天使の寝顔

夫と離婚し二人目の子を出産。
幼い息子と娘を持つシングルマザーになりました。

主犯格

2014年03月03日 | 現在の日記


 仕事が休みの土曜日。

 温真と優月も保育園には行かせず、家でのんびり過ごすことにした。


 もちろん二人には家の中に閉じこもっているなんていうことは無理で、

 午前中から外に遊びに行き、お昼頃になるとちゃんと帰ってきた。


 保育園の友達がいる方の公園まで行って、その子たちと遊んできたと話した。

 お昼ごはんを食べると、また友達のいる方の公園に行くと言って出掛けた。


 4月から小学生になる温真。

 通学路にもなっている道だし、いくら心配でも閉じ込めておくわけにはいかないし、

 行動範囲も広がっていくのは仕方ない。


 私が一人家で過ごしていると、午後2時頃、突然インターホンが鳴った。

 出ると、「警察です。」という第一声に、私は嫌な予感がして玄関に飛び出した。


 二人が事故にでもあったのでは・・・背筋が凍る思いでドアを開けると、

 そこには一人の警察官と、温真と優月の姿があった。

 
 警察官はすぐに話し始めた。

 「実はこの子たちが友達の子と、コンビニで万引きをしまして。」

 私は耳を疑った。


 警察官は続けて、

 「それでお店の人が言うには、主犯格は温真くんらしく、みんなに

  『どれでも好きなの持ってっていいよ』と言っているのを聞いたらしいんですよ。」


 「それに温真くん、今までも何回かそこで万引きしてる常習犯じゃないかって。

  以前から何度かお店も万引きされていて、この子らしき姿を見かけているし、

  万引きで捕まってお店の人にもおまわりさんにも叱られても、他の子は泣いてるのに、

  温真くんは泣きもしないで強がってると言うか。」

 
 私は頭を金づちで思いっきり殴られたようなショックで、信じられない気持ちでいっぱいだった。


 まだ年長で、最近やっと外で子供たちだけで遊びに行くようになったばかりで、コンビニなんて

 私もほとんど行かなし、もちろん子供たちもほとんど行ったりしてないのに。


 でも警察が手にしていたペットボトルのジュースとハイチュウが、

 この子たちが万引きしたものだということは事実だった。


 すぐに警察官と一緒に子供たちを連れ、コンビニに謝罪に行った。

 一緒に万引きした友達の兄弟とそのお母さんも謝りに来ていた。

 
 自分の子がコンビニで万引きをしたという事実とそのショックで、

 私は泣きじゃくり取り乱しながらも、ぐしゃぐしゃになった顔で

 何度も何度も、申し訳ありませんでしたと頭を下げ、お店の人に謝罪した。


 お友達のお母さんにも、「もしうちの子が誘ったのだったらすみません・・・」と謝った。


 「主犯格」・・・恐ろしい言葉。

 万引きは犯罪なのはわかっている。


 でも温真はまだそこまで物事を理解できていない。

 温真が常習犯というのは違うと思う。温真はコンビニに行ったのは、今回が初めてだと言った。


 まだよく理解できていなくても、お金を払わずに物を盗むのは悪いことだということは二人ともわかっている。

 二人をきつく叱り、何度も何度も言い聞かせた。

 二度と絶対に、こんなことをしてはいけない。

 
  
 今までの私の育児は、生き方は、間違っていたのだ。

 この時私は自分を、子供を、全てを否定してしまう気持ちに陥った。



 

事件の発端

2014年01月25日 | 現在の日記
 
 それまでは仕事が遅く、保育園に迎えに行くのはいつもラストの夜7時ぎりぎりだった。


 でも去年の夏から私の仕事が変わり早く終わるようになったため、保育園にも早い時間に迎えに行くようになっていた。

 子供たちと一緒に過ごす時間を増やしたいという気持ちからだった。

 3時半~4時頃帰宅すると温真と優月は、私が夕飯の支度をしている間、団地の敷地内にある小さな広場で遊ぶようになった。

 去年の秋頃からだ。

 今まで私がそばについていない状態で遊びに行くということが一度もなく、最初は心配で、部屋のベランダから下で遊ぶ

 二人の様子を数分おきに何度も見ていた。

 大きい声で呼べば聞こえる場所なので、危ないことをしたり、そろそろ帰ってきて欲しい時にはベランダから声を掛けた。

 こうして少し私の手元から離れて遊べるようになり、二人は喜んで毎日下の広場で遊んでいた。


 それが今年のお正月休みのことだったか。


 1キロ弱ほどの距離の団地に温真と同じ保育園に通う同級生がおり、その子がうちの団地の下の広場に遊びに来ていたらしく、

 温真と優月も一緒に遊んでいるうちに、結構離れた場所のその子の団地の広場に一緒に行くことになったらしく、

 私の知らない間に、子供たちだけで、離れた場所まで自転車で行っていたのだった。

 なかなか帰ってこないし、下の広場を見に行っても姿はなく、慌ててその友達の所の広場まで見に行くと、その道の途中で

 家に帰ってこようとしていた温真と優月を見つけた。

 ほっとしたが、もうそっちの団地の広場に行ってはいけないと、きつく言い聞かせた。

 そしてまたいつものように毎日下の広場で遊ぶと言って出て行き、夕方になると帰ってきていたので安心していたが、

 あれほどうちの団地の広場から出てはいけないと言ったのに、また内緒で友達の方の広場に行っていたことがわかった。

 嘘をついてまでそういうことをするということの方がいけないような気がして、充分に車に気を付けること、行く時はどこに

 行くかちゃんと言うことを約束させ、友達の団地に行くことを許してしまった。

 その翌日の土曜日、事件が起きた。


出した答え

2013年12月06日 | 現在の日記
 
 私が4歳くらいの時、母が父親の暴力が原因で家出して以来、母とは一緒に住んだことはない。

 私が大人になるまでは、母に会える機会も少なかった。

 母は水商売でお金を稼ぎ、母の親や姉の所にお金をたくさん仕送りしてくれていた。


 母はお金があれば幸せになれるという考えの人。

 そしてお金のためならたいていのことは割り切れるタイプの人。


 母の今回の私の結婚計画はこうだった。

 Uはああいう性格だから人から嫌われるということは分かっているし、

 くだらないおしゃべりや行動ばかりでうっとおしいということも最初から分かっている。

 でも特に重大な害はなくて思い通りになる人なので、とりあえず籍入れなさいと。  

 地方公務員だから給料やボーナスもいいし、3年後には退職金も入る。

 年金もたくさんもらえるからと。

 籍を入れればこっちのもんだから、Oからカードを取り返せる。

 子供のために我慢して上手いことやりなさい、と。

 近くに住むんだから、出来るだけのことは手伝うから、そしてどうしても我慢できなくなったら

 別居する金なんかすぐ貯まるんやから、と。

 このままでは退職金までもがOに全部取られてしまうんだから、と。


 要するに母はUさんの金を利用しようとしてるんだよな。

 そんな金、いらんし。


 結婚どうのこうの関係なしに、誰がどう考えたっておかしいその状況なんだから、

 法的な手段使ってでもUが自分でカード取り返したらいいだろう?

 私には関係ない。


 一緒の家に住み生活し、精神的に安らげる時があるのだろうか、ぐっすり眠れるのだろうか。

 Uと結婚したら私きっと、ノイローゼになる、と思った。

 毎日ストレス抱えて生きてる母親を見ながら、温真と優月は健全に育つはずがない。

 子供たちが安心して幸せに暮らすには、お金よりも母親の笑顔が不可欠だと思う。

 
 私はよくよく考え、決意して母に電話して、Uと結婚することはできないと言った。

 母はどうにか私を説得しようと色々言ったが、私は聞き入れなかった。

 
 お金のために好きでもない、むしろ嫌いな人と結婚なんかできない。

 そんな結婚が子供のためになるとはとうてい思えない。

 Uを利用するような、結婚を利用するような、不誠実な、

 そして自分の気持ちに嘘をついてまでそんなズルイ生き方して、子供に見せれるのか?

 子供に対して恥ずかしい生き方だけはしたくない。


 私は頭も悪く、何の取り柄もなく、子供たちに裕福な生活もさせてやれないけど、

 今のままでも子供たちがいつも楽しそうに笑っていてくれる、愛情をいっぱい注いでいく自信はある。

 子供たちと3人で生きてきた今日までに築いてきた、親子3人の信頼関係にも自信がある。


 今回はとても悩み、沖縄のユタの先生に相談した。

 そして決定的な一言をもらった。


 「子供たちは今のままで充分満足していますよ。」と。

 
 

我慢さえすれば

2013年12月06日 | 現在の日記


 その後もUさんからは、毎日メールがきた。

 「寒いから風邪ひかないようにね」と毎日。

 電話もしょっちゅうかかってきた。

 出ると「元気~?」と言った後は話すことがなく、沈黙になることが多い。

 特にしゃべることもないのにしょっちゅう電話してくるので、私はあえて出ないことが多くなった。

 すると、メールで「電話ください お願い」と来た。

 渋々電話すると、やっぱり用事も特に話すこともなく、いつも同じ内容のくだらないどうでもいい話ばかり。

 Uさんは「声聞きたかったから、ごめんね。」と言ったが、正直うっとおしいだけだった。

 そして「音琉ちゃん、すき。音琉ちゃんは?言ってくれんの?」と言われ、

 仕方なく「すきだよ。」と答えた。

 Uさんは「ごめんね、変なこと言って。」と言った。


 母が言うにはこの人は、言えば言うこと聞くし、うまくおだててやればホイホイ言うこと聞くらしいが、

 私には違うと感じた。

 この人は自分がしたいまま行動をするだろう、「ごめんね」と言いながら。

 今は電話やメールやちょっと食事する程度の中での行動なので、大したことはないが、

 結婚して一緒に生活する中では、私にとって迷惑なことや嫌なことも、きっと「ごめんね」と言いながらやるんだろうな、

 と思った。

 
 Uさんは「大人になりきれてない」と言えば聞こえはいいが、ハッキリ言えば3歳児並みの精神年齢しかない

 ように思う。

 自分の話を聞いて欲しい、こうして欲しいああして欲しい、誉めて欲しい、かまって欲しい・・・


 本当の優しさや思いやりも分からない人のように思う。

 この人の言う「すき」は薄っぺらいものにしか感じないし、本当の愛も知らないだろう。


 でもUさんはそんなにお金遣いが荒いとか、借金してまで遊ぶとかはまずないだろう。

 浮気とか暴力もないだろう。

 相手に何も望まなければ、金銭面で、当面生活は安定して送ることができるだろうと思う。

 結婚して夫婦生活・・・求められた時、嫌でも我慢すれば。

 毎日うるさくツバ飛ばしてしゃべってくるのも、我慢してそこそこ相手してあげれば。

 好きじゃなくても、割り切って子供のために我慢して結婚すれば。

 今まで一人で頑張ってきた私だから、今更、この人が心の支えになれるような人でなくても、大丈夫だろう。

 母が言うように、それが子供のためになる。

 子供のためにちょっと我慢すればいいだけ。

 
 ・・・そう自分に何とか言い聞かせようとした。

 

ドロドロ

2013年11月29日 | 現在の日記

 Uさんは8年ほど前に、2度目の離婚をしている。

 その時の相手は娘1人を持つ中国人女性で、結婚生活の後半では、

 奥さんは新しい男を作ったり、あちこちでUさん名義のカード買い物や借金を作りまくって、

 しまいには男と逃げて行ったという。


 その時にできた借金はすぐにきれいに完済したらしい。

 
 問題はその後だ。


 以前Uさんと同じ会社に勤めていて、現在は定年し退職している70代男性Oという人がいる。

 Uさんの父親が亡くなる前、OはUさんの父の舎弟だったそうだ。

 お父さん亡き後、Oは仕事上でUさんの面倒を見てきたらしく、確かに世話にはなっていたらしい。

 そしてUさんがそのような状況で離婚した後、Oは、そうやって借金作ったりお金を使い過ぎるからと

 よくわからない理由を付けて、半ば脅しをかけてUさんからキャッシュカードを取り上げてしまったそうだ。

 そして給料が入るとUさんには生活費10万程だけ渡して、あとのお金はOが好きに使っているという。

 年に100万程あるらしいボーナスもUさんの手には渡らず、全てOが持って行ってしまっているらしい。

 
 そんな生活がもう8年も続いているというが、UさんはOが恐くてただ黙って従っているという。

 
 母は、私がUさんと籍を入れれば、それを理由にカードを取り返すことができる、

 先に籍を入れないことには、Oに話しても返さないばかりかUさんを脅して結婚させないだろう、

 このままでは、3年後の退職金まで持って行かれる、入籍しないと話は始まらないと言っている。


 何だよ、このドロドロは・・・。

 確かにUさん可哀相だけどさ・・・お金って恐いな。


 私が結婚することで、Uさんも救われるわけか。

 私も金銭面では助かるっていうことで、この結婚はちょうどいいわけか。


 何か自分の考えもわからなくなってくる。

 以前の私なら、即座に結論を出していただろう。

 「そんな結婚は絶対にできません。絶対に嫌です。」と。


 でも今は真剣に迷っている自分がいる。損得勘定している自分がいる。

 ・・・自分が恐ろしくも感じる。