能勢謙三の鹿児島まち案内日記

案内日記こぼれ話9の続き

 案内日記こぼれ話9で、超満員電車に乗った時のことを書きました。書き忘れたことがあります。その時の運転士の対応です。運転席から遠い後部車内では、「降りれるかなあ」と心配する声や、「後ろのドアを開ければいいのに」という声も漏れていました。なのに運転士は、特別なアナウンスを何もしませんでした。例えば停留場に到着するたび、「後ろの方で降りる方はいらっしゃいませんか? 後ろのドアを開けましょうか」といったような案内をしてほしかったと思いました。
 電車やバスの運転士は、第一線の営業マンであるべきだと考えます。見ず知らずの不特定多数の客を相手にし、しかもその人命を一時的に預かる大変貴重な仕事をしているのです。その自覚と誇りをもっと持ってほしいと思います。ただ定時に安全に、電車やバスを運転すればいい、というものではないのではないでしょうか。お客さんを乗せているのです。
 何年か前、東京に出張したとき、渋谷から新橋へ向かう都営バスに乗りました。渋谷を発車する前、ある男性がバスの女性運転士に尋ねました。沿線のあるビルに行くにはどのバス停で降りればいいか、という質問でした。運転士は即座に「○○でお降りください」と的確に答えていました。感心しました。沿線の主要なビルや施設の所在をしっかりとおさえているんだな、と。さすがプロだな、と。
 第一線の営業マンであるべきと書いたのは、こんなことをさしています。電車やバスの運転の仕事には、沿線情報や、同業他社の路線情報の案内も含まれると考えるからです。いわば電車やバスにまつわるあらゆる情報に精通していてほしいのです。精通はしなくても、そうなる努力をしてほしいと思います。大変貴重で誇りを持てる仕事をしているのですから。
 会社に通勤していたころ、高齢者に冷たいバス運転士が運転するバスによく乗り合わせました。高齢者が乗車にもたついていると、せかすようにドアを閉めようとするのです。また走行中に高齢者が車内を移動しようとすると、急ブレーキをかけて「危ないじゃないの」と怒声を浴びせるのです。どっちが危ないのでしょうか。
 かと思えば、運転は丁寧、車内案内も的確で、他社への乗り換え情報まで放送するバス運転士もいました。人それぞれ、といえばそれまで。でも第一線の営業マンとしては、それなりの底上げを図ってほしいものです。
 
 

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