古来沖縄には、遠い海の彼方にある「ニライカナイ」から、年初に神がやってきて豊穣をもたらし、年末に帰ると言う信仰がありました。南城市知念の「ニライカナイ橋」から知念半島の東方海上に、幻想的でニライカナイの郷を思わせる島影が見えます。琉球王朝時代に神事がおこなわれ、神の島と呼ばれる久高島です。
琉球王朝時代、琉球最高神女である聞得大君(キコエオオギミ)の、就任儀式「御新下り(オアラオリ)」等の祭祀は、斎場御嶽(セーファウタキ)で行われました。「セーファ」は「最高位」を意味し、「斎場御嶽」は「最高の御嶽」という意味(通称)です。斎場御嶽は、2000年11月、首里城跡などとともに、琉球王国のグスク及び関連遺産群としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。
「斎場御嶽」の最奥部には、二つの巨岩からなる三角形の空間があり、その突き当たり部分には「三庫理(サングーイ)」と呼ばれる空間があります。
岩間を抜けた右側には「チョウノハナ(キョウノハナ)」の拝所があります。左側(東側)には「久高島遥拝所」があり、海の彼方に「久高島」が見えました。