2ちゃんねるとネット右翼(ネトウヨ)ウォッチング&その分析

「ネット右翼(ネトウヨ)≒ニートやフリータ等の恵まれない人達(底辺層)」説の証左収集&ネトウヨ観察を主目的とするブログ

これが「金融脳」ですか…

2010-05-03 15:14:34 | Weblog

今日のエントリはネトウヨとはあまり関係がありません。
(2002~2006年頃のν速+板民(≒ネトウヨ)が「グローバリゼーションマンセーしていた」という
意味なら無関係ではないと思いますが)

藤沢数希氏のブログにこういうエントリがありました。
(一応全文引用します)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51679153.html
>グローバル資本主義だけが世界を平和にし、世界の貧困問題を解決できる ―米軍ヘリによる民間人誤射殺の映像から考えた事

>欧米のメディアではこの最新鋭の米軍ヘリによる民間人誤射殺の映像が話題になっている。
>被害者がたまたま欧米の金融・経済情報のトップ・メディアであるロイターのイラク人記者だったことから、
>このような映像の入手が可能になっとものと推測される。

>そこに映し出されるのは、高度に組織された指揮系統の中、最新鋭の兵器でターゲットを淡々と殺戮していく米軍の様子だ。
>まるでひとりひとりが歯車となり高度な分業体制で業務を行う現代の企業活動のようである。
>米兵はそれが自分に与えられた仕事だから、さまざまな法令や軍のルールに則り、彼らの任務、つまり殺人を実行しているのだ。
>彼らもまた善良な市民であり、秩序を重んじる組織人なのである。

>また、こういった兵器の開発をしているのも、みな善良な市民であり、善良なエンジニアである。
>アメリカの理系の大学院は莫大な研究費を軍の予算から提供されている。
>そういった予算が奨学金の原資になり、世界の国々、特にアジアや東欧のような発展途上国の向上心溢れる若者が、
>アメリカの研究機関で勉学に励み、最先端の研究に打ち込むことを可能にする。

>このようなショッキングな映像から、アメリカを非難する声が圧倒的だが、僕は否定も肯定もしない。
>これは確かに世界の現実の一面であり、このように殺されてしまっている民間人が世界には何千人もいるし、また米軍も多くの
>犠牲者を出しているのも確かだ。
>僕もこのビデオから、何度も何度も繰り返し語られることであるが、戦争の悲惨さをまざまざまと見せつけられ、
>悲しみに打ちひしがれた者のうちのひとりだ。
>だからといって短絡的に、引き金を実際に引いた米兵や米軍の軍事活動を責めても何の解決にもならないだろう。

>それでは、このような悲劇が再び起こらないようにするにはどうすればいいのだろうか?
>僕には、それはグローバル資本主義をさらに加速させ、世界の全ての国を互いに密接につながった自由市場経済圏にすること以外考えられない。
>歴然たる事実として、自由貿易が活発に行われ、相互にヒトや資本がいきかっている二国間で戦争が起こったことはない。
>経済の相互依存が高まれば、戦争によりその関係が断絶されることによる損失は双方にとって甚大なものになるからだ。
>自分の顧客や自分の親戚や友人がたくさん住んでいる国にわざわざ爆弾を落とそうなんて考える人はいないだろう。
>醜い国家権力同士の政治闘争を、合理的な企業間の経済活動に置き換え、国境の持つ意味をどんどん希薄化させなければいけない。

>アメリカにはアメリカの正義があり、アメリカは民主的なプロセスを経ずに国家権力を掌握して自国民を搾取し、
>多くの貴重な資源を一部の独裁者のが支配しているような国を「ならずもの国家」と考える。
>そして、そのようなアメリカの一方的な態度は時に傲慢に映り、国際社会から激しい反感を買ったりもする。

>しかしアメリカの正義には確かに一理も二理もあるのは事実である。
>資源は資本主義のルールに則って、世界の市場で公正に取り引きされるべきで、暴力によって権力を握ったならずもの国家の独裁者が独占するべきではないのだ。
>世界の中で圧倒的な軍事力を誇るアメリカの傲慢な外交姿勢により、世界の多くの人々が多大な恩恵を受けているのもまたひとつの事実なのだ。

>グローバリゼーションによる世界各国の経済の相互依存、そして圧倒的な力を持つ米軍の戦争抑止力により、かつてないほど世界の平和が維持され、
>この数十年間、世界は空前絶後の発展を遂げ、人類は恐るべき豊かさを手に入れた。
>そのことは過小評価するべきではない。

>また、世界の発展から取り残された国々の貧困問題を解決するのもグローバル資本主義以外あり得ないのである。
>貧困問題が、寄付や慈善事業により解決されたことは今まで一度たりともない。
>貧国が豊かさを手に入れる唯一の方法は、世界の自由市場経済圏に組み込まれることなのだ。
>最初はひたすら安い労働力の提供先になるしかない。
>単純作業を極限まで安い賃金で引き受けることにより、世界の企業を誘致し、少しずつ外貨を獲得し社会資本を蓄積していくのである。
>中国は安い労働力を武器に、世界の工場としての役割を担い、ものすごいスピードで豊かになっていった。
>そうすると必然的に賃金が上がってしまうので、多国籍企業はさらに安く買いたたけるもっと貧しい国を貪欲に探し進出していく。
>中国の後はカンボジアやバングラディッシュなどの貧国が、利益を強欲に追及する多国籍企業のターゲットになった。
>これを搾取というなら搾取なのだろう。
>しかし、中国の田舎やカンボジアやバングラディッシュのふつうの人々が豊かになる唯一の方法なのだ。
>こういう多国籍企業の利益を追求する活動がなかったらどうなるのだろうか?
>彼らはもっと貧乏に、圧倒的に貧乏になるだけなのだ。
>寄付や慈善事業は先進国に住む住民が、半ば見下した態度により、ある種の優越感に浸りながら貧者に一時的な施しを与えているにすぎない。
>あくまで対等なビジネスのパートナーとして世界の分業体制に組み込み、自律的な発展を施すしかないのである。

>また個人レベルでいえば、貧国に生まれようと、サイエンスなどの先進国の大学や企業にとって有益な才能があると認められれば、
>豊かになることはいくらでもできる。
>世界の多国籍企業の中には発展途上国出身で、何億円も稼ぐプロフェッショナルがそれこそ五万といる。
>グローバル資本主義は、国境を超え、努力する者たちに機会を平等に与えつつある。

>このような世界の貧困に光を照らす企業活動に資金を提供する黒子が、国際金融である。
>国境を超え巨大な資金を動かす国際金融機関もまた、貧困問題の解決、そして真に平等な社会の実現に向け、日々活動しているのだ。

>世界を平和にして、世界の貧困問題を解決するのは、実は強欲なグローバル資本主義意外ないのである。

>グローバル資本主義だけが唯一人類を幸せにできる。
>少なくとも僕はそう信じている。

で…上のエントリに少しツッコミ入れてみます。

>アメリカの理系の大学院は莫大な研究費を軍の予算から提供されている。
>そういった予算が奨学金の原資になり、世界の国々、特にアジアや東欧のような発展途上国の向上心溢れる若者が、
>アメリカの研究機関で勉学に励み、最先端の研究に打ち込むことを可能にする。
「米国の大学院で研究している若者の内では先進国留学生より発展途上国留学生の割合が有意に十分多い」のならば
上の事は正しいと言えますが…そういうデータは(多分)ありません(ngc2497は日経サイエンスetcで
そういうデータを見たことないです。米国の有名大学大学院生で中華系の研究者が目立つのは確かですが)。

>だからといって短絡的に、引き金を実際に引いた米兵や米軍の軍事活動を責めても何の解決にもならないだろう。
現場の米兵はともかく…軍事活動については
「フセイン政権に一方的にイチャモンをつけて一方的にイラクに攻め込んでイラクを掻き回したのはアメリカ」
なんですがねえ…

>歴然たる事実として、自由貿易が活発に行われ、相互にヒトや資本がいきかっている二国間で戦争が起こったことはない。
戦前の日本は原油や鉄屑などを米国に依存していましたが米国に戦争しかけましたが何か?
第二次世界大戦後はそういう事が起こりにくくなってはいますがフォークランド紛争などの事例もありますな。
「相互にヒトや資本がいきかっている二国間で戦争が起こったことはない」は大嘘です。

>自分の顧客や自分の親戚や友人がたくさん住んでいる国にわざわざ爆弾を落とそうなんて考える人はいないだろう。
これへのツッコミは「ボスニア紛争では友人同士でも民族対立を煽られれば容易に民族紛争が起こった」事を
挙げれば十分だと思います。

>アメリカにはアメリカの正義があり、アメリカは民主的なプロセスを経ずに国家権力を掌握して自国民を搾取し、
>多くの貴重な資源を一部の独裁者のが支配しているような国を「ならずもの国家」と考える。
中東のオイル利権をメジャー(エクソンモービルetc)に握らせて独裁的支配していたのがアメリカなんですが。
他にもアフリカのレアメタルなどもそうですな。アメリカが「ならずもの国家」になるんですが。

>しかしアメリカの正義には確かに一理も二理もあるのは事実である。
「アメリカの権益を守るため」ならそうでしょうね。

>資源は資本主義のルールに則って、世界の市場で公正に取り引きされるべきで、暴力によって権力を握ったならずもの国家の独裁者が独占するべきではないのだ。
その「資本主義のルール」を定めたのは主としてアメリカなんですが。
当然「資本主義のルール」はアメリカにとって都合の良い様に出来ていますが何か?

>世界の中で圧倒的な軍事力を誇るアメリカの傲慢な外交姿勢により、世界の多くの人々が多大な恩恵を受けているのもまたひとつの事実なのだ。
「世界の多くの人々が多大な恩恵を受けている」→「アメリカの多くの富裕層が多大な恩恵を受けている」
と置き換えるなら正しいでしょうね。

>そして圧倒的な力を持つ米軍の戦争抑止力により、かつてないほど世界の平和が維持され、
>この数十年間、世界は空前絶後の発展を遂げ、人類は恐るべき豊かさを手に入れた。
東西冷戦最中では軍事パワーバランスが著しく東側に傾き、それについて
西側では(特に陸上戦車部隊数など)深刻になやんでいたのは無視ですか。
スプートニクの打ち上げetcのミサイルギャップも無視ですか。
80年代は南米や東欧を始めとする国家破産の陰に世界がおびえていたのも無視ですか。
世界中で現在10億人が飢餓に苦しんでいるのも無視ですか。
グローバリゼーションの結果、かえって世界中でジニ係数が上昇して格差拡大しているのも無視ですか。

>また、世界の発展から取り残された国々の貧困問題を解決するのもグローバル資本主義以外あり得ないのである。
「グローバリゼーションの中で解決するしかない」なら正しいでしょうが
「貧困問題を解決するのもグローバル資本主義以外あり得ない」は明白に間違いですね。それ以外にも解は
あるのはマータイさんやグラミン銀行の具体例を挙げれば十分です。

>世界を平和にして、世界の貧困問題を解決するのは、実は強欲なグローバル資本主義意外ないのである。
リーマンなどの証券・金融屋は金融商品を強欲に弄んで巨額の暴利を貪ったあげくにリーマンショックを
引き起こしましたな。世界の貧困層が真っ先に困ったのは無視ですか。
しかもリーマンショックを引き起こした当人、強欲な証券・金融屋は税金から赤字補填してもらって更に
巨額の報酬をもらっていて無傷で営業続行なのも無視ですか。

>貧国に生まれようと、サイエンスなどの先進国の大学や企業にとって有益な才能があると認められれば、豊かになることはいくらでもできる。
発展途上国の貧困層はまず学校にいけないのですが…
児童労働及び搾取が問題になってるのも無視ですか…

>グローバル資本主義は、国境を超え、努力する者たちに機会を平等に与えつつある。
グローバルなんてえらそうな事を言わなくてもこのリーマンショック以降の日本国内でも
家計の理由(父親の失業etc)で大学にいけなくなった才ある人達っていっぱいいますが。
どこが平等なんでしょうか。

>このような世界の貧困に光を照らす企業活動に資金を提供する黒子が、国際金融である。
金融はモノやサービスを作り出す上での黒子である事を完全に忘れてますな。
モノやサービス作る人があってはじめて金融が成り立つのですがねえ。。

>グローバル資本主義だけが唯一人類を幸せにできる。
>少なくとも僕はそう信じている。
信じるのは勝手ですが事実は違う様です。


金融屋は「お金を右から左に」あるいは「お金を左から右に」動かすだけで
無尽蔵に資源やサービスが生まれると思ってるみたいですな。。。



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