日本のわらべうたに、『かごめかごめ』というものがあります。
♪かごめかごめ かごの中の鳥は いついつ出やる?
という、あの歌です。
それ以降の部分はゆらぎがひどく、
古くからのものではなくなってしまっています。
たとえばありがちな続きでは、
♪夜明けの『晩』に 鶴と亀が滑った 後ろの『正面』だあれ?
となります。
それまでが倭ことばだったのに、いきなり漢音の『晩』や
『正面』が入ってくるのがおかしすぎます。
けれど、後ろのほうは揺らいでも、前半部分はだいたい同じ。
発音が紛らわしくないものだったのでしょう。
ところで、古代日本では、この世を白、
あの世を赤と考えていました。
あの世というのは、大きく捕らえると『霊的なもの』一般を指します。
たとえば、日本で霊的な場所、神聖な場所と言ったら、
どんなものが考えられるでしょうか。
そういって普通の人が簡単に思い出せるのが、神社だと思います。
神社は神聖な場所、霊的な場所です。
そのため、鳥居は赤いのです。
鳥居はこの世とあの世の境の門であり、
鳥居が赤いのは『ここから霊的な場所です』と示すためで、
鳥居が白いのは『ここまで現世です』と示すものです。たぶん。
またたとえば、霊的なものをあらわす音に、『チ』というものがあります。
『霊』と書いて何と読むかといえば、もちろん『チ』。
水の精霊、みづちは『水津霊』と書きますし、
たまに神社に設置してある茅の輪は――。
茅。なんと読むかと言えば、『カヤ』でしょう。
茅場町と言えば、『カヤバチョウ』です。
でも、茅ヶ崎と書けば? 『チガサキ』ですね。
そして茅の輪と言えば、『ちのわ』。
『霊茅(チガヤ)』を編んで輪を作ったものだから、
『チガヤの輪』→『チノワ』です。
というよりも、チガヤが霊的な植物とみられていたので、
チガヤ自体が『チ』と見られていました。
それに従い、5月5日に食べる『ちまき』は
もともとこの『霊茅(チガヤ)』で巻いて、『茅巻き』と言いました。
このように、『チ』には『霊』という意味があります。
そんな『チ』。霊的なものがあるチと言えば、地面です。
昔の人は、死者の国、霊的なものは下にあると考えたので、地はチでした。
そして赤いチと言えばおなじみなのが、『血』。
生贄では神に血をささげることが多くありますが、
『血』は『霊』であり、赤いことにも意味があるのです。
話を戻して、かごめかごめです。
『かごめかごめ』『いつ出やる?』そう聞く歌のことを、
ふとスーパーで商品を見ていて思い出したのです。
赤くて霊的なものを思わせる、チのようなそれ――
ケチャップ(気霊塗布)を見たら、
『カゴメ』『カゴメ』『出るもんて』
が並んでいました。歌が鶴と亀が滑ったとつながるなら、
『亀甲萬』すら同じ場所にあります。
それを見たとき、わたしは戦慄しました。
そして思わずつぶやいていたのです。
「また、我々の前に立ちふさがるのか、ノストラダムス!」
ノストラダムスの予言は、ケチャップ業界に
鶴のマーク、もしくは鶴を名にもつ会社が台頭してきたときに
現実となるのかもしれません。
補記:
ケチャップを見て思いついたねたをさらりと書くつもりでしたが
無駄に長くなってしまいました。
ケチャップ関連だけ冗談ですが、中盤部分は間違っていないはずです。
特に「ち」の扱い方がやっぱりかな?
わたしもしょぼしょぼな歌詞を書いてたりしますけど、こういった語源?かな?を知るとちょっとゾクっとしたり…言葉ってすごいですね。
そういえば「いろは」にもいろいろと解釈があるのを思い出してしまいました。
こういった言葉に込められたものは意外と多いのかも知れませんね…。
古語は残っていると感じます。
どうせならそういうのをきちんと学んで、研究してみたかったです。