葛餅 くずもち
葛餅に蜜多すぎることはなし 永井東門居
いただき物の葛餅、亀戸天神そばの老舗船橋屋の名品を賞味することが出来た。
歳時記に載っているか訝しがって開いたら、上の句があった。
句としては即物的な感じもするが、自前の句擬きを出さずに済んだ。
因みに葛餅は夏の季語と言うことだ。
ただし歳時記の説明では、葛粉を水で練って作るとあったが、疑問に思って同封されていた船橋屋の説明書を見ると原料は小麦粉と明記されていた。
それに依ると、厳選された小麦粉を水で練り、グルテンを丁寧に除去した上で樽に450日寝かせて発酵さて蒸し上げると言う。手間のかかった代物だ。更に黒蜜は沖縄の黒糖を使った秘伝の黒蜜とか。
前回の蜜豆と共に子供の頃を思い出す。
80年ほどの昔の話だが、親に連れられてデパートの買い物に付き合い、食堂で一休みとなると、蜜豆や葛餅が定番だった。
亀戸天神は言うまでも無く、学問の神様、平安時代の学者菅原道真が天神さんと崇められている。