ゲストはスイスからお越しのご夫妻。ご主人のアーンストさんは82歳、奥様のエリカさんは80歳。とても80代とは思えない元気なご夫妻だった。アーンストさんは元エンジニアで、仕事では何回も日本に来られたことがあるそうだ。エリカさんは学校の先生をなさっていたが、途中で紙の芸術家に転身された。
地下鉄とバスで金閣寺に行った。お二人の母国語はスイス・ドイツ語。アーンストさんの英語が理解できない時は、エリカさんが私にわかるように言い換えてくださる。アーンストさんは写真がお上手で、たくさん写されていた。
エリカさんがこの美しい景色を見つけてくれた。ガイドのポイントはだいたい決まっていて、天候やゲストの様子で全部説明したり、減らしたりする。ガイドポイント以外は見ていない自分に気づかせてくれた。
この瓦の紋章もエリカさんが見つけてくれた。五七桐は、秀吉だけが使ったと思っていた。五七桐は、元々天皇家が功を上げた臣下に賜与したもので、足利家ももらったそうだ。ゲストのおかげでまた一つ知識が増えた。
また、バスに乗って北野天満宮に行った。学問の神様、菅原道真が祀られているので、お守りの種類の多いこと。受験シーズンになると多くの受験者やその家族が訪れて神頼みをするのだろう。境内には、たくさんの牛さんが寝そべっていた。
神官たちが入っていく。
檜皮葺の屋根と金色の灯籠が美しい。このあと、小さな橋を渡って、人があまりいないところにお連れした。小川も流れていた。京都の北山は自然の中にお寺や神社がある。気に入っていただけた。
このあと、上七軒というお茶屋街を歩いた。京都に5つの花街があるが上七軒が一番古いそうだ。400年くらい前、北野天満宮が火事で燃えてしまい、建て替えた。そのときに余った材木で7軒のお茶屋を建てたことからこの地名が生まれた。ほとんど誰も歩いていなかった。このツアーは昼食時間を含んでいないが、お二人が昼食をご馳走したいと言ってくださったので、『双葉』という、うどん屋さんに入った。エリカさんと私は天ぷらうどん、アーンストさんはカレーうどんを注文された。
このあとバスでホテルに向かった。バスは空席がなかったが、若い男性がエリカさんに席を譲ってくれた。私も一つ前の席が空いたので座った。エリカさんとその若い男性が楽しそうにお話をしているが、何を言っているかわからなかった。あとで知ったが、彼は中国人で立命館大学の留学生だった。日本に来る前はドイツに留学されていたそうだ。お二人はドイツ語でお話しされていたのだった。
無事にホテルまでお送りした。今度はお茶を誘われた。ノクホテルには前田珈琲が入っている。美味しい。
エリカさんの作品。紙でできているとはとても思えない。
携帯に入っているたくさんの写真を見せていただいた。新しい作品を考えている時が、一番楽しいそうだ。そんな毎日を過ごしているうちに、気がついたら80歳になっていたのだろう。私も彼女のように年をとっていきたい。お二人の旅行期間は20日くらいだが、ガイドをつけるのは3日くらいで、あとは旅行社がくれた説明書を読んで移動し、観光をされている。たいしたものだ。
普通はゲストに名刺を渡さない。でもご夫妻はゲストではなくフレンドになったので名刺を渡した。エリカさんもこの名刺をくださった。
スイス・ドイツ語で書いてくださった。英訳すると” Thank you for the wonderful time with you and perhaps we see you in Bern. Erika + Ernst”. 素敵なご夫妻にお会いできた。
コーヒーを飲んでいるとき、次女からLineが入った。今夜、お土産を持ってうちに来るそうだ。次女は大阪の寝屋川市に1人で住んでいるが、滅多に帰ってこない。やっと帰ってきてくれた。金沢と韓国のお土産を持って。
今日は半日ツアーのつもりだったが、帰宅したら5時頃になっていた。三人で近くの居酒屋に行った。
ごちそうさまでした。次女と私は、明日お仕事あり!