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残高不足で帰れず…長男救った夫婦にお礼を

2019-06-04 21:15:02 | ニュース
残高不足で帰れず…長男救った夫婦にお礼を

駅の改札口でICカードの残高が足りずに困っていた16歳の男子生徒。そこに通りかかった夫婦
の親切な行為に称賛の声が上がっている。名前も言わずに立ち去った夫婦を捜している生徒の
母親に話を聞いた。
    ◇
ことの発端は、先月29日のことだった。東京・足立区に住む福田恭子さん(59)。
福田恭子さん「どこ行ったんだろうというのはあったんですけど、正直は話、夢にも池袋に行ってい
るとは思っていなかったので」
恭子さんの長男(16)は、ダウン症。この春から、特別支援学校に電車で通っている。いつも、家
から学校まで送り迎えをしていた恭子さん。当日も、迎えのため学校へ。
しかし――
福田恭子さん「学校は外靴がなかったので出てるなということはわかりまして」
げた箱に靴がないことから長男がすでに学校を出たことが判明。恭子さんは、急いで自宅へと戻
るが、長男は帰っていない。
その後、長男がよく行く自宅近くの書店や駅ビル内を見て回ったという恭子さん。それでも見つか
らず午後7時頃、警察に電話をしようとした矢先、長男が自宅に戻っていたことがわかる。
どこに行っていたのか聞くと――
福田恭子さん「池袋だと聞いて、すごくびっくりしました」
山手線などを乗り継いで、遠く離れた池袋駅まで行っていたという。なぜ長男は、池袋駅に向かっ
たのだろうか。
福田恭子さん「息子はその前に(自分が)『一緒に池袋に行けるかも』って言っていたのを覚えてい
て、置いて行かれたと思ってすれ違ったまま彼だけが乗り換えて池袋に来てしまった」
実は、恭子さんは以前、長男に学校が早く終った日に池袋に行こうと話したという。当日は、たま
たま早く終わった日で、長男は恭子さんが迎えに来ないため先に池袋に行ったと勘違いし、自宅
へは戻らず、池袋へと向かった。
しかし、長男のICカードには、池袋駅から戻ってこられるほどのお金はチャージされていない。
福田恭子さん「男の人が財布から1000円出してくれたから、チャージして帰ったんだみたいな話
を聞いてびっくりしたというか」
長男は池袋駅で恭子さんを待っていたが、疲れたため午後6時くらいに帰ろうとしたという。しか
し、ICカードの残高はわずか数円。改札前で立ち往生してしまった。
すると、そこに年配とみられる夫婦が現れ――
夫婦「これでチャージしておいで」
1000円札を、そっと長男に差し出したという。そして、長男がカードのチャージを終えると、すでに
夫婦の姿はなかったという。見ず知らずの人からもらったお金で無事帰宅できた長男。
この出来事は、新聞などでも掲載された。するとSNS上でも話題に――
「何か気持ちがほっとします」「ほんと世の中捨てたものじゃない」「最近良いニュース聞かないけ
ど、久々にほっこりしました」
福田恭子さん「びっくりですし、正直そういう方がいるのは驚きだったので…。助かりましたと、一言
お礼は言いたい」
恭子さんは長男に1000円を渡してくれた人に直接会ってお礼がしたいと話している。

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