思い出したくないことなど

成人向き。二十歳未満の閲覧禁止。家庭の事情でクラスメイトの女子の家に居候することになった僕の性的いじめ体験。

おば様とY美

2015-01-28 10:15:44 | 9.いじめられる僕
 浴槽の縁に腰かけたおば様がタイル張りの壁によりかかって大きく股を開いた。僕は湯舟の中で膝を立て、おば様の女性である部分に顔を埋める。肉の襞を舌でかき分け、ゆっくり外縁をなぞりながら、少しずつ奥へ進める。全ては、おば様に教え込まれた作法だった。上部先端の襞が重なってやや小高くなったところを舌で軽く撫で、外皮を一枚めくるようにして、そっと触れるか触れないように舌を這わせる。おば様の喜悦の声が浴室に響く。いっそう強く髪の毛を引っ張られた僕は、おば様のぬるぬるしたところに口を密着させたまま息を吸い、吐く。陰毛のせいで鼻の下がくすぐったい。
 太腿で耳の上辺をぐいぐいと締めつける。おば様の体の中で性的な快感が急激に広がりつつあるようだった。外縁をなぞる舌が上端の少し硬い部分を通過する度に周回したことを告げるかのようにアクセントを付ける。そのアクセントを少しずつ強くすると、おば様の感極まる声とともに締め付ける太腿の振動が激しくなる。舌を奥へ伸ばしてゆく。鼻のてっぺんが襞の折り重なって硬くなった部分に重なり、互いの器官が変形する。おば様に頭髪を引っ張られ、なおかつ太腿に顔を挟まれているので、僕の首から上は完全に固定され、自由に動かせるのは口だけだった。僕は舌を懸命に這わせた。
 導かれた手がおば様の乳房を揉んでいた。人差し指の腹の部分で乳首をこする。断続的だった喜悦の声が長くなって、髪の毛を掴んでいたおば様の手の力が緩んだ。浴室の壁に頭頂部を当てるようにして、おば様が上体を反らせる。乳房が張って、人差し指が乳首に弾かれる。おば様の股間の位置から目を動かすと、ぬめぬめした肌と乳房の谷間からおば様の喉仏のない首が見えた。
 浴槽から出たおば様が僕の胸からお腹、おちんちんにローションを塗る。たっぷりと擦り込むように塗られている間、僕はじっと我慢して直立不動の姿勢を保たなければならない。塗り終えたおば様がタイル張りの上に仰向けになった。ついさっきもベッドでしたことを浴室でもう一度味わおうとするらしい。僕はもう相当に疲労していたけれど、おば様の命令に逆らうことはできない。言われた通りおば様の体に自分の体をなすりつけ、マッサージに専念する。おば様の腕や足を股間に挟んで両手で抱えながら、ゆっくりと胸やおちんちんを滑らせていく。その時、腕の時には指先を、足の時には足の指先を舐めるのが決まりだった。これをおば様が満足するまで繰り返さなければならない。結構な重労働であり、腰と膝が痛くなる。
 休む間もなく、おば様が次の命令を下す。今度は仰向けになったおば様の体に自分の体を重ねる奉仕だった。身長が1メートル43センチしかない僕の手首を取ったおば様が僕を下からゆっくりと引っ張る。ローションにまみれた僕の裸体がおば様の体の上をねっちりと移動してゆく。おば様と顔の位置が同じになると、僕の口にぴったりと口を付け、舌を押し込む。その後は肩を押して僕を元に位置に下げる。スタートの位置の時、僕の目の前には、おば様の狭い範囲に密集した陰毛があった。指をおば様のぬるぬるしたところにに置き、ピースサインの時にように指を開いて襞を外側いっぱいに広げて、女陰の周りにゆっくりと舌を這わせる。しばらくするとおば様が僕の手首を取る。
 ボディシャンプーを垂らしたおば様の体の上をぬるぬると移動するのは、僕の性的な刺激を著しく刺激した。陰毛からお臍、ぬめりを帯びた乳首が窓から差し込む明るい光に晒されて、皮膚から受ける快感を倍増させる。おば様への奉仕は、文字通り奉仕であり、僕自身は性的な快楽を感じることなく、ひたすらおば様の求めに応じて肉体を酷使することがほとんどだけれど、このローションによるおば様の体の上の移動は、例外的に性的な快楽を刺激される奉仕だった。いつのまにか、おちんちんが大きくなってしまう。
 奉仕の最中、おちんちんが大きくなるのをおば様は必ずしも喜ばなくなっていた。奉仕をさせられるようになった始めの頃は、その作法を早く身につけることに役立つと思ったのか、僕自身が性的な快感を覚えることに寛容だったけれど、今ではそうではない。ましてや奉仕がおざなりにもかかわらず、おちんちんが硬くなっていたりすると、叱責だけでは済まなかった。場合によっては直ちに奉仕を中断させ、お尻叩きの刑やおちんちんの袋打ちの刑に僕を処すことがあった。お尻は、スチール製のブックエンドで叩かれる。十発が普通だけれど、おば様の機嫌が悪い時は二十発になることもあった。でも、おちんちんの袋打ちの刑がもたらす痛みは、この比ではなかった。おば様は、四つん這いにさせた僕の両足の間に長い定規を差し入れ、打つ。知り合いの泌尿器科に教わった力加減だから心配いらない、とおば様は前置きするのだけれど、そんな言葉はなんの慰めにもならなくて、僕は毎回激痛に悲鳴を上げてのたうち回った。おば様は正直に「この痛さはよく分らない」と漏らし、痛みに涙を流す僕を見下ろして、「大袈裟ねえ。たった一発じゃないの。女には分らないと思って誇張したら駄目よ」と、Y美やS子たちと同じようなことを言うのだった。おば様におちんちんを打つ時の力の加減を教えたという泌尿器科の医者はエンコの母親だった。エンコにおちんちんが勃起する注射を無理矢理打たれたことがあったけれど、その薬剤は、エンコが母親の病室から持ち出したものだった。
 また、ローション塗れになっておば様の体の上を引っ張られている時は、もう一つ、絶対に気をつけなければならないことがあった。全く僕にその気がなくても、大きくなったおちんちんが膣に当たって吸い込まれそうになることがある。
 寝室のベットで仰向けに寝たおば様の開いた足の間に正座して、襞と裂け目のところへ陰毛をかき分けながら舌を押し当てている時だった。二日ほど射精の許可がなかったことと、おば様がこの少し前に奉仕の途中にもかかわらず、珍しくおちんちんを口に入れてくれたことが原因で、おちんちんが硬くなって一向に収まりそうもなかった。おば様が仰向けの姿勢のまま不意に僕の手を取って、自分の顔の方へ引き寄せた。それがすごくゆっくりだったので、勃起したおちんちんが膣に当たり、もう少しで入りそうになった。
「あ、今何か当たった」
 ぴくんと体をのけ反らせ、おば様が言った。さっきまでの夢うつつの声ではなく、はっきりとした言い方だった。僕は挿入するという行為がどんなことなのか、その一端を実際に感じることができたような興奮に上気しながら、「はい。おちんちんが当たったみたいです」と答えた。
 次の瞬間、僕はベッドから投げ落とされていた。
 どんなに性的な興奮を覚えても、挿入はご法度だった。おば様は僕に性行為の相手を求めているのではない。ましてや、おば様と僕の関係は、昔で言うところの主人と奴隷のようなもの。おちんちんを中に入れるなど、もってのほかだった。
 この時に受けた罰は、忘れられない。心の底から激怒したおば様は冷たい目をして、普段よりも声のトーンが低かった。殺されるかもしれない。恐怖で全身が震えた。僕は命じられるまま、四つん這いになってお尻を高く上げた。おば様が注射器のようなものを取り出して、お尻の穴からぬるま湯を注ぎ込んだ。二度、三度注がれ、お腹が膨らむ。激しい便意に耐えながら、反省の弁を述べさせられた後、庭に放り出され、おば様の見ている前でうんちをさせられた。その後、庭のホースでお尻を中心に洗われ、盥に張った水に顔を押し込まれた。さんざん苦しませると、次は僕を起立させ、おちんちんの袋をぎゅっと握る。恐怖と痛みで声が出ない僕は膝をがくがく震わせておば様を見つめた。おば様が「もし私の中におちんちんを入れるようなことがあったら、あなたのおちんちんを切り取り、女の子として生きてもらう」と、きっぱり宣言した。
「知り合いに外科医がいるのよ。おちんちんを切り取るから。あなたのお母さんには、悪い病気にかかったから切り取ることにしたって伝える。もちろん手術に掛かる費用はあなたのお母さんに出してもらう。どうせ払えないでしょうから私が立て替えるけどね。ますます借金が増えて、あなたのお母さん、あの若い男だらけの独身寮から抜け出せなくなるわね。洗濯、清掃、、食事の他に、もう一つ仕事が増えるのよ。精力の有り余った独身男たちを相手にね」
 おちんちんの袋を掴んだ手が持ち上がる。僕はつま先立ちして激痛に涙をこぼす。おば様が僕を睨む時の目は、Y美にそっくりだった。やはりY美はおば様の娘なんだな、と思った瞬間、おば様が握ったおちんちんの袋を横に振ってから放した。僕は芝生を転がり、庭石にしたたか腰を打った。すぐに姿勢を正し、土下座をする。空が暗くなり、雨が降ってきた。僕は後手に縛られて素っ裸のまま、家の外に連れ出された。雨はたちまちのうちに豪雨になった。畑の先の空き地まで来ると、おば様は、山桃の木の枝に僕を縛った縄尻をくくり付けた。「しばらく反省してなさい」と言い残して、おば様は立ち去ってしまった。豪雨は少しも弱まらず、足元は泥濘になった。通行人のうち、少なくない数の人が山桃の下で縛られている全裸の僕に気づいたけれど、近隣の人たちばかりだったから、どうせ僕がおば様からお仕置きを受けているのだろうくらいにしか思わず、「また悪さしたんだね」「可哀そうにね。あんまりあの人を怒らせるもんじゃないよ」などとおちんちんを丸出しの格好を恥ずかしがる僕に声を掛けながら、じろじろと眺めるのだった。結局、僕は夜中までそこに放置された。
 とにかく、こんなことがあったものだから、奉仕中におちんちんが大きくなってしまった時には十分に用心しなければならなかったし、できれば元の状態に戻した方が良かった。それでも、やはりローションまみれになっておば様の柔らかい体の上を滑るのは非常な性的快感をもたらすもので、感じてはいけないと思いつつも我知らず喘いでしまう。幸いこの日のおば様は上機嫌で、硬くなったおちんちんを指でぴんぴんと弾いた。
「偉いわねえ、我慢してるんだもんね」
 半身を起したおば様が僕を浴室のタイルの上に仰向けに寝かせると、後ろ向きになって僕の顔に腰を下ろした。
「舐めて。お尻も舐めて。ご褒美をあげるから」
 全身の肌をもちもちした状態にして随喜しながら、上ずった声を出すおば様の命ずるまま、僕は懸命に舌を這わせた。勃起して奉仕が手抜きになったと思われないよう、唾液を出して舌でおば様の肛門も舐め、舌の先っぽで肛門を捩じ開ける試みさえした。おば様の腰がひくひくと上下に揺れ、短くて高い、甘えるような声を断続的に出した。
「上手ね。ご褒美よ」
 ぬるっとしたものがおちんちんに被さった。おば様がおちんちんを吸い、舌でそっとおちんちんの内側をなぞった。おば様の口の中は真空状態のようだった。おちんちんの根元を持ったおば様の指が精液の流れる管を狭めている。僕は、切ないような苦しみと快楽の波に浸されて、射精を激しく求めるように舌を動かした。声をしっかり出すことのできない口に代わって、舌がおば様の肛門を舐め、指の腹が蜜にまみれた襞を揉みしだく。射精寸前になると、おば様はおちんちんから口を離した。
「いきたいの? でも、駄目」
 腰を突き上げて悶える僕は、おば様の貝のような形のぬるぬるした湿地帯に口を塞がれて言葉にならない声を漏らすばかりだった。おちんちんの敏感な亀の部分におば様が唇を付ける。息を吹きかけ、もう一度咥える。今後こそ射精してしまう。おば様の口の中に出してしまう。声を出して悶えるのだけれど、おば様は絶妙なタイミングでおちんちんから口を離した。精液を出す直前で突き放されるおちんちんがぴくぴくと震える。じわじわと湧き出る精液でおちんちんの先端がぬるぬるしていることをおば様が言う。僕はおば様のお尻の穴を舐めて、肛門の内側をも唾液に浸した。
 体の位置をずらし、「もっとよ、もっと激しく」という指示を出すおば様の、上下左右に揺れる動きがいっそう激しくなって、もはや自分がどこを舐めているのか分らなくなる。おば様にして見れば、僕の舌でというよりは、僕の唇や鼻に敏感な部分を直接擦りつけることの方がまどろっこしくなくて良いのかもしれない。もうじわじわと快感を味わう段階は過ぎたのだった。絶頂に向かう最後の直線道路に入って加速するのみ、ということで、僕の主な仕事は顔の位置をなるべく動かさず、舌をひらひらさせて置くことだった。おば様の喘ぎ声が一本の線になって波打ち、お風呂場に響いた。
 ぐっと僕の顔に股間を押しつけた状態で静止し、間を置いて脱力した。「この格好でやるのは、しんどいね」と、照れ笑いのようものを浮かべて僕の顔から股間を離す。
「あなたの身長がもう少しあれば、背中を丸めなくても顔に跨ったままおちんちんを口に含むことができるのに」
「ごめんなさい」
「謝らなくていいのよ」
 起こした上半身を片手で体を支えるおば様が僕のつま先から頭までをゆっくりと目で追っていた。仰向けに寝ているお尻と背中に当たるタイルのつなぎ目が妙に居心地悪く感じられる。大きな梨の形をした乳房に性的な欲望を刺激されるものの、その先端の乳首は眼差しさながらの力をもって、欲情する僕を冷静に見つめているようだった。おば様の身長がもっと低ければ楽に咥えることができまね、という返答が一瞬浮かんだけれど、すぐに打ち消した。おば様が僕の首の下に手を入れて上体を起こした。
 いきなり口に口を付けてきた。力ずくで押し開かれた口の中におば様の舌がちょろちょろと入ってくる。まるで僕の口の中も自分の領土だと主張するかのように、舌が押し寄せてくる。これに対抗する筈の僕の舌は、あっけなくおば様のそれに一方的に組み敷かれ、丸められ、喉の奥に追い払われた。しばらく我が物顔に口の中をかき回していたおば様の舌は、そのうちに退屈したのか、喉の奥に縮こまっている僕の舌を引き摺り出して、嬲り始めた。
 奉仕の時に細かく指導するだけあって、おば様は驚くほど巧みに舌を動かした。まるで舌の先端が二手に分かれてそれぞれに独立して動いているようだった。僕の、おば様に言わせれば動きの硬い舌は、いとも簡単に動きを封じられ、舌の表面におば様の舌の裏側がぴったり重ねられた。その状態でおば様が舌を小刻みに震わせる。更にその舌が喉の奥へ伸びたかと思うと、口蓋をなぞる。それも、僕の舌を押さえつけてのことだった。いっぱいに開けさせられた口の中へ、おば様が自分の唾液を注ぎ込んでいる。僕の身動きできない舌の上に落とされた唾液がぬるぬると奥へ伝って行き、ついに喉へ落ちる。後ろ髪を掴まれていて頭を動かすこともできない僕は、おば様にされるがままだった。おば様が溜まった唾を僕の舌に垂らす。大量の生暖かい唾液を口の中に注ぎ込まれる。
 唾液を注ぎながら、おば様の手がおちんちんに伸びた。口の中をかき回された衝撃でおちんちんは普通の状態に戻っていたけれど、指で作った輪っかに扱かれて、すぐに硬くなる。おば様の舌が僕の舌を捻じ曲げ、口蓋に押さえつけた。僕の舌の根元へおば様が唾液を注ぐ。舌の先が舌の根元の部分をいじる。おちんちんを指で弄ばれる快感が舌にも伝わってくるような錯覚を覚え、僕は喉の奥から呻き声を漏らした。手がおちんちんの袋を撫で、お尻の穴に指先が当たる。
「すごく膨らんでるね。いきたいの?」
 口を離して、それでも唇と唇が触れ合った状態でおば様が問いかける。語を発する度に唇が僕の唇の上で動く。まるで唇が唇を撫で回しているようだった。じんじんとおちんちんの袋から広がる快楽の波に浸って、おちんちんが異常な熱を帯びるのが分かる。快楽の波がせり上がって乳首を過ぎると首から口の中にまで波が入り込んで、唾液を垂らされた舌にまで及ぶ。指先でお尻の穴をツンツンされ、そこからもじわりと得体の知れない電流が流れた。僕は思わず声を上げてしまい、おば様に女の子みたいだと笑われる。
 いきたいです、と心の底からお願いするのは、またしても手の動きが途中で止まってしまい、突き放されることの恐怖を思ってのことだった。おば様の手の動きがゆっくりになった。もう片方の手でおちんちんの根元をきゅっと締めているようでもあるけれど、おば様の肩に顎を乗せている僕は、おば様の手がどんな風におちんちんに絡み付いているのか、確認できない。ただ、もう限界に近い状態であり、頭の中まで痺れているので、例え実際に見たとしても何がどうなっているのか理解できなかっただろう。射精が許されぬ苦しみとその欲求を断つことを許されぬ苦しみ。僕をのたうち回らせる気持ち良さは、この二つの苦しみに板挟みになっていることから生じる倒錯的なものだった。気が付けば「お願いです、お願いです」と、連呼している。耳元におば様が息を吹きかけた。おば様の乳首が僕の胸に密着する。
「今日は随分頑張ったね。いっぱい我慢したね」
 頬におば様の唇が軽く触れた。甘い痺れのようなものが皮膚の表面から深いところに届き、じわじわと広がってくる。おば様が四つん這いになって、僕の乳首をぺろりと舐めたかと思うと、いきなりおちんちんを咥えた。もう散々じらされ、悶えてきたこともあって、すぐにおちんちんが熱くなり、おちんちんの全神経が性的な刺激を受けて内側からどんどん膨らんだ。お尻が撫でられる。脇の下から腰に向かって体の側面をおば様の手のひらが滑っていく。おちんちんが口の中で嬲られ、吸われる。もう限界だった。爆発する。「無理。もう我慢できない」と言うや否や、どくどくと精液が精管を通った。時間の動きがものすごくゆっくりになる。精管がぴくりと動く度に射精の最初の瞬間の快感が十全に再現され、いささかも衰えることがない。頭の中で何かが真っ白に発光したようだった。
 最後の一滴まで出し切っても、おば様はしばらくおちんちんから口を離さなかった。口に含んだまま、僕の顔をじっと見ていた。悶絶の時、射精の瞬間、おちんちんから精液を出し続けている間などの僕の表情をおば様はつぶさに観察したようだった。おば様の極力感情を排したような冷徹な目で凝視されたことを思うと、急に恥ずかしさが込み上げてくる。顔が火照った僕を、おば様はなおもしつこく見つめた。
 ねばねばする液体から物を引っ張り出したような音がした。おば様がおちんちんから口を離したのだった。おば様の口がいきなり僕の口に被さってきた。そのまま後ろに倒され、お風呂場のタイルが背中に当たる。まず舌が入ってきて、僕の舌を押さえつけた。精液がおば様から僕へ口移しされる。ぬるりとした液体だった。これまでY美に何度も飲まされてきたけれど、この時ばかりは今までにない恐怖を覚えた。どろりとした液体がゆっくりと、しっかりと抑えつけられ、抵抗できない僕の喉の奥へ注ぎ込まれる。体が拒絶するかのように噎せてしまうと、鼻をつままれ、涙目になりながらごくりと飲み込む。
「勝手に人の口の中で射精しちゃ駄目じゃないの」
 精液を口移しされた時の姿勢のまま、ぼんやりと天井の汚れを見つめる僕におば様の叱声が響いた。おば様はシャワーで口を漱いだ。おば様は、おちんちんをどのように咥えて、舌をどのように使うと気持ち良くなるのか、知り尽くしているように思われた。おば様は昔、誰かに徹底的に教え込まれたのだろうか。おば様の体には時々ロープの跡があるのに僕は気づいていた。
 脱衣所では、おば様が僕の体をタオルで拭いてくれた。おば様は体にバスタオルを巻き付けている。その後、寝室に移ったけれど、僕はタオル一枚も与えられず、相変わらず素っ裸のままだった。その格好のまま、ベッドや床に脱ぎ散らかしたおば様のネグリジェと下着をせっせと拾い集める。
 Y美は朝早くからS子たちと町へ出掛けていた。僕は午前中からおば様の寝室に呼ばれた。おば様の性的な欲求は、僕が全裸で生活させられるようになってからずっと亢進気味だった。Y美が外出すると、待ち兼ねていたかのように僕を呼びつけ、自分の性的な欲求を満たす様々な奉仕をさせる。この日は、朝のうちに二度ほど絶頂を迎えられた。その後、お風呂場に連れて行かれ、再び肉欲に火の付いたおば様の相手をさせられたのだった。
 おば様がレースのカーテンを引いたガラス戸の前ではらりとバスタオルを落とした。陰影に富んだ裸体が窓に射す明るい日差しの中に見える。僕はおば様の足元のバスタオルを拾い、いつでもおば様が手に取れるように差し出した。これもおば様に教え込まれた奉仕の作法の一つだった。
「もう終わったのよ。そんなにじろじろ見ないで」
 せっせとパンツを穿きながらおば様がやんわりとたしなめる。さっきまで自分と同じ丸裸であったおば様が次々と衣類を身に付けるのを、僕は取り残された気持ちで見つめていた。僕も服を着たい。この気持ちが湧き上がるのは、僕の頭の中に一つの約束があったからだった。今朝、奉仕をする前におば様がしてくれたものだ。しっかり満足させることができたら服を着させてくれる、という約束だった。忘れてしまったのだろうか。おば様は僕の手からバスタオルを取ってタオル掛けに掛けると、僕にさっさとリビングに行くように命令した。
「あの・・・」
「何よ」
 仕事用のスーツをまとったおば様が姿見で身嗜みを確認している。姿見に映ったおば様の後ろには、おちんちんを手で隠す素っ裸の僕がいた。
「服、着させてくれるって・・・」
「ああ、服ね」
 姿見に顎を突き出し、口紅を引きながらおば様が生返事をする。
「服、着たいです」
 聞き入れてもらえるか、もらえないのかの瀬戸際にあるようなお願いごとをする時はいつでもそうだけれど、とても緊張して、うまく話すことができない。
「ねえ、私さっきなんて言った?」
 突然、おば様の語調が変わり、姿見から僕へ向きを変えた。視線が直接に僕の一糸まとわぬ体をねめつける。仕事モードに入った時のきりっとした強い目だった。
「リビングに行けって・・・」
「だったら早く行きなさいよ」
 それだけ言うと、おば様は姿見へ向き直った。下手に機嫌を損ねたら約束を反古にされる。ごめんなさい、と詫びて頭を下げ、急いでリビングに向かった。
 あれだけはっきり言ってくれた約束だから、おば様は守ってくれるのではないかという期待を僕は捨てることができなかった。学期の最終日に川沿いの遊歩道でY美に服を全部脱がされてから、ずっと素っ裸のままだった。もう二週間以上、布切れ一枚まとっていない。でも、もしかすると今日で全裸生活から解放されるかもしれない。そう願いながらリビングの定められたシートの上で正座して待機していると、出掛ける準備を整えたおば様がリビングに入ってきた。冷蔵庫から麦茶を出してコップに注ぎ、飲む。
「あの、服は?」
「ないわよ、そんなもの」
「だって、約束では・・・」
「何言ってんの。あなたはここでは裸が決まりでしょ」
「そんな・・・」
「いつも裸のくせに。裸でいるのがよっぽどいやなのね」
 ちらっとこちらを見るおば様の眉間の辺りになんとも言えない不機嫌な感情が漂っていた。もう頭の中は仕事のことで一杯なのかもしれなかった。
「たまには外にも行きたいし」
「だから夜とかはお散歩に連れてってあげてるじゃないの。それじゃ足りないの?」
 この家の中で全裸生活を強いられるようになってから、僕は郵便受けに新聞を取りに行く時、来客時の応対をする時、トイレ小屋で用を足す時以外は、日中において外に出ることがなかった。学期最後の日から数日は、素っ裸のまま野外にいることが多かったので、僕の肌はかなり日焼けてしまい、おば様から、あまり日に当たらないように指示された。その甲斐あって、僕の肌は急速に白さを取り戻しつつあった。体のあちこちにあった擦り傷もほとんど見えないくらいに小さくなり、すっかり消えてしまったものもある。おば様は「常に素っ裸だから、いつでも肌の状態をチェックできる。便利ね」と言って、僕の肌が日々元の状態に戻りつつあるのを喜んだ。しかし一方で運動不足を心配してくれて、週に二回くらいのペースで夜中に僕を農道歩きに連れていくのだった。もちろん素っ裸のままで靴も与えられない。農道歩きにはおば様が必ず付き添ってくれたけれど、Yが同行することもあった。
「まあ裸でいなさいよ。私ね、あなたの裸を見るのが好きなの」
 希望が音を立てて崩れる。せめてパンツ一枚でも穿かせて欲しい、と願うものの、
「パンツはY美が管理してるから私は知らない。Y美に頼みなさいよ」
 と、にべもなかった。そして、おば様が僕一人を置いて外出する時はいつもそうするように、僕を玄関から外へ出し、庭のトイレ小屋に僕を閉じ込めると、外から施錠した。
 夕方になってY美が帰宅した。和式便器が一つあるだけの狭い空間にお昼頃から閉じ込められ、隅っこで膝を組んで座っていた僕は、うつらうつらして、そのうちに眠ってしまった。天井近くの格子から光が鋭い角度で射し込み、眩しくて目を細める僕を見て、Y美が「今起きたの? のんきでいいね」と、くすくす笑いながら言った。
 家に入ると開口一番、Y美が「今日は何回精液を出したの?」と訊ねてきた。射精した場合は正直に申告することが少し前から義務付けられていた。許可無しのオナニーは厳禁だった。精液の量でばれるから嘘はつけない。僕は正直に一回出したと答えた。おば様の口の中で出したのだけれど、そのことは伏せ、たまたまテレビのドラマで女優のシャワーシーンを見ておちんちんが反応してしまったのをおば様に見られ、おば様の目の前でオナニーをさせられた、ということにした。Y美は溜息をつき、あからさまに面白くないというような顔をした。
「あの女、私にはあんまり射精させるなって言うくせに」
 おば様が自分の性的な欲望を満たすために僕に奉仕させていることは、Y美には絶対に内緒にしておかなければならなかった。ばれたら誰よりもY美自身が傷つき、怒り心頭に発するだろうし、おば様も母としての面目が保てなくなる。その結果、他ならぬ僕自身がY美とおば様の双方から恨まれ、罰を受けることは明白だった。このような事情で絶対にY美に知られないように、Y美の執拗な質問責めに対して作り話で答えなければならないのだけれど、素っ裸のまま公道を歩かされている僕について、Y美が往来の人から質問を受ける度にすらすらと口から出任せの嘘でその理由を答えた時と比べると、僕の話は、滑らかさ、自然さにおいてY美のそれに数等劣ることは認めざるを得なかった。Y美の苛々する様子がちくちくと僕の剥き出しの肌に伝わってくる。
「もういい。お母さんが帰ってきたら詳しく聞くから。お前、頭悪いだろ? 話が下手過ぎなんだよ。それより、お前、しばらく射精しなくていいから」
 承知しました、ということを伝えるために僕はY美に向かって正座をし、深々と頭を下げる。
 翌日、勉強机に向かうY美の足元で、Y美と一緒に夏休みの宿題を片付けていると、Y美が足でおちんちんをいじってきた。僕は、素っ裸の無防備な体を疎ましく思いながら、腰をひねってY美の足を逸らそうとする。抵抗はしかし、許されなかった。たちまちもう片方の足でお尻を叩かれた。段々気持ち良くなってきておちんちんが硬くなる。Y美が僕に起立を命じる。両手は頭の後ろで組まされる。Y美がピンと大きくなったおちんちんを手でいじり始めた。呼吸が荒くなり、精液が出そうになる。Y美の目からいたずらをしている時の無邪気な感じが消える。おちんちんの膨らみ加減から射精の瞬間をじっと見定めようとする真剣な眼差しには、おちんちんのどんなにかすかな形状変化も決して見逃すまいとする強い集中力が漲っていた。そして、まさに射精させられると思う瞬間、Y美は手を放すのだった。
「駄目だよ。射精させるつもりはないからね」
 居丈高な調子でY美が言った。用を足す時以外に僕がおちんちんに触れることも禁止にされる。しかしパンツは当分穿かせるつもりはないらしい。僕は、やはりこれから先も素っ裸でいるしかないようだった。硬化したおちんちんを晒したままもじもじする僕に、服が着れるなどという変な希望は持たない方がいいとY美が忠告した。
 夕方近くになって、S子とルコとN川さんが遊びに来た。トランプをするから参加するように言われ、二階の自分に割り当てられた部屋から居間に下りる。S子たちは僕が相変わらず素っ裸で生活させられていることに感心したようだった。「もう慣れたでしょ」「かわいい動物みたいね」と、冷やかしの声が浴びせられる。Y美が「いつも丸出しでいろんな人に見られているから、すごくいい感じになってきたんだよ」と言って、僕に気をつけの姿勢をさせると、みんなの前でおちんちんの皮を剥いた。至近距離から観察され、いじられ、たちまちおちんちんが硬くなってしまう。次には四つん這いにさせられ、自らの手でお尻の穴を開いて見せるように言われる。ここにいる女の人たちにはすでに何度も射精させられ、肛門に異物を入れられてうんちが出るところまで見られているのだけれど、やはりおちんちんやお尻の穴を彼女たちの息が感じられるくらいの近くでまじまじと観察されるのは恥ずかしい。「ほんとになんか、奇麗になってきたような気がする」「このお尻は男も喜ぶんじゃないの」と言って、女の人たちがきゃっきゃっと騒ぐ。面白半分におちんちんを扱かれ、性的な快楽に悶えさせられたけれど、先刻のY美の宣言通り、射精に到る途中で中止にされる。
 そもそもY美はトランプの要員として僕を招いたのだから、Y美の意向を汲んで、S子たちもトランプをしている間は、僕に対し、もちろん僕は素っ裸のままだったけれど、参加者の一人として普通に接してくれた。但し、勝ち負けに関係なく僕は毎回トランプを配らされることになった。一人一人の膝元までトランプを届けなければY美が承知しないので、立膝をして一枚ずつ配る。女の人たちは、無防備に揺れるおちんちんにちらちらと、あるいはじっと視線を向けた。
 手で隠してはいけない、というY美の命令に何度か僕が背いたとして、罰を受けることになった。僕自身はおちんちんを隠した覚えはなかった。じりじりと責められる羞恥の苦しみに耐えておちんちんから手を遠ざけていたつもりではあったけれど、トランプで遊んでいる時に手が何度がおちんちんの前に来て、明らかに女の人たちの視線を妨げることを目的とするかのように停止していた、とS子とN川さんが指摘し、ルコもこれに同意したので、Y美は「私は気づかなかったけど、あんたらがそう言うなら間違いないだろうね」と、僕に罰を与える考えを示した。
「許してください。いやです」
 反射的に逃げようとしたのは、S子がリュックからロープを取り出したのを見たからだった。しかし、すぐに取り押さえられ、両手両足が縛られた。両手首を縛った縄尻が鴨居に括り付けられる。後ろを見ると、両の足首を揃えて縛ったロープをS子が食卓の足に固定しているのが見えた。Y美が自分の部屋から毛筆を何本か持って下りてきた。
「これでおちんちんを大きくさせてみて」
 毛筆を一本、N川さんに渡してY美が勧めた。N川さんは無言で頷き、筆先をおちんちんに当てた。ぴったりと閉じた太腿の間におちんちんの袋を収めていたのだけれど、N川さんの手でお尻の側から押し出されてしまった。女の人たちの興味本位で性的な快楽に悶えさせられる屈辱にもかかわらず、おちんちんが段々に硬くなってくる。おちんちんの袋からおちんちんにかけてゆっくりと毛筆が這った。
 硬くしたおちんちんを隠すこともできずに立たされている僕を抜きにして、女の人たちはトランプを再開した。Y美の発案によって、負けた人は次のゲームの間、ずっと筆なり手なりを使って、おちんちんを勃起状態にさせておかなければならないことになった。勃起状態を保つためには射精は厳禁だった。射精させてしまった場合、その人は三千円の罰金が科せられる。我慢できずに射精をしてしまった僕に対しては、「どうしようか? たっぷり牛乳浣腸するのは?」とS子が提案し、Y美の一存で採用されることになった。
 最大におちんちんを硬くした状態にさせられ、放置される。体じゅうが熱く、肩を上下させるほどに呼吸が荒くなった。N川さんによると、僕の全身の肌は汗でぬらぬらしているらしい。性的な刺激を否応なく与えられて喘ぎ、甘美な苦痛に悶える僕は、自分が女の人たちにじっと観察されていることを感じている。女の人たちは、ぱんぱんに膨らんだおちんちんだけに視線を注いでいるのではなかった。喘ぎ声を上げてしまう僕の表情にも同じくらい観察する視線が集まっている。下手に喜ばせまいとして、声を出さないように歯を食いしばるのだけれども、乳首、首筋、背中からお尻にかけて筆がゆったりと、思いもかけぬタイミングで走ると、我知らず声を上げてしまう。すると、女の人たちは筆を這わせる人に「うまいね」と賛辞を贈る。
 勃起状態にさせておくだけで良いのだから、すでに十分に硬くなったおちんちんには殊更に刺激は必要ないのに、トランプで負けて勃起状態維持の役を負った人は、自分の番以外は、ほとんど僕に付きっきりで筆や時には指を使って刺激を与え続けた。まるで、少しでも間を空けるとすぐにおちんちんが元の状態に戻ってしまうと恐れているかのようであった。だけど、ここにいる女の人たちは今日初めて僕を性的に弄んでいる訳ではない。硬くなったおちんちんがそんな直ぐには小さくならないことは、僕への性的ないじめを通して経験的に知っている筈だった。
 S子が負けて筆を受け渡された時、その嬲り方があまり執拗だったので、僕は何度も射精寸前まで追い込まれた。亀頭の先がぬるぬるして、ぽたりと糸を引いて垂れた一筋が内股に付着した。Y美は、僕の足元がねばねばした液で濡れていることに気づき、「なんで家を汚すかな、お前は」と罵って、お尻を蹴った。その際Y美の太腿がにおちんちんの袋にも当たった。僕は激痛に悲鳴を上げ、涙を流して痛みに震えた。
 トランプがようやく終わったのは、夜の七時過ぎだった。もうこれで理不尽な激しい性感責めから解放されるものと安堵したのもつかの間だった。S子が鞄から注射器を出して、「結局使わなかったな、せっかく持ってきたのに」とぼやいた。
「そうだね。せっかく持ってきたのにね。ちょっとだけやってみようか」
 とY美が言い、S子とルコとN川さんは、僕を浣腸して、うんちを出すのを見届けてから帰ることになった。
「そんな。約束が違います」
 抗議する僕をY美はあっさりと無視して、ルコとN川さんに手伝わせて浣腸の準備を進める。これではなんのために射精しないように踏ん張ってきたのか、分からない。ロープをほどかれた僕は、抵抗むなしく、すぐに大柄なS子に羽交い絞めにされてしまい、ロープで縛られている時といささかも変わらず、体の動きを封じられた。
「やめて。こんなの酷いです」
 どうしても浣腸されたくない一心で訴えても、Y美は全く聞き入れてくれない。むしろ僕の抵抗を喜ぶかのような様子なので、「もうすぐおば様が帰ってきますよ」と注意を促すと、果たしてY美の手はぴたりと止まるのだった。
「別に関係ないよ。お母さんの帰りは十一時過ぎになると思うけど」
 不敵な笑みを浮かべてY美が囁くと、いきなりおちんちんを下から袋ごとぎゅっと掴んだ。そのまま手が上がり、僕は爪先立ちをする。Y美の握る手に力が入り、僕は両足を震わせて痛みに耐える。
「お前さあ、お母さんがいたら助けてもらおうとか考えてるんじゃないの?」
 冷たい目で見据えられ、痛みと恐怖に言葉が出ない。僕はぶるぶると顔を震わせて首を横に振った。Y美がおちんちんを握ったまま、手を左右にゆっくり揺する。
「ごめんなさい。許してください」
 背後からS子にがっちりと押さえ込まれているので、全く体の自由が利かない。Y美がおちんちんから手を離してくれるのをひたすら祈るばかりだった。
「お母さんはさ、お前のことなんかどうでもいいんだよ」
 さらに力が加わる。おちんちんの袋が締め付けられ、下腹部の方からキンキンと鋭い痛みが伝わってくる。声が掠れてうまく言葉にならない。おちんちんの締め付けから解放してもらうために、僕は何度も「浣腸してください」と言わされた。その声が女の人たち全員にはっきり聞き取れたことが認められると、やっとY美はおちんちんから手を離した。同時にS子が羽交い絞めを解き、僕は脱力してその場に膝を落とした。
 腹這いに倒された僕の上にS子が跨って、ルコとN川さんには手足をしっかりと固められた。Y美が僕の顔に素足を乗せ、体重をかけながら、S子に注射器の使い方を確認している。N川さんから牛乳を受け取ったY美は、「人んちの冷蔵庫を勝手に開けないでよ。あんたんとこのように誰でも出入りできる家とは違うんだよ」と怒りを露わにし、僕の横顔を更に激しく圧した。N川さんの、いかにもしゅんとなって謝る小さな声が聞こえる。僕がおば様のことに触れたせいで、Y美は機嫌を損じたようだった。ルコから青いビニールの手袋をひったくるように受け取り、一つをS子に渡す。
 逆らったら何をされるか分からない恐怖は、僕に一切を諦めさせた。Y美の苛々は相当だった。僕はY美に背中を叩かれ、四つん這いの姿勢を取らされた。お尻を上げなさい、と叱咤される。庭に面したガラス戸にはまだカーテンが閉められていない。蛍光灯が白っぽい光で明るく部屋を満たしている。それに対して、ガラス戸から見える庭は暗い。柵の向こうに四つ角を照らす街灯が見えた。
「ひくひく動いてるよ。呼吸してるみたい」
 ビニール手袋を付けた指でお尻の穴を広げながらS子が言った。
「浣腸してもらいたいんだろうね、ほんとは」
 牛乳の入った注射器をN川さんから受け取りながら、Y美が返す。冷たい異物がお尻の穴に入ってくる。「いやだ、やめて」と反射的に叫び、もぞもぞと押さえ付けられた体を揺するけれど、すぐにS子に「静かにしろっての」と怒鳴られ、お尻を叩かれる。N川さんが僕の乳首を揉んだり首を撫でたりして、「気持ち良くなるでしょ。我慢しようよ」と泣いているのだか笑っているのだか分からないような声を出して僕をなだめる。どくどくと冷たい液体が僕の直腸に入ってきた。呻き声が漏れると、女の人たちは、「やっぱり気持ちいいんだ」と言って笑う。お腹が重たくなって、ごろごろと鳴るような感じがする。
 家のトイレは使わせない、庭のトイレ小屋でさせるのもつまらない、ということで、僕は家の外に素っ裸のまま出されることになった。七時半を回っていたから、もう辺りは薄暗かったけれど、門扉から一歩外にでると、そこは往来であり、ヘッドライトを付けた車がしばしば通行した。それよりも多かったのが家路を急ぐ歩行者だった。僕を素っ裸のまま外出させることは、例の全裸バス乗車事件以来、おば様が強く戒めてきた筈なのに、Y美はこの外出禁止の言いつけを不必要に日焼けさせないためのものと都合良く解釈し、日没後の今はその心配は無用だからと、僕を平気で往来へ素っ裸のまま連れ出すのだった。おば様の言いつけが世間体をはばかったものであることを、僕としては今一度Y美に正しく理解してもらいたいと思ったけれど、まずY美が納得することはないだろうし、そんなことを進言しようものなら、火に油を注ぐようなものだから、とても辛いことではあるけれど、素っ裸で裸足のまま公道を歩かされる恥辱にも黙って耐えるしかなかった。それに僕としても、急激に襲ってきた便意に苦しめられて、人目につかずにうんちができる場所に一刻も早く着きたかった。
 門扉を出て、左方向に進む。女の人たちが僕の前後でガードしてくれたおかけで、車からはあまり見られることはなかったけれども、歩道上ですれ違う人たちからは、隠れようがなかった。ロープで縛られてはいなかったから、手でおちんちんを覆うことはできた。それでも女の人たちに囲まれて歩く僕が素っ裸であることは一目瞭然であり、そのことで高校生やおばさんおじさんから、好奇の視線と質問がどっさり浴びせられた。その都度、Y美とS子が応対し、適当に誤魔化してくれたけれども、それは僕の羞恥心をいささかも和らげるものではなかった。また、通り過ぎる人の中には、全裸で歩かされる僕を面白がって、いたずらに体を触ったり、おちんちんを無理矢理見ようとして隠している手を払ったりする者も少なくなかった。
 以前に僕がおば様の膣内におちんちんを入れそうになった罰として縛られて放置された山桃の木のある空き地を通り過ぎると、宗教法人であるみなみ川教の建物が不気味な雰囲気を湛えて静まり返っていた。
 片手でおちんちんを隠し、もう一方の手で重たいお腹を摩りながら歩いてきたけれど、もう便意は限界に近かった。全身から脂汗をどっと噴き出る。僕は、早くこのみなみ川教の敷地から離れたかった。僕の精液を搾り取るのが大好きなヘルパーのIさんが今にも門から出てきそうで怖かった。この先には田んぼがあり、用水路には水が流れている。もう少し我慢すれば、そこでうんちをさせてもらえるような気がした。
 あとちょっとで田んぼ沿いの暗い道に入ろうとするところで、後ろから声を掛けられた。その聞き覚えのある声は、僕を絶望の淵に落とした。ヘルパーのIさんにとうとう見つかってしまった。
 何してるのか、と問われ、Y美が事情を説明する。すると、Iさんは朗らかに笑って、こう言った。
「それなら、うちでしていいよ。みんなに見せてやるから」
 この悪魔のような申し出にY美は僕を射精させないことを条件に応じた。みなみ川教の建物が集まる敷地に後戻りし、僕はS子に背中を押されて門をくぐった。敷地内には集会所、寺院、信者が共同で暮らす二階建ての長屋がぎっしりと外周を固め、中庭の真ん中には池があった。直径が二メートル足らずの丸い小さな池だった。素っ裸のまま敷地に引っ張り込まれた僕を見て立ち話を中断した信者たちにIさんが声を掛ける。信者たちは集会所へ小走りで向かった。池に向かってうんちをさせてもらえるのかと思った僕は、池を前にして四つん這いの姿勢を強制された。Iさんに背中を踵で蹴られ、もっとお尻を高く上げなさい、と怒鳴られる。目の前に池があって、水面に寺院の明かりが揺れていた。
 夕闇の迫る庭の向こうから老人の信者が二人、キャスター付きの巨大なライトを押してきた。僕の後ろから強烈か光が当てられた。儀式で使うという眩しい白い光だった。昼間以上にお尻の穴の皺まで見える、とY美たちの話している声が聞こえた。
 池にさせてください、とお願いする僕にIさんは「この池は別に神聖ではないからしてもいいんだけど、みんなが見づらいから」と言って受け付けなかった。僕は肛門にありったけの力を込めて耐えていたけれど、どこまで我慢してもトイレでさせてもらえる見込みはなかった。スポットライトの熱をお尻に感じながら、僕はとうとう直腸から迫る個体の圧力に屈した。
 みんなの前ですっかりうんちを出しきった僕の耳に、その瞬間を目撃したというルコとN川さんの感想を述べ合う声が耳に入ってきた。Iさんが池に入ってお尻を洗うように命じた。池の水が爪先に触れた途端、僕はその冷たさにすぐに足を引っ込めた。まるで氷水のような冷たさだった。Y美に池に落とされて、冷たさにがくがく震えながらお尻の穴を指でこすって汚れを取る。小さい割に僕の足が届かない深さのあるこの池は、鉄製の蓋に覆われた水路につながっていて、水がどんどん流れる仕組みだった。
 池から上がった僕はライトを運んできた老人から、今さっき自分の出した排泄物を砂にまぶせて池に落とすように言われる。老人が一輪車を傾けると、砂がどさっと落ちて地面に小高い山を作った。強制的にうんちをさせられた悔しさに涙を流しながら自分が出してしまったうんちを砂に混ぜていると、集会所のドアが観音開きになって、中からぞくぞくと人が出てきた。Iさんが先頭に立って僕のいる方へ案内している。みなみ川教の信者はほとんどが老人なのに、若い女の人や男の人も交じっていた。今しがた高校生たちとの交流会が終わったところだという。高校生はライトを浴びながら、砂まみれになってうんちを片付ける素っ裸の僕を見て目を丸くした。一通り事情を説明した後、Iさんは、みなみ川教の教義だとして、高校生たちを相手に語り始めた。
 僕のような小柄で発育の遅れた中学一年生の男の子の体から出る精液には命を新たにする力があり、感じる力、共感する力を倍増させる効果があるという。さらに語を継いで、僕から精液を搾り取りたいのだけれど、権利者の許可が得られないので、うんちを出す時に放出される得るエネルギーも皆さんに感じ取ってもらいたい、と言い、Y美に浣腸する許可を求めた。Y美は答える代りにS子に目配せして注射器を取り出させると、それをIさんに渡した。僕は信じられない思いで周囲を見回した。高校生たちは真剣だった。僕はY美に助けを求めた。Y美は膝を曲げると、僕の耳に口を寄せた。
「私もよく分からないけど、ここは我慢して浣腸させてあげなよ。ここの人たちとはお母さんも良好な関係を維持したいって言ってるし、信者さんたちを喜ばせたら、お母さんも感謝されるんだよ」
「いやです。もう浣腸は許してください」
「泣いたって無理だよ。諦めて浣腸されてよ。お願いだから」
 そう言うとY美は僕から離れた。入れ替わりに信者の老人と高校生の男の人たちが来て、僕の体を四つん這いにして押さえつけた。悲鳴を上げて助けを求める僕はお尻をいやというほど叩かれた。今度は牛乳ではなく何か得体の知れない液体だった。ライトの白い光の中、お尻が複数の手によって開かれ、管がお尻の穴に入れられた。S子の注射器は使われなかった。Iさんがポンプを押すと、生温かい液体がお腹の中に入ってきた。
 体温のような温度の液体をたっぷり注ぎこまれた僕は、うんちを我慢させられたまま立たされ、高校生たちに向かって自己紹介をするように強要された。強烈なライトが僕の一糸まとわぬ体に当たる。おちんちんを隠すことは許されず、気をつけの姿勢を強制された。こんな格好のまま便意に苦しみながら、自分がどこの誰かであることを言わされるのは辛い。Iさんは僕が口ごもっているのは単に自己紹介のやり方を知らないからだと思ったようで、あろうことか僕に自己紹介の代わりとなるような質問をぶつけてきた。有無を言わせぬ強い調子で名前、年齢、学校名とクラス、住所、身長、体重などを次々と白状させられる。答えをはぐらかすことは許されなかった。
 君のことは知っているよ、裸でバスに乗ってきた子でしょ、と銀縁の眼鏡をかけた小柄な男子生徒が僕に話しかけた。たちまち周囲がざわついた。女子高生の一人が「この子がバスに乗った噂の裸んぼちゃんなんだ」と、作ったような甲高い声で僕を冷やかす。
「じゃ、次の質問。趣味は?」
 軽く握った拳をマイクに見立て、僕の口元に寄せる。Iさんは高校生たちが僕への関心を高めたことに気を良くしたようで、テレビのインタビュアーを気取って周囲の人たちの笑いを誘った。趣味を問われても何も思い浮かばない。とにかく僕はうんちを我慢するので精一杯だった。このままでは立ったままうんちを漏らしてしまう。後ろからY美が「お前の趣味はみんなに裸を見られることでしょ」と囁いた。そう答えるように睨みつけて命令する。Iさんが再度、趣味を問う質問をした。
「みんなに裸を見られることです」
 恥ずかしさも便意の苦しみの前では霞み、思い切って口にしたのだけれど、ぼそっとした声になってしまい、聞こえないからもう一度言うように催促された。僕は目をつぶって、強制された答えを繰り返した。みんながどっと笑った。
「見られるだけじゃなくて、裸でいじめられることも好きみたいねえ」
 軽蔑するような眼差しでIさんがそう言うと、僕の体の向きを変え、皆にお尻が見えるようにした。しゃがむように背中を叩かれた時、横からY美が僕の下腹部を押した。「やめて」と鋭く叫んだけど遅かった。しゃがむ途中でうんちを漏らしてしまった。


10 コメント

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Unknown (赤シャツ)
2015-01-28 21:21:28
更新ありがとうございます。
しかも長編ですね。
これからゆっくり読ませていただきます。
ありがとうございました。
Unknown (湘南)
2015-01-28 21:43:46
最初に比べてY美のナオスさんに対するイジメが酷くなっているみたいですね!ナオスさんは、夏休みの前日から真っ裸にされて一度もパンツも履かせてもらえないみたいですが、夏休み中ずっと真っ裸なのかな?果たして海水浴編は、Y美や他の女の子達は、水着姿でナオスさんだけ真っ裸で海水浴に参加させられるのかな?
Unknown (Unknown)
2015-01-28 23:03:10
更新待ってました!
おば様……エロいな

>身長が1メートル43センチ
今更ですが、本当にナオスきゅんはショタですね
同級生からは「かわいい」と言われてるシーンがあったり、
股間を隠すと女子に見えなくもないと言われてたり…
ショタと通り越して低身長の男の娘なのかと思うと……(ハァハァ
Unknown (Unknown)
2015-01-29 01:45:21
Y美とおば様の行為がエスカレートしてますね!
お互いナオスさんに対する扱いの違いがあるみたいですが、どちらにしても辛い体験ですね!


Unknown (湘南)
2015-01-29 02:55:44
ナオスさんは、小学校からY美にイジメられていたのですね。あの身体検査の時、騙されてパンツ一枚で教室から保健室に連れてかれて。ナオスさんの服を隠したのも椅子に接着剤を付けたのもY美が、やったのだと思います。居候してから更にイジメが酷くなっているのは、確かですね。
Unknown (Unknown)
2015-02-08 01:05:09
そーいや、Y美のナオスに対する感情はどうなんだろ
ドSのショタコンで、ツンデレなのか、
それとも純粋にいじめの対象にしか見ていないのか
Y美の本名? (湘南)
2015-02-10 22:03:03
Y美の本名は、由美?和美?ですか?あとY美とは、小・中学からずっと同じクラスだったのですか?それにしてもY美のナオスさんに対する苛めは、普通では、考えられません。
いつもありがとうございます (naosu)
2015-02-28 19:08:51
赤シャツさま
湘南さま
その他のみなさま

コメント、ありがとうございます。
続けてがんばります。

Y美は複雑な性格で、ナオスにもよくわかりません。
ただ、怖い存在です。

Unknown (M.B.O)
2015-03-01 23:52:30
作中でY美が怖い存在なのはわかりますけど…
それでも、Y美は美人なんですよね…どの話の中でもあまりY美の外見にケチをつけてませんし…若気の至りとはいえパンツ嗅いじゃってますしね!


Unknown (湘南)
2016-01-24 22:15:45
Y美の家での生活て戸塚ヨットスクールの何倍も恐ろしい場所なのではないでしょうか。だとすればナオス君も打撲や内出血などあるはずですよね。Y美の関係者が戸塚ヨットスクールの職員では、ないでしょうか。あの「スパルタの海」という戸塚ヨットスクールの生活よりもY美の家の生活の方がスパルタだったりして。

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