税理士法人AIO(アイオー)のお役立ちブログ

大阪と東京を往復する、会計士・税理士が
みなさまのお役に立ちそうな内容を記載させていただきます。

【個人事業主が法人成りするときの注意点とは?】

2012-03-27 14:21:53 | 【お役立ち情報】

早いもので、もう3月も終わろうとしています。

怒涛のような(?)確定申告の時期も終了し、申告を終えられた方にとってはホッと一息つかれたのではないでしょうか?

また、個人で事業を営んでいる方は、確定申告された際に、

「これって法人にできるのかな…」または「法人組織にしたら、得なのかな?」

など、疑問に思われたことも、ひょっとしたら少しはあったのかもしれません。

確かに、ある一定以上の所得がある個人事業主の方にとっては、法人化したほうが税金面で有利にはなります。

ただ、法人化(法人成り、と言われます)する際、気をつけなくてはならない点も、実はあったりします。

今回は、個人事業主の方が法人組織にするときの注意点についてお伝えしたいと思います。

法人成りは、それまでの個人事業を法人が行うため、原則として個人事業は廃止することになります。

まずは、届出関係での注意点についてですが、下記のことを行わなくてはなりません。

1.廃業の日から1ヶ月以内に、「個人事業の廃業届」を、納税地の管轄である税務署へ提出する

2.個人事業を廃止した年度の事業所得は、翌年に「確定申告」する

3.「源泉所得税の納期の特例」を選択していた個人事業主の場合、事業を廃止した日の属する月の「翌月10日」までに、預っていた源泉所得税を納付する。

これは、廃業することにより、この特例の効果が消滅してしまうためです。

次に、法人成りした際に、個人事業主時代の「資産」「負債」を、引き継ぐ可能性も十分考えられるでしょう。

引継ぎの方法としては、

・現物出資
・売却
・贈与
・賃貸

の、4種類の方法が考えられます。

また、引き継げる財産の範囲ですが、基本的には、

貸借対照表上に計上できるもので「譲渡可能なもの」であれば、何でも引き継ぐことはできます。

(一部、引き継げないものもあります)

 

 次に、それぞれの引継ぎ方法の特徴を順番に説明してゆきますと、

まず現物出資や売却の場合、何らかの対価が法人→個人へ支払われることになります。

現物出資とは、個人が金銭以外の資産を出資し、法人はその資産の時価を資本金として株式を発行することをさします。

手許にまとまった資金がなくても法人化できる方法といえますが、会社法上の規制もあり、

金銭以外の出資の「価値」について、その筋の専門家に調査してもらう決まりになっています。

その為の相当の時間と費用を法人が負担する必要が出てきます。

売却の場合、現物出資と異なり、会社に「購入資金」が必要になってきます。

贈与の場合は、読んで字のごとく、無償で引き継がれますが、

贈与時の「時価」で資産が移転したと見なされるため、

資産の時価>(譲渡資産の帳簿価格+譲渡するために直接かかった費用)

の場合に、受け取った個人側で譲渡益が発生することになります。

また、譲受した会社側でも時価に相当する「受贈益」が発生し、共に納税資金が必要となる可能性が出てきますので、資産の「時価」に留意する必要があります。

賃貸の場合、所有権は個人に残ったままとなり、会社側が毎年、「賃借料」の名目で個人に支払います。

受け取る個人側では収入が生じることになるので、個人側では所得税の申告について注意しなくてはなりません。

それぞれの引継ぎ方法には、メリット・デメリットがあります。

そのときの状況に照らし合わせたうえで、専門家へ相談のうえ、最も適した方法を選び取ることが重要になってきます。

弊所では法人成りも数多く手がけておりますので、ぜひお電話にてお問合せ下さい!


【健康保険料・雇用保険料・労災保険料の料率改定が行われています!】

2012-03-15 10:00:00 | 【お役立ち情報】

もう3月も半ばになり、確定申告も期日が近づきつつあります。

3月といえば、健康保険料などの料率改定の時期ですね。

今回は、こちらの改定についてお知らせいたします。

 

先日、全都道府県支部の健康保険料率が確定し、ホームページで公開されました。

平成24年度の国庫負担率について引き上げが行われるよう、協会けんぽは働きかけを

国に対し行っていたようですが、結果として引き上げは行われず、

全国平均で現在の9.50%→10.00%へ上がることとなりました。

また、40歳から64歳までの被保険者(介護保険第2号被保険者)が納付する 介護保険料についても、1.51%→1.55%へ引き上げとなります。

協会けんぽのホームページでは、引き上げの告知を行うとともに、

平成24年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表を公開、

ダウンロードできるようにしていますので、是非ご利用ください!

各都道府県支部の料額表はこちらからダウンロードできます。


http://www.kyoukaikenpo.or.jp/8,0,120,713.html

参考リンク
協会けんぽ「平成24年度の保険料率の決定について」

 

ご存知のように、協会けんぽの保険料率は都道府県によって違ってきますので、

ご自身の会社で届出を出されている都道府県の料率を適用することになります。

間違えないようにしたいところです。

また、平成24年4月1日からの雇用保険料・労災保険料の料率についても、改定がされており、

雇用保険料だと、事業の種類が「一般」であれば従業員負担分は0.6%→0.5%、

事業主負担は0.9%→0.85% となっております。

給与計算のご担当の方は、お気をつけてくださいね。

なお、労災保険料についても、全般的に料率が下がる形となっておりますので、下記リンクをご参照ください。

http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0032/0541/24rousai.pdf

 

参考までに、平成24年度の雇用保険料率のpdfが厚生労働省から提供されていますので

ダウンロードしてご活用下さい。

 雇用保険料率表 H24年4月1日~
 

中川会計では随時タイムリーに、お客様にとって有用な情報提供を致しております。

労務関連のご相談もお受けしておりますので、「こんなこと聞いてみたい…」など、

疑問に思われることがございましたら、ぜひご相談ください!

 


【還付金が期待できる、各種所得控除・税額控除について H24年度確定申告】

2012-03-08 09:55:00 | 【お役立ち情報】

いよいよ、確定申告期限まであと9日となりました。

この時期にまだ何も手をつけられてない方は、そろそろ本気で焦ってくる頃でしょう。

確定申告しなくてもよい人でも、「申告することによって税金が戻ってくるなら、いっちょやってみるか!」

そう思われる方も、いらっしゃるのでしゃないでしょうか?

今回は、そんな方のために、「還付金が戻ってくる可能性のある」各種控除についてお伝えします。

確定申告の還付金といえばまず思い浮かぶのは、医療費控除。

ご自身や、扶養親族の方が医療費を支払った場合(保険金等により補てんされる金額を除く)で、

年間10万円を超える場合には、その超える金額を「所得金額」から控除できるというものです。

控除できる金額には上限があり、最高200万円までとなっています。

ここで気をつけるべきは、

・支払いベースでの金額になる(未払いのものは、対象とならない

所得の少ない人は、年間10万円を超えなくても、医療費控除できる(この場合、基準が10万円でなく

「総所得金額×5%」になります)

・支払った医療費でも、一般的な水準を超える「高額な部分」は、医療費控除の対象にはならない

でしょう。

特に、 医療費控除→計算する基準の合計医療費金額100,000円

と、つい思い込んでしまいますが、それは所得税率10%以上の方に当てはまるお話であって、

所得税率が5%の方なら年間10万円に満たなくても医療費控除は受けられます!

年間のパート収入が180万円あったSさんの例を挙げましょう。

給与収入180万円なので、給与所得控除後の金額は108万円。他に所得はないものとします。

この108万円×5%=54,000円が、医療費控除を受けられるかどうかの判定金額となります。

Sさんの年間医療費の合計額が8万円であれば、

(80,000-54,000)×5%=1,300円が医療費控除で戻ってくる所得税の還付金額になります。

そして、医療費控除には住民税も控除できますので、こちらは10%の還付額になります。

微々たる金額ではありますが、戻ってくるなら申告してみたいですよね。

もちろんこの場合、Sさんと生計を一にする配偶者やその他親族の方がいらっしゃる状態で、

それぞれの方の支払った医療費の合計が10万円を超えるようであれば、この中で最も所得の高い方が

医療費控除を受けられる形にすれば一番還付金は多くなります。

いろいろ条件を考慮して、いちばんお得な形での医療費控除に持ってゆきたいですね。

このほか、医療費控除に入れられるものとしては、

・公共交通機関での自宅からの往復交通費

・ドラッグストア等で購入した「風邪薬」「胃腸薬」「水虫治療のぬり薬」など

・妊娠中の定期健診や交通費、分娩費用や入院費用(保険で補てんされる金額を除く)

などが挙げられます。ただ、美容・健康目的での出費は対象となりません。

例えば営業ドリンクやサプリメント、歯石除去などはNGとなります。
 

H23年は震災もあり、寄付金をした方も少なからずいらっしゃることでしょう。

「特定寄付金」をした場合であれば、「寄付金控除」が使えます。

所得控除の計算式は、寄付金-2000円 になります。

ですので2000円を超えないと、まずは還付が受けられません。

特定寄付金に該当するかどうかは、「寄付金控除の領収書」・寄付先のHPやパンフレットで確認できます。

また、震災に関する特例で、従来の寄付金控除に比べて控除額が拡大し、

支出先によっては税額控除も受けられる措置が取られています。

こちらは、(寄付金-2000円)×40%の、「税額控除」か、上記の所得控除かの選択になります。

寄付先によって取扱いが異なるため、まずはご自身の「寄付先」を確認してみましょう。

震災関連の寄付金については、過去にブログでもお伝えしていますのでそちらをご覧ください。

ここで最も大事なのは、寄付金控除を受けるためには、寄付をしたという内容がわかるもの、

つまり「領収書」「受領書」「振込の控」が必要なる点です。

このため、街頭募金は残念ながら対象となりません。

また、失念されている方は、早急に領収書の再発行を依頼してくださいね。
 

最後になりましたが、前回もお伝えした「雑損控除」または「災害減免法」による還付金についても簡単な計算式を載せておきます。

雑損控除の場合、

①{(災害による損害額+災害関連支出額)-保険金による補てん額}から総所得金額を控除した額の10%

②災害関連支出額-5万円

の、いずれか多いほうの金額が所得控除の金額になります。

また、災害減免法の場合、

所得金額の合計額が500万円以下…所得税の全額
〃     500万円超~750万円以下…所得税の50%
〃     750万円超~1000万円以下…所得税の25%

が、軽減または免除される所得税の額となります。

雑損控除と違い、所得に制限があり、損失額が住宅や家財の時価の50%未満の場合は使えません。

また、「災害減免法」ですので、損害の発生原因が「災害」に限られてしまいます。

税額控除となりますので、控除される税額は多くなるように思われますが

損害額が大きい場合は、控除しきれない損失の繰越ができないなど、制約がある点に注意が必要です。

雑損控除と災害減免法、どちらか有利なほうを選択して申告することになります。

 

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