芝さん(3期)は久しぶりにプレーヤーとして参加され、また、毎回最後の講義を担当していただいている籏本教授も参戦しました。二人は闘志をメラメラさせて同一のテーブルに着くこととなりました。結果は籏本教授が全期黒字を達成するも、最終期にかわされ、株主資本トップは芝さんでした。「芝さん、おめでとう」。最後の講義を終えた教授は、「学者として高邁なことを述べるためにも、全期黒字の達成は正直ほっとしました」と胸の裡を明かしてくれました。

今回は3名の初心者が参加され、ルールの記憶と会計処理に格闘しながらも、第4期まで終えました。感想はというと、「夢中になりました」、「今までで最高の研修でした」と感激するほど満足していただいたようです。9:30から20:00まで続いた今回の研究会でしたが、「あっという間でした」というのが参加者の感想の大半でした。
参加者の皆さんは有意義な学習機会をエンジョイしたようでした。

第4回 OBSフォーラムは本日開催です

2009-12-04 11:29:00 | イベント
本日、札幌駅前のアスティ45において、第4回OBSフォーラムを開催いたします(参加費無料)。
事前に申し込まれていない方でも、当日参加を受け付けますので、ぜひおいでください。

概要は以下の通りです。

第4回 OBSフォーラム「石屋製菓再生の軌跡とコンプライアンス経営」

講師: 石屋製菓株式会社 代表取締役社長
   島田 俊平 氏


日時: 2009年12月4日(金)18:30~
会場: 札幌市中央区北4条西5丁目1 アスティ45ビル4F
    アスティホール
主催: 国立大学法人小樽商科大学ビジネススクール(OBS)
    (大学院商学研究科アントレプレナーシップ専攻)
参加費:無料(定員200名)

講師略歴:
1973年4月 北海道拓殖銀行 入行
1998年11月 営業譲渡に伴い、北洋銀行 入行
 帯広中央支店長、常務取締役を経て
2007年8月 石屋製菓・石屋商事株式会社 代表取締役社長 就任

お問い合せ先
小樽商科大学入試課入学試験係
TEL:0134-27-5253
nyushi@office.otaru-uc.ac.jp

後期オープンクラスのご案内(4)ケーススタディI

2009-12-01 17:04:11 | 入試関連
小樽商科大学ビジネススクールでは平成22年度学生募集に先駆け、より具体的に本学を知っていただくため授業参観日(オープンクラス)を設けました。
受験を検討中の方、ビジネススクールの講義スタイルにご興味がある方は、この機会にぜひご参加ください。
OBSニュースでは、オープンクラス当日の授業内容を順次ご紹介しています。

今回ご紹介するオープンクラスは、「ケーススタディI」です。近藤公彦教授(マーケティング)、玉井健一准教授(経営戦略)、堺昌彦准教授(会計学)のチームティーチングによる実践科目です。
当日は、TSUTAYAを展開する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」のケース分析を行います。

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(略称:CCC)は1985年の創業以来、増田宗昭社長の強力なリーダーシップのもと、TSUTAYAの店舗名で全国にフランチャイズ展開して業績を伸ばし、AVレンタル業界のパイオニアとして多くの革新をもたらしてきました。
授業では創業から近年までにCCCが行ってきた経営に関する事例を、4つの基本的視点(財務、マーケティング、組織、戦略)から分析し、同社の問題点を発見し、その解決策を考える演習を行います。
受講生は経営に関する事例が記述された30余ページのテキスト(ケース)を読み、各々問題点を分析した上で授業に臨みます。授業当日は、グループディスカッションとプレゼンテーションを通して考察を深め、組織の経営を多面的・全般的に観察する目を養います。

通常は小樽キャンパスで開講する科目ですが、オープンクラスは札幌サテライトでの実施です。10:30から17:40まで4時限のうち、16:00から行われるプレゼンテーションと質疑応答および、全体ディスカッションをご覧になれます。
なお、希望者多数につき、申込は締め切らせていただきました。ご了承ください。

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オープンクラス「ケーススタディI」 
講師:近藤公彦教授、玉井健一准教授、堺昌彦准教授
日時:2009年12月5日(土) 16:00-17:40
場所:小樽商科大学札幌サテライト
札幌市中央区北5西5 sapporo55ビル3F



このブログにおいて、当初ケーススタディIのオープンクラスを「ブラザー工業のケース分析」としておりましたが、「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(TSUTAYA)のケース分析」に変更となりました。