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師任堂(サイムダン)光/色の日記【23話&24話】あらすじ

2017-04-26 | 『師任堂』 사임당

 

第23話 復権への策略

 

体調不良を理由に世子に摂政を命じる中宗。世子はギョムに助言を求めるが、中宗はギョムが摂政に関わることに不快感を示す。
その頃、フィウムダンは中宗の側室の娘、貞順王女に取り入って王宮に戻って来る。

一方、ウォンスは愛人クォン氏の言いなりにサイムダンの絵を持ちだして売り払ってしまう。そんなウォンスに心を痛めるサイムダン。だが工房に戻ると、絵はすべて元通りになっていた。

そこにはギョムからの文と芍薬の絵があり...。

 

第24話 さらなる野望

 

フィウムダンとチヒョンの復権が腑に落ちないギョムはイム・コッチョンに経緯を探らせる。
流罪先から戻ったチヒョンはさらなる野望を抱き、フィウムダンが止めるのも聞かず、倭寇と危険な取引をしてしまう。

中宗の体調が思わしくないのを見て、御真影制作を思いついた世子はギョムに制作の全権を与えることに。

一方、現代。ミン教授が学長就任式を迎えていた。その日、ジユンとサンヒョンは論文盗作疑惑を突きつけられ、さらに、ヘジョンは博物館を免職処分にされてしまう。

 【23話&24話】メチャン[梅窓]

メチャン[梅窓]~師任堂の才気をそのまま受け継いだ娘

 

ドラマではサイムダンの子どもは4人と描かれていますが、実際は4男3女、7人の子どもを産み育てました。

唯一の女の子として描かれていたメチャンですが、長女として1529年に生まれます。
「梅窓」というのは名前ではなく、彼女の号です。

母、サイムダンはメチャンがまだ幼いころから、女性としてのたしなみである針仕事や家事をきっちりと仕込みます。メチャン自身も母の教えをきちんと身に着けていきます。

詩画にも人並み外れた才能を見せたメチャンは、"小さな師任堂"と呼ばれるほど、母サイムダンの才能をもっとも多く受け継ぎました。

さらに、のちに子孫から"婦女子の君子"と呼ばれたように、学識も深かったといわれ、弟の大学者、ヒョルリョン(李珥)でさえ、わからないことがあると、姉メチャンに尋ねたといいます。

これほどの才能を持った彼女が、ドラマのように図画署に入りたいと思ったとしても不思議ではありません。

 

 

サイムダンの才能はメチャンに受け継がれ、その後、メチャンの次男チョ・ヨン(趙嶸)に受け継がれていきます。彼が描いた「君山二友図」は朝鮮中期を代表する絵画のひとつといわれています。

現在、サイムダンの生家、烏竹軒(オジュッコン)にはメチャンの作品「梅花図」が、弟のイ・ウ(李瑀)が描いた「菊花図」とともに画帖として保存されています。

また、京畿道玻州にある栗谷の家族墓地には、母・サイムダンや兄弟たち、そしてメチャンの夫、チョ・ナデム(趙大男)、息子チョ・ヨンたちがともに眠っています。

そして、ベルナ様よりお借りしました

食事を取らず絵に没頭する師任堂を心配し、お弁当を手に現れるギョムのシーンの続きから…

師任堂・サイムダン色の日記23話と24話のあらすじ

 

第23話 共同図画師

食事も取らずとる遅くまで絵を描く師任堂の所へ行き、ギョムは弁当を広げた。

「図画署(トファソ)の長として命令する。負担に思うかもしれないが、まだ始めたばかりの段階で食事を抜いたりすると疲れ切ってしまう」

と心配を口にするギョムに微笑みを浮かべる師任堂。

 

師任堂が御真を描く事に異を唱え、三議政と大臣たちは朝廷に出てこないだけではなく、持斧上訴(国への訴えの中で最も強い)をして世子に圧力をかけた。

門の外でも相変わらず儒生達の抗議の声が続いていた。

 

そんな情勢の中でも黙々と描き続ける師任堂に「嵐の中に平静に座っておるが怖くないのか?」と尋ねる中宗。

「嵐はいつまでも続かないでしょう。」

とサラリと答え又絵を描き始める師任堂に、ギョムがなぜそなたに惹かれたか分かるな…と笑う中宗。

 

「全て運命だと考えております。運命ならばどうする事もできません。運命を受け入れた以上、怖がる事は何もないのです。陛下の御真をなんとしてでもやり遂げて、図画署の画師を夢見る娘に希望を与えたいのです」

「では、母としての考えを申してみよ。王であることは子供の民を世話をする事と同じ意味だが、母としてこの国のどこを直すべきだと思うのだ?」

 

そこへ入ってきたギョムが一介の画師にどうしてその様な問いを…と取りなすが、それを遮り執拗に同じ問いを繰り返す中宗に仕方なく口を開く師任堂。

「将来を夢見ることが出来る国にして欲しい。女だから、庶子だから、両班じゃないからと夢もなく生きるのではなく、民が夢を持つ事が出来る国をお作り下さい」

 

だが、その師任堂の言葉は中宗を不安に陥れた。

翌朝、民たちに罵られる夢にうなされて目を覚ました中宗は、「空に太陽がいくつある?空に太陽は一つだけあるべきだ」と呟き師任堂への怒りを示した。

その後、世子を補佐するギョムを朝鮮の希望だと若い儒生達が讃える声を聞いた中宗は、世子を代理聴政から外し東宮に軟禁した。

そしてギョムに御真の共同図画師となる様に命令した。

「二人はかって結婚を誓った仲ではないか?ゆっくりと時間を使い絵を完成させろ」

と朝廷の場で二人の過去をばらしギョムを困惑させた。

御真を描く二人に笑いかける中宗。

「若かりし頃、こんな風に描いていたんだろうな。ギョムは婚姻の申し出を自身で書き、師任堂は金剛山図への登山を王に上訴すると言っていた。お似合いの二人だ!」

その後、師任堂の顔を覗き込み「師任堂。流民達を守り利益を分配しているらしいな。楊柳村においてのそなたは王の様か?」と挑発的な発言をしたりもした。

 

中宗が去った後、彼の攻撃的な言動を憂い、「どうせ絵を描くならもっと美しい場所だったら良かったのに…」と呟くギョム。

そんな彼に「私は、ここでも十分に幸せです。あなたと一緒にいられる事に感謝し申し訳ないと思っています」と告げる師任堂。

 

大臣への復帰に血眼になっているチヒョンは、その資金欲しさに倭寇と結託を決め兵船図鑑を盗めとフィウム堂を急かした。

ギョムが図画署の責任者になって以来侵入は厳しくなったとフィウム堂から聞くと「ウイソン君殺してやる…」と呟くチヒョン。

 

お国に対する大逆だと反対しながらも、翁主のノリゲを忘れたと嘘を付き図画署(トファソ)に入り込んだフィウム堂は、官吏が厠へ出た隙に兵船図鑑(設計図)を盗み出す事に成功する。

 
 

だがその後、蝋燭の火を灯し共同で御真を描いているギョムと師任堂の真摯な姿を盗み見て、自身の人生を恥じ涙するフィウム堂。

御真の完成披露当日。

光化門前に集まる群衆の前に御真が公開されるやいなや「不愉快な絵だ。画師を捕まえろ」と抗議の声が儒生達の間から大きく上がった。

それは、ギョムと師任堂を排除しようとする中宗と三議政による計略に寄るものだった。

事前にその事に気づいていたが「絵を見る目は民も同じだ。それを信じて任せる」と比翼堂の芸人達に話をしていたギョム。

御真を見た途端、民達は「生きているようだ!輝いている!陛下~なんと幸せな日だ~」と感嘆し絵を拝んだ。

その場で喜び踊る民たちの姿を見て笑みを浮かべる世子と、対照的に計略の失敗を苦々しく思いながら去る中宗と大臣たち。

 

学堂へ行かず楊柳村に居るジキョンを見つけ叱責するフィウム堂。

だが「友達と一緒に祝って何が悪い?僕達は家族か?僕の夢は居心地の良い食卓なんだ!」と応酬し走り去るジキョン。

その様子を見守った後、フィウム堂に近づく師任堂。

 

「ジキョンとヒョンリョンは一緒に遊んでいるのです。全てを水に流し子供たちを第一に考えましょうよ。あなたも私も母親でしょう?」

そんな師任堂を見つめ涙を流すフィウム堂。

民の支持を得ている師任堂とギョムを恐れ、排除する次なる計略としてミン・チヒョンに暗殺しろと命を下す中宗。

そうして倭寇を使い師任堂を拉致した後、ギョムをおびき出す書札をフィウム堂に届けさせるチヒョン。

 

書札を読み師任堂の元へと駆けつけるギョム。だが、師任堂は別の場所に移され山小屋の中は空っぽだった。そこへ倭寇と共にミン・チヒョンが現れ、剣を抜くギョム。

その頃、別に場所に捕まっている師任堂の元へと向かうフィウム堂。

 

持斧上訴:朝鮮時代にあった国への訴えの中で一番強く、進言を受け入れられなければ首を斧で切って欲しいと言う意味

第24 金鋼山の主峰・昆廬峰(ビロボン)で

四方から襲いかかる敵を素早い身のこなしで防いでは斬って行くギョム。その様子を悠然と見物しているチヒョン。

そんな中、突如として矢の雨が降り官軍が到着した。

世子の助けで戦況は一変し不意の追撃に慌てる倭寇。そして一騎打ちとなりギョムに斬られるチヒョン。

 

「死ぬのか…この俺が。だが面白い!…お前を守ろうとして世子が官軍を送るとは….。王様が師任堂と共に殺せと命じたのに…」

チヒョンの死に際の言葉に驚愕するギョム。

その頃、フィウム堂に救出され戻って来た師任堂は、行く末を託されたフィウム堂の子供達を迎えに急いだ。

役人に捕まる寸前に師任堂と避難する子供たちを遠目で涙ながらに見送るフィウム堂。

その夜、中宗の追撃が楊柳紙所へも及ぶのではないかと恐れた師任堂は、土地権利書を流民達に配リ「今まで良く働いてくれましたね」と労うと故郷に戻る様にと促した。

 

そしてギョムは、血しぶきの残る顔と服のままで中宗の元へ直談判に訪れた。

「それで?余を殺しにここに来たのか、それとも…死にに来たのか?」

そう皮肉な調子で中宗に問われたギョムは「ここまで来た以上生きるつもりはありません」と答えた。

 

その後、世子の元で官職に就いたギョムを責め、前王燕山君と同じく廃位になると不安を口にした後、戒めるギョムに向かっていきなり剣を振りかざす中宗。

その剣を手で防ぐギョムを殺意のこもった目で睨み「王位を守るために必要なら何でもする」と言い放つ中宗。

そんな緊迫した二人の中へ世子が止めに入り、王宮を去るギョム。

翌日ギョムの大逆罪のお触れが市井に張り出された。

それと共に比翼堂は閉鎖され、強制立ち退きの憂き目に会う芸人達。

楊柳村にも役人が押し寄せ、楊柳紙所の取り潰しと財産没収も行われた。

流民達が既に去った後である事に一旦は安堵する師任堂だが、ギョムが大逆罪人となった事を知ると胸を痛めた。

 

そうして帰宅すると、今度はウォンスがお腹の大きいクァン氏を家の中に引き込み戯れあっている所に遭遇してしまう師任堂。

重なる悲しみに負けて嗚咽する師任堂に「母上、泣かないで…」と言いながら泣き始める子供たち。

「金剛山に絵を描きに行って下さい。母上!」とメチャン。

「母上、弟達の面倒は僕が見ますから…心配しないで下さい」とソヌ。

子供達に励まされ、念願の金剛山へと向かう師任堂。

*

金剛山の主峰昆廬峰(ビロボン)に着くと、その圧倒的な勇姿に目を奪われ下界での苦難や悲しみを忘れ絵に没頭する師任堂。

 sbs画面キャプチャー

そうして一枚目の金剛山図が仕上がった頃、林巨正(イム・コクチョン)のアジトから出て追いかけて来たギョムが師任堂の前に姿を見せる。

「大丈夫だ。すまない。全て私のせいだ」と謝るギョムに首を振り…

「どうしてあなたのせいなのです?私のせいで罪人になってしまわれたのに…」

そう言って涙を流す師任堂。

 

「三日間だけ私と居てくれ。金剛山図を一緒に描こう!」

と昔交わした約束を果たそうと提案するギョムに同意し、共同で金剛山図を描く師任堂。

そうして三日後の夜。

二人で描きあげた絵と安堅の金剛山図を燃やし手紙を残した後、ギョムの傍から離れる師任堂。

 

“ウイソン君様、貴方様に手紙をしたためながら多くの思いが頭に浮かびました。

貴方様の手を取り一緒に去ろうと思ったりもしましたが、それをすると子供たちを醜聞に巻き込むことになるでしょう。

私は母としての人生を選びますが後悔はしません。

この世では一緒には居られなかったけれど来世では多分可能でしょう。愛しておりました…。”

 

師任堂の手紙を読んだ後、再会後共に過ごした時を振り返りながら名前を叫び涙するギョム。

 

金剛山の主峰昆廬峰(ビロボン):江原道江陵市、(山頂:1563m)



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