ナチュロパス(自然医学医師)は自然医学と近代医学を統合し、患者さまに最適な医療を施す医師のことです。

このサイトは患者さんに情報を提供するために作られたものでサプリメントを販売したりしません。病状に関する質問等は最寄のナチュロパス、自然医学医師に連絡してください。もしナチュロパス、自然医学医師が見つからない場合は、英語を話せる方は、アメリカ自然医学医師協会（American Association of Naturopathic Physician）か、カナダ自然医学博士協会（Canadian Association of Naturopathic Doctors）、もしくは日本語で北米ナチュロパス協会まで連絡してください。 　 　

注意：アメリカ自然医学協会（American Naturopathic Medical Association）は医師としての教育を受けていない、あくまでもコンサルタント、相談にのるだけの通信教育医学博士でも会員になれる協会です。

このサイトは数名のナチュロパス、自然医学医師と正式に認定された自然医科大学の学生によって運営されています。このウェブサイトは常時更新されているわけではないので、間違いがありましたらＥメールで連絡してください。

ナチュロパスに治療を受けるときの注意

日本でナチュロパスに治療を受ける場合、どこの国で、どこの大学を卒業、国家試験を受けているか、いないか、経歴などを確認する必要があります。日本で治療を受ける場合、どのナチュロパスに限らず、必ず日本で医療行為のできる免許を持っているかどうかを確認してください。もし何かあった場合、免許を持っていないナチュロパスだと責任逃避され被害を受けます。北アメリカで教育を受けているナチュロパス、自然医学医師ならば、正式に認められている自然医科大学の5校のうちどれからか卒業しているはずです。そして自然医学医師なら自分の立場をわきまえているので、もし日本で医療行為をするのであれば、日本で医療行為のできる免許を持っているか、持っていなければあくまで相談、コンサルタントの立場で仕事をしているか、もしくは、医療行為のできる免許を持ったほかの医師や鍼灸師などとチームを組んでその医師や鍼灸師の免許で治療を行うということをしていると思います。もし何かあった場合は、チームを組んでいる医師や鍼灸師が責任をとる形になっています。通信教育自然医学博士のナチュロパスに治療を受ける場合も免許の確認をしてください。アメリカとカナダではあくまで相談、コンサルタントとしての通信教育しか受けていないので、治療を受けることは薦めません。自然医学療法士のナチュロパスの場合も免許の確認をしてください。ストレスの解消などアロマセラピィーを使っての治療などはいいかもしれませんが、やはり医師との統合治療を薦めます。

医師への質問は大切なので必ずすることを薦めます。医師はあくまでも患者さんをサポートする立場にありますから、いつでもわからないことはすぐに質問し、説明を受けるようにしてください。ナチュロパスの治療法に関してもわからないことや、疑わしいことに対しては進んでたずねるべきです。事細かな病状は医師に任せても検査結果などは、質問して自分の健康状態を少しでも理解することが大切です。

ナチュロパス、自然医学医師の原則 （アメリカ自然医学医師協会の原則参考）

自然治癒力　（The Healing Power of Nature):自然医学は体の持っている本来の自然治癒力を向上させるために、それを妨げているものを取り除き、体の回復を促進させます。

原因を解明し治療する　（Identify and Treat the Cause）:自然医学医師は、単に症状を治療するだけでなく、病気の原因を追究し、それを治療することを第一とします。

まず害をもたらさないこと　（First Do No Harm）:自然医学医師は３つの原則を基に患者さんに害を与えないようにします。
１．患者さんに害をもたらす可能性のある治療法、もしくは副作用をもたらす薬の使用を最小限にします。
２．可能な限り、副作用を避けるため薬などでの症状の抑制は避けます。
３．患者さんの治癒の過程を診察し状況を把握した上で過剰な診断、治療を避けます。

医師は教育者でもある　（Doctor as Teacher）:自然医学医師は患者さんに自分の体のことをよく知ってもらうために、患者さんがわかるように症状、原因を説明する立場でもあります。

すべての面から人を全体的に治療する　（Treat the Whole Person）:自然医学医師は身体、心、感情、遺伝、環境、社会、その他の要因も含め、すべての面から患者さんを全体的に治療します。トータル・ヘルスというのは、精神的なケアーも含んでおり、自然医学医師は患者さんの精神面での癒しもサポートします。

予防医学　（Prevention）:自然医学医師は病気の要因、遺伝などの病因を調べ、適切な治療をします。そして、病気の予防に心がけています。

ウェルネス、最善の健康状態を保つ　（Wellness）:ウェルネスは、最善の健康とバランスを保ち、養うことによって得られます。ウェルネスとは最善の健康状態を保つことで、前向きな考え方、行動を意味します。そして、患者さんがいかなる病状であっても、体、心、精神の中にあるものです。患者さんがウェルネスに気づいたとき病気をただ治療するよりも病状の回復が進みます。

自然医学医師はこれらの哲学を常に日々の臨床の場において用いることを心がけています。

自然医学の歴史

自然医学はナチュロパシーと呼ばれ19世紀の終わりに普及しました。その起源は確かではないですが、昔の中国、イタリア、ギリシャ、アメリカインディアンの療法からと思われています。アメリカでは、19世紀の終わり、ベネディクト・ルスト氏（１８７２－１９４５）によって1902年、ニューヨーク市に初めて自然医科大学が設立されたことに始まります。ルスト氏は水治療法で有名だったセバスチャン・ニープ神父に師事し、大学では水治療法、ハーブ医学療法、栄養学療法、物理療法、心理学、ホメオパシーなどを勉強しました。20世紀の始めには自然医科大学は22校にも増えましたが、20世紀の半ばに、抗生物質の発見、近代医学、テクノロジーの発展、そしてアメリカ医学協会（American Medical Association）が代替医療、自然医学の普及を手助けしなかったため、ほとんどの自然医科大学と自然医学部が閉鎖されました。1970年に入って再び自然医学に興味が集まり、現在では、いろいろな資格、免許、認定証をもったナチュロパスがアメリカに生まれています。

アメリカとカナダでの自然医学医師と通信教育自然医学博士の違い

アメリカでは医師の資格の与えられているナチュロパスの称号はND（ナチュロパシック・ドクター）ですが、自然医学医師のことをナチュロパシック・フィジシャン（Naturopathic Physician）と呼んでいます。なぜかというと通信教育などでNDという称号を得るナチュロパスがいるからです。アメリカでは博士、ドクター（Doctor）という称号に関しては自分たちで団体を作り、その団体が認定証を発行する場合があるのです。通信教育自然医学博士はあくまで患者さんに対して生活習慣の改善の相談やコンサルタントをするだけです。アメリカで検診、診断、治療をすることができるのはMD（メディカルドクター）, DO（オステオパスの医師）, DC（カイロプラクター）, NP（ナースプラクティショナー）, PA（フィジシャンズ・アシスタント）, そしてNDですが、それはNaturopathic Physician（ナチュロパシック・フィジシャン）自然医学医師だけです。通信教育ナチュロパスは臨床経験がなく、アメリカ自然医学協会*（American Naturopathic Medical Association）という団体だけで通用する独自の自然医学博士という認定証（Certification）を得て、免許もなくドクターという称号を使っています。臨床経験も免許もなくドクターといって患者さんからお金をとり治療するのは医療行為を免許なくするということでアメリカでは法律に反します。

カナダでは医師の資格を与えられているナチュロパスのことを通信教育自然医学博士と同じくナチュロパシック・ドクター（Naturopathic Doctor）と呼ばざる得ない立場にあります。フィジシャン（Physician）、医師という意味の単語は現在カナダでは、メディカルドクター（MD）しか使えないということになっているからです。カナダでも通信教育ナチュロパスが自然医学博士といっているので気をつけることを薦めます。カナダでは正式な自然医学博士はカナダ自然医学博士協会**に所属しています。

*上記のアメリカ自然医学協会は、アメリカ自然医学医師協会（American Association of Naturopathic Physicians）とは異なります。アメリカ自然医学医師協会は医師の資格を持った人、もしくは、正式に認められている5つの自然医科大学の学生しか正会員にはなれません。

**カナダにはカナダ自然医学博士協会（Canadian Association of Naturopathic Doctors）という正式な自然医学医師の団体があります。

　自然医学療法士（ナチュラル・セラピィスト）とは、オーストラリアとドイツで認められている資格で、ドイツではハイルプラクティショナーとして医師同等の資格が与えられます。オーストラリアではあくまでもセラピスト、療法士として資格が与えられていて、医師免許も取ることはできません。アロマセラピィー、ハーブ療法、などを学んでいます。ドイツでは、ホメオパシー、水治療法なども学ぶようです。

３種類のナチュロパス//自然医学医師と通信教育自然医学博士と自然医学療法士の違い

自然医学医師：アメリカ、カナダで4年か5年制の医学部大学院に入り、医学博士課程を修了した後、国家試験を受け、医師免許を取得することができます。

通信教育自然医学博士：通信教育でその団体が認めている博士号を取得することができます。国家試験はなく、免許は与えられません。

自然医学療法士：4年制の学士過程でオーストラリアではナチュラル・セラピストとしての資格を得られます。ドイツでは3年制の大学を卒業した後、国家試験を受け、ハイルプラクティショナーとしての資格が得られます。ハイルプラクティショナーは、ドイツでは医師と同等の治療ができる資格を与えられています。

その他、欧米では教育も受けず、資格も免許も取らず、ただナチュロパスに師事して自分はナチュロパスだという人もいるので気をつけてください。

ナチュロパス、自然医学医師とは？

ナチュロパスとは？　自然医学（ナチュロパシー）を学び、その知識と経験に基づいて治療する人のことを言います。ナチュロパスにはいろいろな種類の資格、免許、認定証があります。自然医学医師（ナチュロパシック・フィジシャン）、自然医学博士（ナチュロパシック・ドクター）、自然医学療法士（ナチュラル・セラピスト）などすべてが今は同じナチュロパスと呼ばれています。このサイトはナチュロパス、自然医学医師の情報提供のサイトです。ナチュロパスの違いについては次の項目を読んでください。

ナチュロパス、自然医学医師はアメリカ１３州、カナダでは４州で医師としての資格が与えられており、通信教育などで取得するナチュロパスとは異なります。州によっては一般家庭医、ファミリードクターとして、保険も適用できます。他の国でも大学の教育、医師としての資格が得られる国と医療行為が施せない国があります。ナチュロパス、自然医学医師は4年もしくは5年の大学院レベルでの自然医科大学の医学部を卒業し、国家試験（Naturopathic Physicians Licensing Exam）に合格して初めて自然医学医師としての免許が取得できます。

ナチュロパス、自然医学医師は自然医学哲学に基づき、症状の抑制だけでなく、病因を追及、治療し、患者さんの症状のみに限らず精神状態など総合的に治療を行います。また、予防医学に力を入れ、患者さんに生活習慣の改善を助け、常に患者さんの体、心、精神のケアー、そして、病気について、教育することを心がけています。自然医学医師は、人間が元来もっている自然治癒力を促進させ、医師が病気を治すのではなく患者さんが病気を治すのを手助けする立場で治療を行います。自然医学医師は他の医療も奨励し、自然医学で治療できない場合は、ただちに他の医療機関へ紹介し、他の医療機関と共同で総合治療を行います。

水療法

先日、２００７年７月２７から２９日までワラス医師による水根本治療(Constitutinal hydrotherapy)のクラスがバスティアー大学で行われた。これから水療法についてもっと詳しくここに掲載したいと思う。

自然医科大学の紹介

自然医学大学の紹介を次回したいと思います。
1. Bastyr University (Kenmore, Washinton, USA)
2. National College of Naturopathic Medicine (Portland, Oregon, USA)
3. Southwest College of Naturopathic Medicine (Tempe, Arizona, USA)
4. University of Bridgeport-College of Naturopathic Medicine (Bridgeport, Connecticut, USA)
5. Canadian College of Naturopathic Medicine (Toronto, Ontario, Canada)
6. Boucher Institute of Naturopathic Medicine (New Westminister, British Columbia, Canada)

連絡先

現在、日本人のための北米ナチュロパス協会は三人の理事によって運営されています。

理事　　高倉昌宏　自然医学医師　mtakakura@bastyr.edu
理事　　笹川雅英　自然医学医師
理事　　小沢英二　自然医学医師

連絡は高倉医師の方にお願いいたします。