旅カナ-BLOG-

旅が好き!アジアが好き!海が好き!イラスト・ダイビングログブックと旅日記。

カンボジア2010 New Year

2010-01-20 00:09:19 | Weblog
すでに年賀状をお受け取りの方には見ていただいた写真ですが、年末年始休暇に訪れたカンボジアの写真をアップしておきたいと思います。
視察で訪れた保育園の子供たち、可愛かったなぁ。元気いっぱい遊んで、給食をほおばって…
この子たちが楽しく明るく毎日を過ごせる社会をみんなでつくらないとね…と思いを新たにした新年でした。


非電化な暮らし

2010-01-19 00:22:34 | Weblog
みなさま、お久しぶりです。
大変遅ればせながら、本年もよろしくお願いしますm(_ _)m

さて、私は土日にさる講演会に呼ばれ、今の仕事の話などをして来たのですが、そこで同じくご講演をされた面白い方を紹介します。
藤村靖之さん。「非電化工房」と言えばお分かりの方も多いと思います。この間報道ステーションにも出ていらっしゃいましたね。


(c)日経BP

藤村さんの肩書きは発明家。いいですね、エジソンみたいですね。
でも、藤村さんが志していらっしゃるのはまさしくエジソンが発明した電気とは対局の非電化の生活です。

有名なのは「非電化冷蔵庫」。その名の通り、電気を使わず、輻射式の原理で貯蔵物を冷やすというものです。彼の工房がある長野県那須では夏でも庫内の温度は7~10℃に保たれるとのことです。

藤村さんはもともと電機メーカーの技術者をしていらして、高度成長時代の日本を支えて来たお一人であるわけですが、息子さんが喘息に罹られ、「便利で快適」ばかりを追求して来た日本の産業界と自分の仕事に疑問を感じて、起業をされたのが39歳の時。以来、「発明で困っている人を助ける」をモットーに仕事をして来られ、現在に至ります。

藤村さんは何も電化製品を否定しようとされているのではなく、「別の選択肢を提案したいのだ」とおっしゃいます。
電化製品を使って便利で快適な生活を営むことが当たり前にすべての人が目指す道であるかのような製品とそれを使う生活しか示されて来なかった日本の社会に、「いやいや、ちょっと待ってよ、こういう暮らし方もあるんだよ」とオルタナティブな選択肢を示し、生活者に愉しいと思う方を選んでもらいたい、というのが藤村さんのポリシーです。

確かに、何でも電気製品で家事を済ませれば、自分は何もしなくていいし、楽かもしれない。でも代わりに失ったものもあるんじゃない?ちょっと立ち止まって考えてみようよ、というのがその意図するところなのです。

みなさんの暮らしはどうですか?数々の電気製品に囲まれていることと思いますが、果たしてそれは本当にそれでなければならないものでしょうか?

私のうちは比較的、と言うか、かなり非電化度が高いです(笑)。
うちには炊飯器がありません。ご飯は鍋で炊けるからです。電気ポットもありません。一人で飲むコーヒーの水などやかんで一瞬で沸くからです。掃除機は持っていますが、ここ数年使ったことがありません。最初に一人暮らしを始めた家はカーペット敷きでしたが、今の家は畳とフローリング(正確にはリノリウムのなんちゃってフローリング)だから掃除機でないとほこりが取れないということもないですし、箒とちりとりの方が静かで夜でも掃除出来るし、取れたほこりの量も目に見えて「掃除した!」という気になるからです。エアコンもついていますが、つけるのは人が来たときだけです。(夏の暑い中歩いて来てくれた人へのおもてなしw)南と西に窓があるため風通しが非常に良く、必要を感じないからです。エアコン以外の暖房器具もありません。温暖な神戸の地で本当に「寒い」と感じるのは年に数日もないからです。寒ければフリースを着て膝掛けをかければいいだけです。日当り抜群のこの部屋では、特に日中寒いなどということはほとんどと言っていいほどありません。洗濯はもちろん洗濯機でしますが、使うのは一週間に一回です。一人暮らしでは洗濯機がいっぱいになる量がちょうど一週間分なのです。照明は電球型蛍光灯に変えました。以前は数ヶ月に一回は切れて買いに行っていましたが、今はその手間が全くなくなりました。2年近く変えていないかも知れません。まだまだいけそうです。ラクラクです。古いマンションなので暖房便座も温水ウォシュレットもマイコン制御の風呂湯沸かし器も床下暖房もちろん付いていません。最近待機電力カットが出来るコンセントタップを買ったので、パソコン、プリンター、テレビ、携帯電話の充電器も使わないときはプラグを抜いているのと同じことだと思います。
そんな我が家の電気代は月1,500円~1,700円。不便でも不快でも何でもありません。普通に快適な暮らしをしています。日光に満ち、風が通って、豊かな緑が窓の外に広がる広々としたこの部屋は、私の大のお気に入りです。

思うに、「こうでなければならない」というのは得てして思い込みの場合が多く、持たなければ持たないなりの、豊かな暮らしは出来るのではないでしょうか?

藤村さんの話に戻りますと、彼は最近“非電化住宅”というのをコスト24万円(!)で建てられたそうで、いわく「仲間と時間と体力があれば」(つまりお金がなくても)、健康で頑丈で素敵な家は建てられるのだそうです。2,400万円の家を住宅ローンで買うという発想は、「こうでなければ快適な暮らしが営めない」という選択肢しか提示されていないからで、それは世界一器用と言われた日本人が、いまや何でもお金で買う、つまり他人への依存度を高めすぎて、自分では何も出来なくなってしまったからだと言います。
ほんの少し手間をかけて、頭を使って工夫をすれば、人はもう一度愉しい生活や人生を自分の手に取り戻すことが出来るのだ、と。そのプロセスを人は“しあわせ”と呼んでいたんじゃなかったのか?と。自分はそのことを“非電化”を切り口に提示してみせているだけなのだとおっしゃっていました。

その他にもモンゴルでの非電化冷蔵庫のプロジェクトの話や、ナイジェリアの非電化オレンジジュース工場の話など、面白い話は山ほどあって、ここには全部書ききれませんが、もし良ければ藤村さんの本を読んでみて下さい。
きっと目からウロコなことがたくさんありますよ。


「愉しい非電化」藤村靖之著