そんなとき私は「いえ、いいんですよ。地元の人のためにも案内しているんですから」と伝えます。実際に、私が「まち案内」を始めたきっかけは、街なかのバス停でバスの乗り方がわからずにウロウロしている人が地元の人にも多いことに気付いたことでした。観光客や県外客は二の次、まず地元の人の役に立ちたいと思っている、と言っても過言でありません。
こんな地元の人たちを見て、案外ふだんバスを使っていないのかな、とも思います。もっとバス路線がわかりやすければ、もっと案内が徹底していれば、と考えます。バス停の標識に「年間あと2往復のご利用を。赤字解消のために」という趣旨のお願いを記した鹿児島市交通局のシールが張ってあります。交通局が本当にそう思うなら、そうしてもらうような仕掛けとサービスにもっともっと心を砕くべきではないでしょうか。
3日の夜、東千石町、七味小路の居酒屋「はる日」に入りました。先客は、知り合いの男性と、初めて会う40代と見られる男女の計3人でした。話を聞いていると、男女は千葉県から来た夫婦のよう。間もなく「ご旅行ですか? この店に飛び込みで入られたんですか?」と声をかけました。「きょう空港からレンタカーで鹿児島市に入りました。この店の前の店『家のじ』で食事をして店を出たら、吉田類さんのBSの『酒場放浪記』で見覚えのある『はる日』が目の前にあったんです」と教えてくれました。
鹿児島は、以前空港乗り継ぎで屋久島へ行った以外、初めてとのこと。「まち案内」をしていると自己紹介して、バッグから観光パンフを取り出し、差し上げました。「あすは栗野岳温泉にでも、と考えています」と男性。だったら、もうちょっと上ったところに霧島アートの森があります、林を散策されては、と案内しました。
店主のはるひさんが「吉田さんに店を紹介したのは、この能勢さんなんですよ」と2人に説明。「番組で、奥のカウンターに掛けていました。何度も再放送されるので、そのたび知り合いから『出てたね』と言われるんですよ」と私は付け加えました。
今夜の泊まりはサンロイヤルホテルとのこと。だったら天文館からホテルのシャトルバスが出ますよ、とメモを取り出し、21時37分発です、電車通りのドコモショップ前から、と案内した。最後に2人と、はるひさんの3人を男性のカメラで記念撮影してさし上げ、また会いましょう、良い旅を、と別れました。
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