仕事が休みの土曜日。
温真と優月も保育園には行かせず、家でのんびり過ごすことにした。
もちろん二人には家の中に閉じこもっているなんていうことは無理で、
午前中から外に遊びに行き、お昼頃になるとちゃんと帰ってきた。
保育園の友達がいる方の公園まで行って、その子たちと遊んできたと話した。
お昼ごはんを食べると、また友達のいる方の公園に行くと言って出掛けた。
4月から小学生になる温真。
通学路にもなっている道だし、いくら心配でも閉じ込めておくわけにはいかないし、
行動範囲も広がっていくのは仕方ない。
私が一人家で過ごしていると、午後2時頃、突然インターホンが鳴った。
出ると、「警察です。」という第一声に、私は嫌な予感がして玄関に飛び出した。
二人が事故にでもあったのでは・・・背筋が凍る思いでドアを開けると、
そこには一人の警察官と、温真と優月の姿があった。
警察官はすぐに話し始めた。
「実はこの子たちが友達の子と、コンビニで万引きをしまして。」
私は耳を疑った。
警察官は続けて、
「それでお店の人が言うには、主犯格は温真くんらしく、みんなに
『どれでも好きなの持ってっていいよ』と言っているのを聞いたらしいんですよ。」
「それに温真くん、今までも何回かそこで万引きしてる常習犯じゃないかって。
以前から何度かお店も万引きされていて、この子らしき姿を見かけているし、
万引きで捕まってお店の人にもおまわりさんにも叱られても、他の子は泣いてるのに、
温真くんは泣きもしないで強がってると言うか。」
私は頭を金づちで思いっきり殴られたようなショックで、信じられない気持ちでいっぱいだった。
まだ年長で、最近やっと外で子供たちだけで遊びに行くようになったばかりで、コンビニなんて
私もほとんど行かなし、もちろん子供たちもほとんど行ったりしてないのに。
でも警察が手にしていたペットボトルのジュースとハイチュウが、
この子たちが万引きしたものだということは事実だった。
すぐに警察官と一緒に子供たちを連れ、コンビニに謝罪に行った。
一緒に万引きした友達の兄弟とそのお母さんも謝りに来ていた。
自分の子がコンビニで万引きをしたという事実とそのショックで、
私は泣きじゃくり取り乱しながらも、ぐしゃぐしゃになった顔で
何度も何度も、申し訳ありませんでしたと頭を下げ、お店の人に謝罪した。
お友達のお母さんにも、「もしうちの子が誘ったのだったらすみません・・・」と謝った。
「主犯格」・・・恐ろしい言葉。
万引きは犯罪なのはわかっている。
でも温真はまだそこまで物事を理解できていない。
温真が常習犯というのは違うと思う。温真はコンビニに行ったのは、今回が初めてだと言った。
まだよく理解できていなくても、お金を払わずに物を盗むのは悪いことだということは二人ともわかっている。
二人をきつく叱り、何度も何度も言い聞かせた。
二度と絶対に、こんなことをしてはいけない。
今までの私の育児は、生き方は、間違っていたのだ。
この時私は自分を、子供を、全てを否定してしまう気持ちに陥った。
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