魅惑のお習字教室
読み聞かせるには少し長めですが、いや、もう、とにかく面白いんです。
舞台は、やぎのヤギマロ先生が一人で開いているお習字教室。
実はこのヤギマロ先生には、生徒たちには絶対ナイショのヒミツがありまして…
そこから珍事件が始まります。
初めて読んだ時の衝撃は、忘れられません。
当時すでに私は40歳になっていましたが、我が子に読み聞かせながら、
「いいなぁ… 私もお習字、やってみたい!」と、心から思ったのです。
ヤギマロ先生の教室で、サルのサルハチ君の隣で、背すじのばして
「ひ ひ ひ ひ」
たっぷり墨を吸わせた筆で、書いてみたい!
数年後。私は、この願いを実現させることに成功しました。
まずは我が子を、お習字教室に通わせることにしたのです。
二番目の子はなかなか字を覚えなかったのですが、先輩ママからの
「お習字で、大きく書くと、すぐに覚えるよ」というアドバイスを思い出しました。
そして…二番目がすっかりお習字教室に慣れた頃、恐る恐る私も
「入門」を願い出たのでした。ヤギマロ先生よりも、ずっとお若い女の先生でした。
「し し し し…」
筆で字を書くのは、本当に楽しいです!
(…でも、どうして学校のお習字の時間には、そう思えなかったんでしょうね?)
すみません。念のため申し上げておきますと、この作品は別に「書道のすばらしさ」を謳っているわけでも、作者が「書道の普及」を狙っているわけでもありません(おそらく)。
それでもめちゃくちゃ面白くって、
にぎやかで楽しいお習字教室の世界に引き込まれ、
お習字をしたくなーる… したくなーる…
今すぐ大福を食べたくなーる… 食べたくなーる…
たかどのほうこの傑作、お楽しみください。