高麗本通り(右側)に沿ってカットされた森(左側)
現場を歩いてみると、森を一部カットして、市道沿いと、その左にある学生会館側の2辺に、バイクと自転車の駐輪場がつくってありました。そうだったのか、駐輪場を確保するために貴重な森を伐採したのか、と合点しました。
バイクスペース
自転車スペース
さらにわかったのは、学生会館と法文学部の間に、稲盛記念館(仮称)という建物を建設中で、その邪魔になった既存の駐輪場が9月25日で閉鎖されるということでした。その代わりの駐輪場が森をカットして新設されたのだろうと理解しました。学生会館の前には、最近鹿児島市の使い回し自転車「かごりん」のポートも新設されて、大学の敷地を圧迫していました。
9月25日で駐輪場閉鎖を知らせる看板
既存駐輪場と稲盛記念館建設現場(右側)
かごりんポート
ちょっと悲しくなりました。そして、ちょっとおかしいのでは、と疑問がもたげました。案内看板によると、この森は1909年(明治42年)に造成が始まった由緒ある植物園。鹿児島県や南西諸島に自生する樹木をエリア別に植栽。南国にある鹿児島大学ならではの、自然と歴史を実感させる得がたい知的財産にもなっています。
こんもりとした鹿児島大学植物園
こんな100年の森が、鹿児島が生んだ稲盛さんという「現代の偉人」を記念する建物や、かごりん普及という鹿児島市の勝手な都合によって、結果的に犠牲になるなんて。
前日のブログではありませんが、ここにも「現物壊し」の鹿児島の悪い癖がのぞきます。100年を超える立派な森という現物を傷つけるなんて、関係者の見識を疑いたくなります。
ふるきをたずね、新しきを知る。学問の府・大学は、まさにこの使命を帯びているのではないでしょうか。
そういえば、このあたりに以前、小ぶりで渋い講堂がありました。これもいつの間にか壊され、なくなりました。今の学生会館は対照的に超近代的です。きれいだなと一瞬思いますが、心には響きません。効率至上のこの時代。せめて大学くらいは、古いものを大切にして欲しいものです。
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ガヤマス
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