裏Today's Kyota

デジモノライター・京太の素顔な日常を召し上げれ

米リンデンラボ社の元CEO来日

2008-05-29 20:13:14 | 今日の独り言
 私は、セカンドライフが、今後、ネット社会のデフェクトスタンダードになると、予想しています。朝、PCを立ち上げたら、メールソフトやIEなどを立ち上げるのではなく、セカンドライフビューアーを立ち上げ、IMを読み、ニュースを検索する。たぶん5年後にはみんな、そういうネット生活に、何も違和感を感じなくなるでしょう。

 セカンドライフはゲームだと思っている人も多いと思いますが、このソフトはヴューアであり、中身はユーザー達が作っている世界。WWWの3D版といえるのです。当然、時代と共に情報は3Dとなり、動画となっています。プラットフォームだって2Dから3Dへ移行するのは当然。さらにブロードバンドが一般に普及しているため、これは加速度的に浸透していくはずです。

 ここでよく言われる疑問、「WWWはオープンだが、セカンドライフはリンデンラボ社のサーバ上にある、閉じた空間ではないか」ということ。一社独占では、成長に限りがあります。

 これを、本日来日し、アジア最大級の仮想世界イベント「Virtual World Conference&Expo2008」で講演を行った、米リンデンラボ社の元CEOフィリップ・ローズデール氏が、明確に答えてくれた。

「セカンドライフ以外のメタバースの世界。そして、各国、各社にある別々のサーバにあるSIM。いずれこれらはすべてオープンスペースとなり、相互間のやり取りが可能になります。セカンドライフをはじめとするメタバースの世界は、ワールドワイドウェブ(WWW)を凌駕する存在となるだろう」と語ったのだ。

 さらに、その時期はいつになるのか?という質問に対し、「時期は明確に答えられるものではない」としながらも、「現在のメタバースの発展は、まだ1%である。10年で100倍に浸透するだろう」と熱く語ったのである。

 ...10年前、Niftyなどのパソコン通信にはまった人も多いだろう。通信費がいきなり跳ね上がり、驚いた経験はないだろうか。今、メタバースの世界で、ついはまりすぎ、時間的な消耗という意味でこれを経験している人は多い。

 パソコンのスペック、通信状況などの要因から、現在は、セカンドライフを体験しても9割の人が継続せずやめてしまう(フィリップ氏談)のが現状だが、それはまるで、WWWの世界をのぞき見て「あー、ホワイトハウスのホームページがこれね、首相官邸がこれかぁ、ふむ」で、ネットサーフィンをやめてしまった人たちと同じように思える。

 フィリップ氏によれば、今のセカンドライフのSIM所有者の15%が、教育機関だという。これも、初期のWWWと似ている。まさに、今がメタバース創世記なのだ。

 Eコマースについては、フィリップ氏も「まだこれから」と言っていたが、だからこそ、ネットショップ関係者には、まだ分があるとも言える。勝ち組に入るなら、今しかないと、私は思っている。実際、ナチュラムなど、ネットショップの大御所も、この世界に参入し、名を広めている。実際、目立つ活動を行うのは、今なら少ないコストで簡単に行えるのだ(あくまで、会社規模の話だけど)。やってみたい企業さん、ご連絡ください。クリエーターとつなぎますよ~(笑)

 セカンドライフは技術を競う場所ではない。ゲームをする場所でもない。なんとなくサーフィンする場所、情報収集し、人と語り合う場所だ。WWWではできない、双方向のやりとりが簡単にできる。しかし、テキストだけのやりとりで充分だという人もいるだろう。

 フィリップ氏曰く「アマゾンでとある本を買う人が、何十人もいたとする。しかし、同じ本に興味を持つその人たちは、お互いをみることができない。でも、メタバースの世界では、その場で本を買いに来ているアバターに語りかけることができ、生の声を情報収集できる。その違いは大きい」と語ったが、私もそう思う。可能性を感じませんか?

 つまり、WWWより情報量が格段に上なのだ。フィリップ氏は、「椅子に座ってくださいというのに、テキストで知らせるより、椅子を目の前に出したほうがずっとわかりやすい」と語ったが、メタバースの世界とはまさにそういうものなのだ。

 私はこれからもセカンドライフの最先端で遊びながら、この世界の最新情報をウォッチし、発信していこうと思っている。今までそれをこの場にあまり書かなかったのは、時期がまだ早いと思っていたからだ。

 しかし、フィリップ氏本人が明確に、セカンドライフのオープンソース化を語った今、私は確信し、安心してこの世界を皆に紹介していきたいと思う。これからは、IEでももじらでもなく、セカンドライフビューアーで、ネットを渡り歩くようになるのだと。

 朝一番の講演に、立見席もでるほど集まったセカンドライフユーザー達。彼らは皆、私と同じように確信しているのだ。

ps.セカンドライフ本が売れないからって、悲観する編集部の方。アプローチが違うんです。遊び方のハウツーを本で紹介しても意味がないと、私はおもいますよ。もっとユーザーが欲してる情報を本にすれば、必ずヒットしますよ!