災害時には私たちが無事であることが何よりも大事なことです。
でなければペットを助けることはできません。
講師がおっしゃった第一声はこれでした。
人は環境に変調があったときに命を左右する呪縛(バイアス)にとらわれる。
1.集団同調性バイアス(他の人と違うことをすることをためらう)
2.正常性バイアス(今の状況はたいしたことはないと自分に言い聞かせてしまう)
3.エキスパートエラー(誰かの一言が人々の行動をとめてしまう)
これらのバイアスによって、被害が広がることがあるそうです。
これらの呪縛を受けないための自己防衛策として
1.正しい知識を持つ。
2.知識は意識を生む。
3.意識は行動につながる。
4.正しい知識に基づいた信念で行動する。
では、ペットのために備えておくことと、そのときにどうするか?
平常時の健康状態を把握しておくこと。
神戸の大震災のときの調査では、被災した獣医さん52件で治療を受けた犬は、1889件だったそうです。2週間のうちには外傷だけでなく、脱水、嘔吐、下痢などで治療を受けた犬もあり、原因としては支給されたフードがあわなかったり、ストレスなどで体調をくずしたのではということでした。普段の健康状態を獣医に告げることでより正確な判断をされることは周知のことです。
犬が痛さのために飼い主をかむこともあるので、簡易的な口輪をしたり、エリザベスカラーをつけたりするとよいとのことでした。
体位をかえるときに、背中を軸に向きをかえるのは心臓など内臓に負担がかかるので、やらないようにとのことでした。
動物も人の場合と同じように、状態の見極めをします。
1.赤、黄、緑、黒(トリアージ)状態の評価
2.意識、呼吸、循環(START法の応用)
3.見極めの時間は1分
4.処置のタイムリミットは15分
応急処置はあくまでも非常時に限ります。
普段は自分で何かする前にお医者さんに連れて行くことが大事です。
地震の被災地での動物にかかわる問題としては、
犬は畜犬登録、狂犬病予防注射などをうけているので、比較的把握しやすいが、飼い猫となると、室内飼いだけでなく、外を自由に行き来したり、ノラ猫だったり地域ねこだったりで数や実態が把握できないそうです。それよりも問題になるのが、被災地に残された避妊、去勢していないねこから生まれる子猫たちです。被災地に入った獣医師が多くの猫の避妊・去勢手術をしたそうですが、それでもなかなか追いつかないほどだそうです。
詳しくは、 のHPをご覧ください。
猫は特に固体識別が難しいそうです。そうなるとやはり迷子札だけじゃ不安。
マイクロチップも選択肢のひとつとして考える時期になっているようです。
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