この土の器をも

独り善がりなブログ

「命ある限り」より

2009-10-19 15:28:19 | 読書
考えてみると、いや考えるまでもなく、
私は実に軽薄に生きている。
熟慮ということをせずに生きている。
何か話を聞くと、すぐにそれをうのみにする。そして簡単に反省する。

とにかく事ほど左様に浅薄な人間で、いつも考えなしに走り出す。
これがいわゆる「走ってから考える」というものであろう。
だから私の他の人への人物評は、我ながら信用できない。直感でものを言う。

「命ある限り」三浦綾子

2009-10-05 20:41:01 | 読書
三浦綾子の自伝、草のうた(幼年時代)、石ころのうた(少女時代)、道ありき(青春時代)、この土の器をも(結婚生活の記録)に続く文筆生活30年の記録。
「氷点」当選以降の氏の人生を綴ったエッセイで、これまで私が読んできた数々の作品が、いつ、どんなきっかけで生まれたのかが詳しく書かれている。

まだ、最後まで読んではいないが、
よかった箇所をいくつか紹介する。

11ページ
三浦光世のせりふ
「親孝行する金は必ず神が与えてくださる」

60ページ
「氷点」当選後、二人(三浦夫婦)は本を前に、神に感謝の祈りを捧げる。
<あなたがたのうちに働きかけて、その願いを起させ、かつ実現に至らせるのは神であって、それは神のよしとされるところだからである>(ピリピ人への手紙2:13)

94ページ
「自動車を運転するようになると人が変わる」とよく聞く。その車も大型になれば尚のこと人が変わるという。車に乗ってさえ変わるものなら、結婚した相手によって、就いた地位によって、事業の状態によって、金のなるなしによって、健康の如何によって人が変わるのは、当然過ぎるほど当然なことであろう。自分でも思いがけない面が現れる。しかし、それが人間であるということさえ気がつかずに、私は長いこと生きてきたようだ。