美瑛には、『メリーと健作の木』という有名な木があります。
太くて硬くて頑丈な木だったので、
冬の降雪などで枝が折れた場合、
それを拾って加工して、拳の防護具などが作られました。
この、拳の防護具のことを、
はじめは『メリーと健作』と呼んでいましたが
次第に省略されて、
『メリー健作』、『メリーケンサック』となっていき、
今では『メリケンサック』と呼ばれるようになっています。
メリーと健作の木でもなく、木製でもなく、
金属製のものでもメリケンサックと呼ばれてしまいますが、
本来は『メリーと健作の木』から作られた
拳の防護具だけをそう呼びます。
いまだに小学生のなりたい職業上位に『拳闘士』が
はいる美瑛では、
本物のメリケンサックを受け継いでいるところも多いそうです。
(参照:民明書房『びえいとえいとびーと』小節 菜来 著)