ななたすはち(改)

BL小説家御堂なな子の日々の雑記と、たまにお知らせ。

『遊廓で愛は淫れる』発売中★

2013-02-22 21:01:06 | お知らせ





19日に新刊『遊廓で愛は淫れる』が発売されました!

今回はタイトルそのまんまの遊廓が舞台のお話です。
主人公の隼人は、両親を失った後、債権者に遊廓へ売られます。
足抜けを試みても連れ戻される中、ついに初見世の客がやってきます。
その客こそが、花街一の遊び人で色男の千堂佳貴です。
「千さん」「千の旦那」と店子たちに慕われている千堂ですが、
隼人は最初、警戒心を持って接します。
隼人はごく普通の少年なので、男を買う男が信じられないのです。
遊廓から逃げ出そうとする隼人を、千堂は厳しく叱ります。
堕ちた場所で強かに生き抜いてみやがれ、と。
隼人は両親の仇に復讐をしたいという望みがあり、
それを叶えるために、千堂のもと、男娼として生きていく決意をします。
恋の経験もなく、無垢な体をした少年の隼人が、
千堂の手ほどきによって少しずつ花開いていく様を、
お手元でぜひぜひお楽しみください。

最初に担当さんから「今回はSLASHから出します」と言われた時、
す、す、すらっしゅってあのすらっしゅ??と、焦りまくりました。
SLASHレーベルはアダルトな作品群であることを知っていたので、
私に大人向けな話が書けるのか?とすごく心配でした。
ラブと3:7でエロ優勢を目指して書き始めた訳ですが、
最終的に、ラブ6:エロ4ぐらいで落ち着いたと思います。
いやいやいや、エロいシーンもちゃんとあるんですけど、
隼人と千堂のラブが中心にどーんと来ているので、
相対的にエロが少なってしまったような印象がないでもないです。

舞台が遊廓なので、お約束のシーンやアイテムなども登場します。
今まで書いたことがないものばかりだったので、
個人的にめちゃくちゃ楽しみました!
念願の名字、「小鳥遊(たかなし)」を使うことができたのも、
今回とても嬉しかったことの一つです。
インパクトのある名字なので、現代ものではなかなか出せなくて・・・。
(ちなみに小鳥遊さんは、隼人が売られた遊郭の楼主の名前です)
隼人の源氏名「葉月」や、他の男娼たちの源氏名も、
それぞれ考えるのが楽しかったです。

亜樹良のりかず先生のイラストが、とても美しくて、
色香がすごくて、表紙から艶やかさが匂い立ちます。本当に素敵!
これはぜひ書店で直に見ていただきたいです。


リブレさんのノベルズ編集部公式ツイッターにて、
『遊廓で愛は淫れる』の試し読みがスタートします。
詳細はこちらまで↓↓ 試し読みの期間は2/28~3/8です。

■リブレ出版ノベルズ編集部公式ツイッター■





2013年、最初の作品。

2013-02-15 10:52:04 | お知らせ






今日は雑誌掲載のお知らせがあります!

14日発行の『小説b-boy 3月号』に、
「ファーストフライトで恋をして」という作品を載せていただいてます。
不当なリストラに遭った日本人パーサーが、
ファーストクラスで出会った英国人実業家と恋に落ちるお話です。

今回の小bは、魅惑の『お金持ち特集』なのです!
注目は表紙☆
各作品に登場する攻めキャラの推定資産が載ってます。
ちなみにうちのキャラは○○○○億円。プラス○○○○。
このお話を考えた頃はまだ超々円高だったので、
1ドル80円換算で推定資産を出しました(笑)
何故ポンドじゃないんだ、というツッコミは無しの方向で~。
編集部さんの遊び心いっぱいのプチ企画で楽しかったです。

私がボーイズラブを書き始めた頃は、所謂スーパー攻め様が群雄割拠していた時代で、
ストーリーも華やかで劇的なものがすごく多くて、
「攻め様はお金持ちじゃないといけない!」と勝手に思い込んでました(笑)
その傾向は今も強くて、リッチで優しくてちょっと強引な攻めキャラが好きです。
受けの話を聞かずにぐいぐい引っ張っていく感じ。
今回の「ファーストフライト~」の攻めキャラは、貴族的なムードを持つ紳士(?)です。

外国人攻めは、甘い台詞をいっぱい言ってくれるのがすばらしい・・・!
黒髪黒眼だと照れるのに、金髪碧眼ならOKだと思わせるマジック。
私が受けも攻めもわりと金髪キャラを出しているのは、その安心感のせいかも。
でも、言葉少なく感情を抑えた日本人攻めキャラも大好きですよ。
いぶし銀な感じの人も今後書いてみたいです。不言実行で受けを守る、みたいな。

ということで、フライトものの今作をお楽しみいただけたら何よりです。
みずかねりょう先生のイラストは絶対必見!です!



今月は19日にリブレさんからノベルズも出ます。
『遊廓で愛は淫れる』という、少々大人向けのタイトルです。
コミコミさんで予約をされると特典のSSペーパーがつきますので、
よろしければぜひお手元にどうぞ~。
このノベルズの詳しい内容は、また日記に書きにきまーす。







遅れ馳せながら。

2013-02-01 01:12:46 | 雑記






2013年になりました。 
年明けすぐからいろいろあって、すっかりブログもご無沙汰に・・・。
やっと落ち着いたので久しぶりにここのエディタを開きました。
新年初の日記ですが、しんみりした話題です。
楽しい話ではないので、苦手な方は無視してください。




長らく臥せっていた祖父が亡くなりました。
92歳の大往生でした。
夜中の一時過ぎに鳴る電話なんて、大概嫌な予感がするものです。
案の定、父親からのそんな連絡でした。

お正月に帰省した時、入院中の祖父に会いに行く予定でした。
でも、万一ノロウィルスを持ち込んではいけないということで、
面会やお見舞いは控えてくれと言われ、会えませんでした。
もしかしたら、このまま祖父に会えないかもしれない、と、思いました。
こんなに早く、自分の予想が現実になるとは思いませんでした。

父親から連絡をもらった後、すぐ飛行機のチケットを取って、
喪服を鞄に詰めて、通夜に間に合うように自宅を出ました。
前日まで風邪で寝込んではいたものの、何とか体は動きました。
羽田空港が雪に埋もれたあの日です。
東京は雪に弱く、全ての交通機関が麻痺していました。
飛行機から新幹線に手段を変え、やっと東京を出発できたのは、夕方6時前。
切符売り場の大行列を耐えても、
7時から始まる通夜には到底間に合いません。

延々と新幹線に乗りました。電車にも乗り継ぎました。
飛行機なら十分の一の時間で行けるのに。
私の実家はあまりに遠く、その日のうちには辿り着けませんでした。

お葬式が始まる2時間前に、斎場に滑り込みました。
既に棺の中で眠る祖父は、小さくなってはいましたが、とても綺麗な顔をしていました。
皺が少なく感じたのは、納棺師の方のお仕事でしょうか。
ありがたいと思いました。

かわいがられた孫なのに、通夜に間に合わなかった私を、両親も親戚も責めませんでした。
遠いから仕方ないよ。来るだけでも大変だもの。
気遣ってくれる人たちの言葉を、耳半分で聞いていました。

葬儀が始まり、読経が響き、親族として焼香を済ませます。
棺の中を花で満たすまでは、冷静でした。
棺の小さな扉を閉めて、霊柩車で火葬場へ。
でも、リフトのようなものに乗せられて、とても機械的に最期の場所に運ばれていく祖父を見て、
何とも言えない、申し訳なさが私の中に湧いてきました。

ほんの二週間前の正月、おじいちゃんに会いに帰ってたんだよ。
通夜の前日に出発すればよかったのに、風邪なんかひいてて。
あんなに雪が降ると思わなくて、私はおじいちゃんから遠い場所で、
欠航になった搭乗機から降ろされて、荷物が出てくるのを二時間も待ってた。

祖父と言葉を交わすチャンスも、通夜も、ずれてしまったタイミングは元に戻せませんでした。
最期に孫らしいことができなかった私は、祖父に謝りながら泣きました。
両親も親戚も、私が泣いたのを見たのは初めてだと思います。
恥も見た目も気にせず、声を上げて泣くのは、もう当分ないでしょう。
ただ祖父に申し訳なく、自分が情けなく、今もやりきれない思いが残っています。



本当に今日は暗いブログですみません。
何かで吐き出しておかないと、しんどかったので。
次の日記からは普通に戻ります。
今年もどうぞよろしくお願いします。