ジャイアントロボ

人物か？と言われればかなり微妙ではありますが(苦笑)、一応 “人型”ロボット ということで、こちらのカテゴリーに入れました。
今年の ランドリーグラフィックスギャラリー さんでの 特撮展 に出品した作品です。
ロボと東京タワーの夜景の部分は別々に描き起こしたものを合成しています。

画材は一部アクリル絵の具をのせていますが、ほぼコピックです。

この絵は見た方が好きに情景をイメージしてくれれば面白いと思ってはいますが、展示も終わりましたし、ここでだけ私の意図したイメージを書いておこうと思います。
今回特撮展に初めて「舞台を東京にすること」というテーマが科せられました。
一番考えやすいのは、本編の１エピソードとしてロボを東京で戦わせる、というコンセプトでしたが、これは敢えて却下しました。
ジャイアントロボ はテレビドラマの中の架空の物語です。
そして、東京は今や建ち並ぶビルの殆どが全面ガラス張りの鏡面仕上げで、現実の景色とビルに映る虚構の現実との風景が渾然一体とした不思議な景色を持つ都市になっていると思います。
なので、私はロボと、敵のギロチン帝王が乗る彗星型のロケット、そして一番印象深かった敵方のモンスター ガンモス をガラス張りのビルの窓に映り込む形で描き、ビルの境界線の向こう、逢魔が刻に何事もなく佇む東京タワーを組み合わせてみたんです。
一番手前にわずかに描かれているロボに気がつけば、中央に立つロボと、中途半端に切れているガンモスがなぜそうなっているのかと考えてもらえないだろうか、またはデザインとして東京タワーの夜景とくみ合わさっているだけじゃないのか、とか思うのかなとか、見た方がちょっとでも考えてくれたら面白いかなと考えたんです。

まあ、ご覧頂いた大多数の方はそこまでの意図は汲み取ってはくれていないと思いますし、それはそれでいいか、とも思っています。
夕闇迫る逢魔が刻に、敵の魔物のような目玉の化け物と今正に対峙しようとしているロボの姿を楽しんでもらえたら嬉しいです。