ずいぶん前にジンジャー。
おそらくは外国産だったのではないかと思うが、物珍しさもあって買ってみた。ジャム作りを始めるよりも、ずっと前のことだ。
ジンジャーはもちろん生姜のことである。
ジャムとはいえ、トーストに塗ってみたら、これが辛い。しかも、350gくらい入っている瓶だったので、なかなか減らない。
舌をヒーヒーさせながら、食べた記憶がある。
そのときの感想は、「誰がこんなものを好き好んで食べるんだ? やっぱ西洋人は日本人とは味覚が違う」だった。
いや、生姜はもともとが薬用なので、西洋人も薬のつもりで食べているのか? 健康食品みたいなもんか?
何年か前に、いつも手作りジャムをプレゼントしている兄から、「ジンジャージャムは作らないの?」と聞かれたことがある。
「ジンジャージャム? あれ、辛いでしょ」
「リンゴとか入れればそうでもないよ」
そう言って、兄が市販のジンジャージャムの瓶を持ってきた。どうやら、ジンジャージャムが好みらしい。
何でわざわざジンジャージャムなんか、食ってんだろう? 健康食品のつもりか?
そうは口には出さなかったが、「そうねえ・・・」と言って会話を打ち切った。
ミックスジャムは作ったことはあるが、基本はミックスは作らないことにしている。
オレンジとグレープフルーツの柑橘同士のマーマレードや、もともとミックスされて売られていた冷凍のベリー類でジャムを作ったことがある。
それぞれの味が融合し、マイルドな味になって美味しいことは美味しいのだが、何となくぼやけてしまう気がした。
ジュースでも、昔はミックスジュースが好きだった。
オレンジジュースなど、酸の独特の刺激があってピリピリ、刺々しかったりするが、ミックスジュースはその刺激が緩和されて、マイルドで美味しい。
しかし、最近はそのマイルドさが物足りなく、中途半端な気さえして、あまり買って飲まない。飲むなら単一の果物を搾ったジュースの方が、個性がはっきりしている。
そんなわけで、作るならあくまで単一のジンジャージャムと思っていたわけだ。
ホームページに載せるためにいろいろなジャムを作っているうちに、ジンジャージャムの項目がないことが気になってきた。
来年の春、新生姜が出てきたらジンジャージャムを作ってみよう。そう思ったのは、去年の秋だった。
そして、やがて新生姜の季節が近づいてきた。
・・・と、ここまで書いたところで、すでに長文になっていた。
ジャム作り輪證の話を前後編に分けるのもなんだとは思うが、次回に続く。